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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):サンリオ、CTC、郵船

サンリオ <日足> 「株探」多機能チャートより
■湖池屋 <2226>  7,290円  +1,000 円 (+15.9%) ストップ高   本日終値
 湖池屋<2226>が後場急動意。ストップ高まで買われ、年初来高値を更新した。同社はきょう午後1時15分ごろ、24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比3.2倍の8億4700万円となり、通期計画19億円に対する進捗率は44.6%となった。売上高は同26.9%増の128億9900万円で着地。前期に大型リニューアルを実施した「コイケヤポテトチップス」をはじめとした大半のブランドの販売が好調だった。なお、通期業績予想については従来計画を据え置いている。

■サンリオ <8136>  7,706円  +1,000 円 (+14.9%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率3位
 サンリオ<8136>が全体下げ相場に逆行してストップ高。足もとの業績はインバウンド効果が発現し、会社側の想定を上回って好調に推移している。2日取引終了後に24年3月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の112億円から170億円(前期比28%増)に大幅増額した。更に好業績を背景に株主還元も強化し、年間配当は従来計画の35円から45円(前期実績は35円)に10円上乗せした。これらを好感する形で買い人気を集めた。国内で運営する店舗やテーマパークへの来客数が増勢顕著となっている。これは脱コロナでの経済再開(リオープン)効果に加え、訪日外国人観光客の急増が反映された。「ハローキティ」を主軸とするキャラクターの販売やライセンス事業などに追い風が強まっている。

■日本ライフライン <7575>  1,106円  +125 円 (+12.7%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位
 日本ライフライン<7575>が急伸。5月22日につけた高値1095円を上抜け、年初来高値を更新した。2日の取引終了後に4~6月期(第1四半期)決算を発表し、営業利益は前年同期比17.3%増の31億7600万円だった。通期で減益を見込んでいるだけに、第1四半期時点での増益が好感され買われた。新型コロナウイルスの5類移行を背景に、手術件数が増加したことが追い風となった。ただ、一部商品の商流変更などが影響し、売上高は同0.1%減の129億5400万円にとどまった。利益面では、一時的な雑収入の発生や研究開発費の減少が寄与した。通期の減収減益見通しは据え置いている。

■AZ丸和HD <9090>  2,126円  +215 円 (+11.3%)  本日終値  東証プライム 上昇率6位
 AZ-COM丸和ホールディングス<9090>が切り返し急。2日の取引終了後、24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比16.1%増の475億2800万円、経常利益は同44.9%増の37億5100万円だった。経常利益の中間期計画に対する進捗率は67%と順調で、業績の上振れを期待した買いを集めたようだ。EC市場の成長が追い風となるなか、輸配送事業では配送エリアと稼働台数の拡大が奏功。3PL(サード・パーティー・ロジスティクス)領域においても、物流センターの拡充が寄与したほか、スーパーマーケットの業務拡大、ドラッグストアをはじめとする医薬・医療関連の出荷物量の増加が収益に貢献した。

■伊藤忠テクノ <4739>  4,349円  +428 円 (+10.9%)  本日終値  東証プライム 上昇率7位
 伊藤忠テクノソリューションズ<4739>が急伸した。2日の取引終了後、伊藤忠商事<8001>子会社のデジタルバリューチェーンパートナーズがCTCに対し、株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。買い付け価格は1株4325円で、非公開化を目指す。CTCの株価はTOB価格を上回る水準まで買われた。買い付け予定数は8962万5766株(下限1255万0000株、上限設定なし)。買い付け期間は8月3日~9月14日を予定する。TOB成立後は所定の手続きを経て、CTC株は上場廃止となる見通し。東京証券取引所は2日、CTCを監理銘柄(確認中)に指定した。伊藤忠はCTCと一体となることでグループの経営資源を迅速かつ柔軟に相互活用し、相乗効果を発揮していく。

