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【市況】こう着感が強まりやすく、中小型株での短期的な値幅取り狙いに向かわせよう/オープニングコメント

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

 12日の日本株市場は、買い先行で始まった後は、次第にこう着感の強い相場展開になりそうだ。9日の米国市場はNYダウが43ドル高、ナスダックは20ポイント高だった。来週に連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、積極的な売買は手控えられた。NYダウは前日まで3日続伸、利益確定の売りも出やすく一時マイナスに転じる場面があったがプラス圏を回復。ナスダックは上げ幅を縮めるも、好材料が出た銘柄を中心に買いが続いた。シカゴ日経225先物は大阪比125円高の32325円。円相場は1ドル139円40銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い先行で始まりそうだ。今週は米国でFOMCのほか、CPIなど重要な経済指標の発表を控えていることから、結果を見極めながらの展開を余儀なくされやすく、こう着感が強まりそうである。ただし、先週は週半ばに売られる場面が見られたものの、週後半にかけて強い相場展開だった。ボリンジャーバンドの+1σ水準を支持線としたリバウンドのなか、バンドに沿った上昇トレンドは継続しそうだ。

 また、先週のSQは買い越しとなり、SQ値は32000円を上回ったことから、同水準での底堅さは意識されやすい。海外投資家による日本株選好の流れは継続しているため、こう着感が強まる局面においては、押し目狙いのスタンスに向かわせよう。また、日銀の植田総裁は9日、金融緩和の出口戦略に向かう局面で上場投資信託(ETF)を持ち続けることも「1つの選択肢だと考えている」と述べた。先週半ばにはETFの処分についての議論に関する報道で売り圧力が強まる場面も見られていただけに、買い戻しの動きにも向かわせそうだ。

 物色の流れとしては指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均を下支えする格好になりそうだが、こう着感が強まってくる局面においては、個人主体の売買が中心になりやすい。そのため、中小型株での短期的な値幅取り狙いに向かわせそうだ。また、米国ではテスラの上昇が目立っていたことから、EV関連への物色も意識されやすいだろう。

《AK》

 提供:フィスコ

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