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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):相鉄HD、第一生命HD、富士電機

相鉄HD <日足> 「株探」多機能チャートより
■相鉄ホールディングス <9003>  2,733円  +212.5 円 (+8.4%)  本日終値  東証プライム 上昇率トップ
 相鉄ホールディングス<9003>が大幅続伸。同社は27日取引終了後、24年3月期通期の連結業績予想修正を発表。営業利益の見通しを従来の193億円から223億円(前期比55.4%増)に引き上げたことが好感されたようだ。営業収益の予想も2694億円から2729億円(同9.3%増)に上方修正。鉄道業やホテル業で需要の回復傾向がみられることが主な要因だとしている。

■シンプレクス <4373>  2,749円  +196 円 (+7.7%)  本日終値  東証プライム 上昇率3位
 シンプレクス・ホールディングス<4373>は年初来高値更新。27日の取引終了後に発表した4~6月期(第1四半期)決算は、売上高が前年同期比16.9%増の94億400万円、営業利益が同27.5%増の17億800万円だった。大幅な増収増益となったことが好感され、買いが入った。システムインテグレーション、運用サービスの売り上げが好調だったことが業績に貢献。新卒社員数の増加や研修強化などで費用が増えたものの、増収効果で吸収した格好となった。通期見通しは据え置いた。

■アマノ <6436>  3,175円  +220 円 (+7.5%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位
 アマノ<6436>が急反発し、2020年1月以来、およそ3年半ぶりの高値をつけた。27日の取引終了後に発表した24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算は、売上高が前年同期比15.3%増の318億4000万円、最終利益が同2.0倍の15億5700万円だった。大幅増益となったことが売り方の買い戻しを誘発し、株高に弾みがついた。アマノ単体のパーキングシステムが大きく伸長したほか、清掃ロボットが好調のクリーンシステムも増収となった。国内のグループ会社では、就業管理のクラウドサービス事業が引き続き堅調だったほか、改正電子帳簿保存法への対応ニーズを背景に、デジタルタイムスタンプ事業が好調だった。

■フタバ産業 <7241>  635円  +44 円 (+7.5%)  本日終値  東証プライム 上昇率6位
 フタバ産業<7241>が大幅続伸、今月25日につけた年初来高値604円を気配値のまま上回り新値街道に再突入した。骨格プレス部品を手掛けるトヨタ系自動車部品メーカーで自動車のマフラーを主力とするが、電気自動車(EV)分野の戦略商品開発にも力を入れている。足もとの業績は部品供給不足の影響で低下していた客先稼働率が回復したことで会社側想定を上回って好調に推移している。27日取引終了後、24年3月期の業績予想の修正を発表、営業利益は従来計画の90億円予想から110億円(前期比43%増)に大幅増額した。これが好感される形で株価が押し上げられている。PER10倍弱で、PBRは0.5倍台と株価指標面でも割安感が強く、水準訂正狙いの買いが集中した。

■第一生命HD <8750>  2,888円  +193.5 円 (+7.2%)  本日終値  東証プライム 上昇率8位
 第一生命ホールディングス<8750>や三井住友フィナンシャルグループ<8316>など金融株が逆行高。28日付の日本経済新聞朝刊が「日銀は28日に開く金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の修正案を議論する」と報じた。長期金利の操作の上限は0.5%のまま据え置く一方、市場動向に応じて0.5%を一定程度超えることも容認する案が浮上しているという。過去のマネタリーベース年間増加額80兆円の目標と同じように、YCCにおける長期金利変動許容幅のメドに関しても、形骸化する可能性が市場の一部では意識されたようだ。国内金利の上昇による利ザヤ改善を期待した買いが金融株を押し上げている。千葉興業銀行<8337>やふくおかフィナンシャルグループ<8354>など地銀株も堅調。東証の業種別指数で、銀行業と保険業はプラス圏で推移している。

■三菱鉛筆 <7976>  1,735円  +92 円 (+5.6%)  本日終値
 三菱鉛筆<7976>が急反発した。27日の取引終了後、23年12月期第2四半期累計(1~6月)の連結決算は、最終利益が前年同期比13.5%増の44億3600万円となった。通期計画に対する進捗率は約62%に上ったほか、直近3カ月の4~6月期でも大幅な最終増益となっており、業績の上振れを期待した買いが入ったようだ。第2四半期累計の売上高は同7.0%増の362億4000万円だった。海外ではサインペンによる市場開拓が奏功。欧州を中心に海外売上高が増加した。国内市場での個人消費の緩やかな回復も収益を下支えした。

■三菱UFJ <8306>  1,136円  +57 円 (+5.3%)  本日終値
 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が後場に上げ幅を拡大した。日銀は28日までに開いた金融政策決定会合で、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の運用を柔軟化すると発表した。長期金利の変動幅の上限はこれまでどおり「0.5%程度」をメドとするが、10年物国債金利について、1.0%の利回りでの指し値オペを原則的に毎営業日実施する。これに伴って、日銀はこの日の午後、利回りが1%になるように指定した銘柄を無制限に購入する指し値オペを通告した。従来のYCCの枠組みを維持しつつも、長期金利について実質的に1%までの上昇を許容したとの受け止めた投資家が、利ザヤ改善への思惑から銀行株に買いを入れたようだ。三井住友フィナンシャルグループ<8316>やみずほフィナンシャルグループ<8411>、りそなホールディングス<8308>も強含み。東証の業種別指数で銀行業の上昇率は2%を超えた。

■ジェコス <9991>  936円  +44 円 (+4.9%)  本日終値
 ジェコス<9991>が大幅続伸。27日の取引終了後に発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高315億2800万円(前年同期比21.8%増)、営業利益12億5300万円(同86.2%増)、純利益9億3800万円(同91.7%増)と大幅増益となったことが好感された。公共投資が底堅く推移し、設備投資も持ち直しの動きがみられるなか、主に重仮設事業で販売物件の増加や単価改善、工事売り上げの増加などがあったことが売上高・利益を押し上げた。なお、24年3月期通期業績予想は、売上高1200億円(前期比0.4%減)、営業利益46億5000万円(同3.3%増)、純利益33億円(同3.7%減)の従来見通しを据え置いている。

■伊勢化学工業 <4107>  7,780円  +360 円 (+4.9%)  本日終値
 伊勢化学工業<4107>が全体波乱含みの地合いのなか大幅高。9%超の上昇で一気に8100円台まで水準を切り上げる場面があった。ヨウ素生産で国内首位、世界でも屈指の存在だが、ここヨウ素市況が堅調で収益に追い風となっている。同社が27日取引終了後に発表した、23年12月期上期(1~6月)決算は営業利益が前年同期比64%増の24億5800万円と急拡大しており、これがポジティブ材料視され株価水準を切り上げる形となった。なお、23年12月期の営業利益は前期比20%増の45億円を予想しているが、上期時点での対通期進捗率は54.6%となった。

■富士電機 <6504>  6,301円  +283 円 (+4.7%)  本日終値
 富士電機<6504>が3日ぶりに反発。同社は27日取引終了後、24年3月期通期の連結業績予想修正を発表。営業利益の見通しを従来の940億円から960億円(前期比8.0%増)に引き上げたことが好感されたようだ。売上高予想も1兆500億円から1兆600億円(同5.0%増)に上方修正。部門別では「パワエレ エネルギー」「パワエレ インダストリー」「半導体」の売り上げ見通しをそれぞれ引き上げた。

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