■日本郵船 <9101>  3,703円  +250 円 (+7.2%)  本日終値  東証プライム 上昇率9位
 日本郵船<9101>が後場に急伸した。この日、24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算発表にあわせ、取得総数8500万株(自己株式を除く発行済み株式総数の16.7%)、取得総額2000億円を上限とする自社株買いの実施を発表。これがポジティブ・サプライズと受け止められた。あわせて今期の年間配当予想をこれまでの120円から130円に増額修正した。前期の配当は株式分割を考慮したベースで520円だった。通期の業績予想も修正し、最終利益の見通しは2000億円から2200億円(前期比78.3%減)に引き上げた。売上高の見通しは2兆3000億円から2兆1700億円(同17.1%減)に引き下げた。定期船や航空運送、物流セグメントの経常損益見通しを下方修正する一方、不定期専用船では自動車やエネルギー事業が堅調に推移するとみて上方修正した。

■スカパーJ <9412>  630円  +39 円 (+6.6%)  本日終値  東証プライム 上昇率10位
 スカパーJSATホールディングス<9412>が大幅反発し、2016年4月以来、7年4カ月ぶりの高値をつけた。2日の取引終了後に発表した24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算は、営業収益が前年同期比4.2%増の300億900万円、最終利益が同23.5%増の49億8200万円だった。最終利益の進捗率は通期計画(150億円)に対し33%と順調な滑り出しとなり、好感されたようだ。国内衛星ビジネスにおける機器販売の増加や、ハイスループット衛星「JCSAT-1C」および「Horizons 3e」の利用拡大が追い風となり、宇宙事業が増収増益となるなど、業績を押し上げる要因となった。

■新光電気工業 <6967>  6,080円  +367 円 (+6.4%)  本日終値
 新光電気工業<6967>が急反発した。米ブルームバーグ通信が2日、富士通<6702>が新光電工の売却を目指して実施した1次入札の結果、米投資ファンドのKKRや政府系ファンドの産業革新投資機構(JIC)など4陣営が買い手候補として残っていることが分かったと報じた。9月中旬にも2次入札が実施される可能性があるという。新光電工に対しては、買収時に株価に上乗せされるプレミアムを期待した買いが集まった。報道によると、ベイン・キャピタルやアポロ・グローバル・マネジメントも買い手候補として残った。JICは複数の事業会社とコンソーシアムを組む方向で調整しており、交渉相手には大日本印刷<7912>や三井化学<4183>が含まれるとしている。

■ジーエヌアイグループ <2160>  1,333円  +78 円 (+6.2%)  本日終値
 ジーエヌアイグループ<2160>が後場に動意づいた。この日、23年12月期の連結業績予想の修正を発表した。最終利益の見通しはこれまでの11億~14億円から17億300万円(前期比4.4倍)に上方修正しており、手掛かり視されたようだ。従来171億~209億円としていた今期の売上収益に関しては252億7300万円(同45.1%増)に見通しを引き上げた。連結子会社の北京コンチネント薬業の主力製品である「アイスーリュイ」の売上収益が計画を大きく上回って推移。連結子会社のCullgenがアステラス製薬<4503>と結んだ戦略的提携に基づき、約47億円を売上収益に計上しており、これらの影響を業績予想に織り込んだ。

■日清食HD <2897>  12,930円  +740 円 (+6.1%)  本日終値
 日清食品ホールディングス<2897>が後場に上げ幅を拡大した。この日、24年3月期第1四半期(4~6月期)の連結決算を発表し、最終利益は前年同期比86.3%増の140億3100万円となった。大幅増益となったほか、通期計画のレンジの上限(445億円)に対し、進捗率は第1四半期ながら約32%と順調な滑り出しとなった。これを受け、業績の上振れを期待した買いが集まったようだ。売上収益は同11.5%増の1664億7000万円だった。海外事業は米国などで損益改善が進み、国内の即席めん事業は6月の価格改定実施後も数量を維持した。日清ヨークと湖池屋も引き続き好調だった。

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