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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 海外勢の日本株選好は継続、ボリンジャーの+2σ水準を意識したトレンド形成に


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 29570 +150 (+0.50%)
TOPIX先物 2110.0 +13.0 (+0.61%)
シカゴ日経平均先物 29575 +155
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 12日の米国市場は、NYダウ S&P500、[[stock/0802/chart|ナスダック]の主要な株価指数が下落。5月のミシガン大消費者態度指数(速報値)は57.7と市場予想(63.0程度)を下回り、昨年11月以来の低水準となった。5-10年先のインフレ期待は3.2%と前月の3.0%から上昇し、2011年以来の高水準となった。景気減速の懸念が強まる一方で、インフレ率の高まりから米連邦準備理事会(FRB)の早期利上げ停止期待が後退した。さらに米連邦政府債務の上限問題を巡り、同日に予定されていたバイデン米大統領と共和党幹部らとの協議が延期となったことも重荷となった。S&P500業種別指数は、家庭用品・パーソナル用品、公益事業、商業サービス・用品が上昇した半面、自動車・同部品、銀行、耐久消費財・アパレルが下落。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比155円高の2万9575円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比10円高の2万9430円で始まり、寄り付きを安値にほどなくして2万9500円に乗せた。その後は2万9450円~2万9570円辺りで保ち合い、終了間際に2万9580円まで買われ、2万9570円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。

 日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好で、やや買い優勢の展開になりそうだ。米国市場が下落した影響で買い一巡後はこう着感が強まる可能性はあるものの、節目の2万9500円処での底堅さが意識されてくるようだと、断続的なショートカバーのほか、押し目待ち狙いのロングも切り上がると考えられる。米国では連邦債務上限問題を巡ってデフォルト(債務不履行)への警戒が燻るなか、リスク回避の一環として海外投資家を日本株選好へと向かわせやすく、リバウンド基調が継続しそうだ。

 また、ボリンジャーバンドの+1σと+2σのレンジ内での推移を継続しており、前週は+1σでの攻防を見せるなか、週末の強い値動きにより+2σに接近した。+2σは2万9695円に位置しているが、週足の+2σは2万9880円まで切り上がってきている。そのため、2万9500円を挟んだ攻防から、オプション権利行使価格の2万9875円をターゲットとしたトレンド形成に向かいやすいだろう。

 VIX指数は17.03に上昇した。ただし、切り下がる25日移動平均線に上値を抑えられる形状から、ボトム水準での推移を継続している状況である。連邦債務上限問題を巡るデフォルト懸念が燻るなかで波乱展開を警戒しつつも、投資家心理は落ち着いていることが窺える。25日線は17.54、75日線が19.62辺りに位置しており、終値で20.00を超えてくるまでは、リスク回避姿勢はそれほど強まらないとみておきたい。

 先週末のNT倍率は先物中心限月で14.02倍だった。10日に一時13.91倍まで低下し、75日線を下回った後は、NTショートを巻き戻す動きとなり、12日にはNTロング優勢の流れから、14.01倍に位置する25日線を上回ってきた。東京エレクトロン <8035> [東証P]は決算を受けて売りが先行したものの、その後は買い戻しが強まり、日経平均株価をけん引していた。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の出遅れ修正の動きが継続するようだと、14.10倍辺りに位置する200日線を想定した、NTロングでのスプレッド狙いが入りやすいと考えられる。

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