【市況】前場に注目すべき3つのポイント~短期的な過熱感は警戒されるだろうが、利食い優勢の局面では押し目狙いのスタンス~
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
15日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■短期的な過熱感は警戒されるだろうが、利食い優勢の局面では押し目狙いのスタンス
■東芝、23/3営業利益 30.4%減 1105億円、24/3予想 0.5%減 1100億円
■前場の注目材料:金融安定化へG7声明、財務相会議、脱炭素供給網を支援
■短期的な過熱感は警戒されるだろうが、利食い優勢の局面では押し目狙いのスタンス
15日の日本株市場は、買い一巡後は次第にこう着感が強まるものの、引き続き底堅さが意識されそうだ。12日の米国市場はNYダウが8ドル安、ナスダックは43ポイント安だった。5月のミシガン大消費者信頼感指数が予想を大幅に下回り、景気減速懸念が強まった。また、長期期待インフレ率が予想外に上昇し、2011年以降で最高に達したため、6月の利上げ停止期待が後退した。さらに、債務上限問題を巡るバイデン大統領とマッカーシー下院議長の協議が延期となり、債務不履行懸念も強まった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比155円高の29575円。円相場は1ドル135円70銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い優勢の展開になりそうだ。ただし、債務上限問題を巡るデフォルト懸念から、買い一巡後はこう着感が強まりそうである。もっとも、欧米市場は不安定ななか、相対的に出遅れ感のある日本株への海外勢の資金流入が継続しているため、下値の堅さは意識されやすいだろう。日経225先物はナイトセッションで一時29580円まで買われ、29570円と高値圏で終えている。節目の29500円を上回ってきたことから、売り方の買い戻しの動きも強まりやすいと考えられる。
また、決算発表を手掛かりとした物色が活発化するなか、前週末には東エレク<8035>が売り一巡後にアク抜けの動きにより、3%を超える上昇となった。出遅れ感のあるハイテク株を見直す動きが継続するようだと、センチメントを明るくさせそうである。日経平均は足もとの上昇で短期的な過熱感は警戒されるだろうが、利食い優勢の局面では押し目狙いのスタンスとなろう。
物色としては週末のG7広島サミット開催を控え、議題などで取り上げられるテーマ株には短期的な資金が向かいやすいところである。また、決算を手掛かりとしたところでは、前週末の引け後に発表したところでは、クボタ<6326>、アサヒ<2502>、資生堂<4911>、日製鋼所<5631>、日本精工<6471>、三菱マ<5711>、アマダ<6113>、UBE<4208>、NTN<6472>、シチズン<7762>などが注目される。
■東芝、23/3営業利益 30.4%減 1105億円、24/3予想 0.5%減 1100億円
東芝<6502>が発表した2023年3月期業績は、売上高が前期比0.7%増の3兆3616.57億円、営業利益は同30.4%減の1105.49億円だった。ハードディスクドライブ(HDD)は米IT大手によるデータセンター投資抑制の影響を受けた。また、持ち分法投資会社のキオクシアホールディングスの業績悪化が響いた。24年3月期の業績は、売上高が前期比4.8%減の3兆2000億円、営業利益は同0.5%減の1100億円を計画。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(29388.30、+261.58)
・シカゴ日経先物は上昇(29575、大阪比+155)
・1ドル=135.70-80円
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・コロナ後の人流再開
・金融安定化へG7声明、財務相会議、脱炭素供給網を支援
・実在組織装い研究員に接触、狙いは邦人、サイバー攻撃
・EU、対中政策見直し、外相会合、ロシアへの接近警戒
・来月、デフォルト警告、米議会予算局「重大リスク」
・露軍4機同時に墜落、1機はミサイル被弾か
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 4月国内企業物価指数(前年比予想:+5.6%、3月:+7.2%)
<海外>
・特になし
《ST》
提供:フィスコ