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【特集】横山利香「令和時代の稼ぎたい人の超実践! 株式投資術」― (36)「PTSランキング」で材料のインパクトをいち早く知ろう!

横山利香(ファイナンシャルプランナー、テクニカルアナリスト)

◆生活サイクルに合わせて日中、夜間のデータを活用

 まずは、どこでPTSランキングを見られるのかを確認してみましょう。株探のトップページにあるタブの中から、「株価注意報」をクリックします。ページの真ん中あたりに「PTS」と記載してあるところをご覧ください。

 取引されている日付のあとに、「日中取引 (08:20~16:00) ランキング」と、「夜間取引 (16:30~23:59) ランキング」があります。日中取引はデイタイムセッション、夜間取引はナイトタイムセッションと呼ばれ、それぞれ「上昇率ランキング」「下落率ランキング」「出来高ランキング」のメニューが用意されています。


図1 「株価注意報」の「PTSランキング」
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 たとえば、会社帰りにPTS取引の最新の状況を確認したい場合は、夜間取引ランキングになりますし、お昼休みに最新の状況を確認したい場合には日中取引ランキングになります。自分がPTSランキングを見る時間に合わせて、日中あるいは夜間取引のランキングを選択してください。

 なお、PTSランキングの情報は20分ディレイでの提供となりますが、「株探プレミアム」の会員はリアルタイムで確認できるほか、時価総額別のフィルターを使って銘柄を絞り込むこともできます。マーケット全体の動向などを把握できるのがPTSランキングのよいところですから、絞り込み機能については保有株やお目当ての銘柄がある時などに使うとよいでしょう。

 また、日中取引の株価ランキングは、8時20分~14時59分は前営業日の通常取引の終値、15時以降はその日の通常取引の終値に対する株価の上昇率・下落率を基に作成されています。15時以降の算出の基準となる通常取引の終値が前日から当日に変わるのは、当日引け後に明らかとなった材料(決算・ニュース)の株価インパクトをいち早く確かめるためです。

◆売買戦略の構築に取り入れたいPTSランキング

 では、今が通常取引を終えて、大引け後に発表された決算やその他の開示情報などの材料が一通り出揃った、夜間の23時だとしましょう。すでにPTSでは夜間取引が始まって6時間以上が経過していますので、PTSでの価格は大引け後に明らかとなった材料の株価インパクトが十分に反映されたものとなっている可能性があります。

「夜間取引ランキング」の「上昇率」をクリックしてみましょう。すると、「PTSナイトイムセッション 株価上昇率ランキング」のページが表示されました。PTSで取引されている銘柄の中で、株価の上昇率が高い銘柄から順番にランキング形式で表示されています。


図2  PTSナイトイムセッション 株価上昇率ランキング
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 たとえば、保有している銘柄やお目当ての銘柄が、引け後に発表した好決算で翌日に値上がりが期待できるのではないかと考えた場合には、まずは市場全体のランキングを確認します。そこで気になる銘柄が見つけられなかった場合には、「市場別」の「プライム」「スタンダード」「グロース」から上場市場を選択して絞り込みを行い、上昇率ランキングに入っているかを確認しましょう。反対に、がっかり決算だった場合には「下落率」をクリックします。また、保有株でなくてもよさそうな材料が出たと思った時にも、PTSランキングを見ることで、他の投資家が好材料と判断しているのかどうかを調べることもできます。

 このときお勧めしたいのが、株探が日々提供している「【明日の好悪材料】を開示情報でチェック! 」となります。引け後の主要な開示情報を好材料、悪材料に分けて網羅した投資家の注目度の高いコンテンツです。この「【明日の好悪材料】」とPTSランキングを突き合わせることで、効率的に材料の持つ株価インパクトの大きさを測ることができます。


図3 【明日の好悪材料】を開示情報でチェック!
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 ただし、株価は人気投票の側面も強いですから、大勢の人が同じように考えていることが重要です。稀に誤発注ということもありますので、「出来高」でPTSランキングの信憑性も確認しておきましょう。

 なお、PTSランキングを利用する際には注意点が一つあります。それはPTSで上昇率(もしくは下落率)ランキングに登場していても、実際に通常取引が始まってみると、PTS通りの株価がつくわけではないという点です。

 PTSでは好材料だと判断する人が多く、買いが買いを呼んで値上がりしていても、実際に通常取引が始まるとPTSでの値動きとは異なり、値上がりすらせずに下落してしまうといったこともあります。業績の良し悪しは分析する人の価値観によるところが大きいですから、参加者の少ないPTSでの結果が通常取引でも同じように繰り返されるわけではない点にはくれぐれも注意してください。

 ただ、PTSランキングがなければ「明日の株価はどうなるのだろう……」と過ごす時間も、PTSランキングをチェックすれば良くも悪くも心づもりができますし、戦略を練ることができます。決算発表の時期だけにとどまらず、売買戦略を考える上での情報としてPTSランキングを取り入れてみてください。

 


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