【市況】前場に注目すべき3つのポイント~日米金利差を狙った海外投資家による資金流入が引き続き意識されやすい~
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
23日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■日米金利差を狙った海外投資家による資金流入が引き続き意識されやすい
■岡部、23/12下方修正 営業利益 41億円←57億円
■前場の注目材料:村田製作所、シリコンキャパシターの生産能力3倍、スマホなど用途拡大
■日米金利差を狙った海外投資家による資金流入が引き続き意識されやすい
23日の日本株市場は、米ハイテク株高の流れから買い優勢となろう。22日の米国市場は、NYダウが4ドル安、ナスダックは128ポイント高だった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、上院銀行委での証言で年内2回の追加利上げが適切になる可能性があると繰り返したため、警戒感から売りが優勢となった。ただし、売り一巡後はハイテク株が買い戻され、ナスダックはプラス圏を回復し、ダウもハイテクに支えられ下げ幅を縮小した。シカゴ日経225先物清算値は、大阪比275円高の33445円、円相場は1ドル143円00銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い先行で始まることになりそうだ。米国市場の流れから指数インパクトの大きい値がさハイテク株には買いが入りやすく、日経平均をけん引することになりそうである。日経225先物はナイトセッションで33110円まで売られた後は買い優勢の展開となり、一時33490円まで買われる場面が見られた。ボリンジャーバンドの+1σを支持線としたトレンドを継続するなか、同水準までの調整を経て、反発を見せた格好。これまでのトレンドを継続するなか、押し目狙いの買いは入りやすいだろう。
また、円相場が1ドル143円台と円安に振れて推移するなか、日米金利差を狙った海外投資家による資金流入が引き続き意識されやすい。需給面では四半期末に伴うリバランス売りや7月に入るとパッシブ型ETFの決算を控えているため、売り需要が警戒されている。そのため強いトレンドの中でも積極的な買いは限られていることから、過熱感は警戒されるほど強まっていないとみられる。
物色の流れとしては指数インパクトの大きい値がさハイテク株のリバウンドが期待される一方で、昨日買戻しの動きが目立っていた金融株については、米国市場の流れから利食いが入りそうだ。その他、円安を手掛かりとした輸出関連への物色も意識される。また、昨日は利食いに押されたソフトバンクG<9984>がリバウンドをみせてくるようだと、生成AI関連への買いに波及する可能性はあるだろう。さらに、IPOラッシュが続くなかで個人主体による中小型株への物色も注目されよう。
■岡部、23/12下方修正 営業利益 41億円←57億円
岡部<5959>は2023年12月期業績予想の修正を発表。売上高は820億円から793億円、営業利益を57億円から41億円に下方修正した。建設関連製品事業において、国内は概ね想定通りに推移しているものの、米国においては材料価格の下落に伴い販売価格が想定より下回っている。また、利上げに伴う米国の住宅市場の低迷により、住宅向け建設資材の販売が想定以上に落ち込んでいる。
■前場の注目材料
・ナスダック総合指数は上昇(13630.61、+128.41)
・1ドル=143.00-10円
・シカゴ日経先物は上昇(33445、大阪比+275)
・SOX指数は上昇(3569.87、+20.15)
・VIX指数は低下(12.91、-0.29)
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・村田製作所<6981>シリコンキャパシターの生産能力3倍、スマホなど用途拡大
・パナHD<6752>パナソニック、エアコン生産国内回帰、草津に2ライン新設
・住友電工<5802>豪でレドックスフロー電池初受注
・三菱商事<8058>欧でグリーン水素新会社、オランダ子会社と設立
・三菱商事<8058>チリ銅鉱山開発に21億円、30年めど年5万トン生産へ
・丸紅<8002>スペイン社と船舶向け風力推進装置で提携
・三井物産<8031>シェブロンと地熱回収の新技術実証
・NTN<6472>すべり軸受50%増産、電動車・ウエアラブルなど新用途開拓
・横河電機<6841>実験データをクラウドで統合管理、新システム開発
・エスペック<6859>高発熱対応の環境試験器、半導体を大量検査
・岩谷産<8088>新中計、5年で4700億円投資、水素を軸に成長目指す
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:30 5月全国消費者物価コア指数(前年比予想:+3.1%、4月:+3.4%)
<海外>
・特になし
《ST》
提供:フィスコ