【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):セイノーHD、GAテクノ、AIins
セイノーHD <日足> 「株探」多機能チャートより
セイノーホールディングス<9076>がストップ高。12日の取引終了後、取得総数2100万株(自己株式を除く発行済み株式総数の11.2%)、取得総額300億円を上限とする自社株買いを実施すると発表した。取得期間は6月13日から2024年6月12日まで。また、24年3月期の年間配当を前期比39円増配の95円にする計画を示した。これらを好感した買い注文が集まっている。同社はあわせて、経営の方向性を示した中期ロードマップを公表した。PBR(株価純資産倍率)1倍超の早期実現に向けて、3~5年でROE(自己資本利益率)を8%以上とする目標を掲げた。配当方針も変更した。今後はDOE(自己資本配当率)4%以上を目安に年間配当を実施する。これまでの方針は1株年間11円を下限とし、DOE2.4%と連結配当性向30%のいずれか高い金額を目安に配当を実施する、というものだった。更に同社は、消却前の発行済み株式総数(自己株式を含む)の9.6%に相当する2000万株を23年6月27日に消却することも決めた。
■GAテクノ <3491> 1,613円 +300 円 (+22.9%) ストップ高 本日終値
GA technologies<3491>がストップ高。12日の取引終了後に23年10月期上期(22年11月~23年4月)の決算を発表。最終損益が前年同期の赤字から3億7700万円の黒字に転換して着地しており、これが好感された。売上高は前年同期比29.7%増の634億1100万円だった。ネット不動産投資サービスなどを手掛ける主力のRENOSYマーケットプレイス事業が好調に推移した。なお、通期見通しは据え置いている。
■トーホー <8142> 2,948円 +488 円 (+19.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
トーホー<8142>が急伸し17年8月以来約5年10カ月ぶりの高値となった。12日の取引終了後、24年1月期の連結業績予想について、売上高を2140億円から2230億円(前期比3.4%増)へ、営業利益を38億円から45億円(同23.3%増)へ、純利益を20億円から22億円(同2.2倍)へ上方修正したことが好感された。政府による旅行支援の継続やインバウンド需要の増加もあって外食産業の景況感が上向き、主力の業務用食品卸売事業で既存顧客の更なる深耕や新規顧客の獲得が進んでいることが要因としている。同時に発表した第1四半期(2~4月)決算は、売上高586億8200万円(前年同期比22.2%増)、営業利益15億1900万円(同4.8倍)、純利益8億3100万円(同6.2倍)だった。
■AI inside <4488> 7,580円 +1,000 円 (+15.2%) ストップ高 本日終値
AI inside<4488>が前日に続いてストップ高まで買われ、新値追いとなった。同社は12日、人工知能(AI)開発・実装に求められるデータ基盤・学習基盤・運用基盤をすべて包含したAI統合基盤「AnyData」の提供を開始したと発表。これが新たな買い手掛かりとなったようだ。また、AIテクノロジーとその事業化に深い知見を持つプロフェッショナル人材を結集した経営層向けAI実装コンサルティングチーム「InsideX」も同時に発足。経営活動につながる潜在的なビジネス課題の発見から、ビジネス変革を実現するAI技術のアセスメント・構想・要件定義・AI実運用まで、「AnyData」や生成AI・大規模言語モデル(LLM)を活用して一気通貫で支援し、全社最適・新規事業創出につながる本質的なデジタルトランスフォーメーション(DX)やデータを活用した経営の実現に貢献するとしている。なお、8日には生成AI及びLLMの研究開発と社会実装を行う「XResearch(エックスリサーチ)」を創設したことを明らかにしている。
■アクシージア <4936> 1,405円 +185 円 (+15.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
アクシージア<4936>が大幅続伸。12日の取引終了後、22年8月~23年4月期(第3四半期累計)の決算を発表。売上高が前年同期比40.2%増の78億9200万円、営業利益が同22.2%増の13億4000万円と増収増益で着地しており、これを好感した買いが集まった。越境ECを含め中国国内での売り上げが好調だったことが寄与。インバウンド需要回復を見据え、「羽田エアポートガーデン店」をオープンするなど各種取り組みも進めた。なお、通期の見通しは据え置いている。
■オハラ <5218> 1,424円 +173 円 (+13.8%) 本日終値
オハラ<5218>やマクセル<6810>、三櫻工業<6584>など全固体電池関連と位置付けられる銘柄群が軒並み高。トヨタ自動車<7203>は13日、技術説明会「Toyota Technical Workshop」の内容についてホームページ上で公開した。このなかで、現行のリチウムイオン電池に比べて航続距離を大幅に伸ばすことが可能な全固体電池を搭載した電気自動車(EV)に関し、「2027~28年の実用化にチャレンジする」との計画を示しており、関連銘柄の刺激材料となった。車載電池を手掛けるジーエス・ユアサ コーポレーション<6674>や、独自製法の全固体電池を開発した日立造船<7004>も堅調に推移。全固体電池向けの固体電解質を開発した三井金属<5706>や、ジルコニウム化合物の供給拡大が期待される第一稀元素化学工業<4082>などが高い。
■セーフィー <4375> 892円 +65 円 (+7.9%) 本日終値
セーフィー<4375>が後場に急伸するなど、監視カメラ関連株に買いが集まった。この日、国土交通省が東京、大阪、名古屋の3大都市圏での利用者が多い在来線と、新幹線の全路線を対象に、防犯カメラの設置を義務付ける方針を固めたと、国内メディアが相次いで報じた。これを受け、今後の需要増への思惑が広がる格好となったようだ。池上通信機<6771>やダイワ通信<7116>もしっかり。
■ispace <9348> 1,650円 +116 円 (+7.6%) 本日終値
ispace<9348>が続急騰した。日本経済新聞電子版が12日夜、「政府は国立研究開発法人の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が民間ビジネスに投資できるための法改正に乗り出す」と報じた。月面開発を目指す同社の事業には前向きな動きとの受け止めが広がり、買いを集めたようだ。日経電子版の報道によると、政府はJAXA法に民間事業者を支援するための基金を作る規定を設ける。秋の臨時国会への同法改正案の提出を目指すとしている。
■レーザーテック <6920> 22,485円 +1,325 円 (+6.3%) 本日終値
レーザーテック<6920>、東京エレクトロン<8035>がともに3日続伸したほか、アドバンテスト<6857>は4連騰で上場来高値を更新するなど半導体製造装置関連の物色人気が際立つ。前日の米国株市場では、FOMC開催を前にFRBによる政策金利引き上げが見送られるとの思惑からグロース(成長)株に買いが向かい、特に半導体関連株への買いが目立った。インテル<INTC>が5.5%高に買われるなど人気化し、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3.3%高と大幅な上昇を示した。生成AIによる半導体需要の喚起が観測されるなか、半導体関連株への投資資金流入に弾みがついている。東京市場でも商品競争力の高い大手製造装置メーカーを中心に、半導体セクターに機関投資家とみられる大口の買いが継続している。
■ソフトバンクグループ <9984> 6,310円 +315 円 (+5.3%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が続伸。12日夜、同社の孫正義会長兼社長と、「チャットGPT」を開発した米オープンAIのサム・アルトマンCEO(最高経営責任者)が面会したと伝わった。NHKによると、アルトマンCEOは記者団に対し、ソフトバンクGと共同で事業を模索していることを明らかにしたという。ソフトバンクG株に対しては、生成AI関連での事業拡大につながるとの思惑が広がる格好となり、幅広い投資家からの買い注文を集めた。
株探ニュース