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【市況】今週の【早わかり株式市況】2週ぶり上昇、前週下落から切り返し急

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

■今週の相場ポイント

 1.日経平均は2週ぶり上昇、前週下落から切り返し急
 2.植田新総裁が就任会見、ハト派的内容で緩和継続へ
 3.バフェット氏が日本株追加投資、11日場中に伝わる
 4.米CPIインフレ鈍化、PPIも予想下回り利上げ停止観測
 5.ファストリが業績上方修正、全体相場は一段高

■週間 市場概況

 今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比975円(3.5%)高の2万8493円と、2週ぶりに上昇した。

 今週は、終始買い気の強い地合いだった。米経済指標に振り回される展開とならず、植田日銀新総裁のハト派姿勢やバフェット氏の日本株追加投資といった追い風材料が相場の押し上げに寄与。日経平均は前週の下げ分を上回る上昇で急速に切り返した。

 週明け10日(月)の東京株式市場は、主力株中心に買い優勢でスタート。前週末の米国株市場で、3月雇用統計の結果が市場コンセンサスとほぼ一致したことから過度な不安心理が後退。東京市場も総じてリスクを取る動きとなった。11日(火)もリスクオン継続。前日夜に開かれた植田和男・日銀新総裁の就任記者会見がハト派的な内容で、金融緩和環境が当面続くとの見方が広がった。米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が日本株の追加投資を検討していることが場中に伝わると、リスク選好の流れは一段と加速した。12日(水)も続伸歩調で、日経平均は終値で2万8000円台を回復。前日の欧米株高や円安が好感され、東証プライム市場の7割以上の銘柄が値上がりした。13日(木)は朝安後に切り返し、上値追い基調を継続する頑強な展開をみせた。前日の米株市場では、注目された米3月消費者物価指数(CPI)がインフレ鈍化を示唆するもので安心感が広がったが、一方で米景気減速への懸念も台頭。米株の軟調地合いを受けて東京市場も安く始まったが、押し目買いで上昇に転じた。14日(金)は、なおも強調展開を続け一段高。米3月卸売物価指数(PPI)が予想を下回り、利上げ早期停止観測が浮上して前日の米株市場が上昇。この流れを引き継ぎ、業績見通しの上方修正を発表したファーストリテイリング <9983> [東証P]の急伸も寄与する形で全体相場は大きく上昇した。

■来週のポイント
 来週は日経平均2万8000円台で値固めできるかが注目される。ここまで順調に値を戻しているだけに、更に上値を追うには海外投資家による一段の買いが必要になる。米国では一足先に決算発表シーズン入りとなるが、ここでの内容が日本株にも影響を与えそうだ。

 重要イベントとしては、国内では20日朝に発表される3月貿易統計、21日朝に発表される3月全国消費者物価指数が注目される。海外では18日に発表される中国の1-3月期GDP、3月小売売上高、3月鉱工業生産、20日発表の米国3月コンファレンス・ボード景気先行指数に注視が必要だろう。

■日々の動き(4月10日~4月14日)

【↑】   4月10日(月)―― 続伸、米景気に対する不安心理が後退し買い優勢
 日経平均 27633.66( +115.35)  売買高8億2018万株 売買代金 1兆9114億円

【↑】   4月11日(火)―― 3日続伸、日銀の金融緩和策継続で買い優勢
 日経平均 27923.37( +289.71)  売買高10億4600万株 売買代金 2兆5260億円

【↑】   4月12日(水)―― 4日続伸、景気敏感株が買われ2万8000円台を回復
 日経平均 28082.70( +159.33)  売買高9億9854万株 売買代金 2兆4385億円

【↑】   4月13日(木)―― 5日続伸、朝安も押し目買いで切り返す
 日経平均 28156.97(  +74.27)  売買高9億7229万株 売買代金 2兆4060億円

【↑】   4月14日(金)―― 6日続伸、米株高でリスク選好の買い優勢
 日経平均 28493.47( +336.50)  売買高11億2794万株 売買代金 2兆9323億円

■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、32業種が上昇
 (2)バフェット氏報道を受け、値上がり率トップは伊藤忠 <8001> など商社
 (3)輸出株はコマツ <6301> など機械、ソニーG <6758> など電機、テルモ <4543> など精密機器が高い
 (4)ファストリ <9983> など小売、三菱倉 <9301> など倉庫・運輸、OLC <4661> などサービスといった内需株は全面高
 (5)INPEX <1605> など鉱業、ENEOS <5020> など石油、住友鉱 <5713> まど非鉄といった資源株も大幅高
 (6)金融株も堅調。オリックス <8591> などその他金融、MS&AD <8725> など保険、SBI <8473> など証券が買われた
 (7)値下がり率トップはJAL <9201> など空運。全業種中唯一のマイナス

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
  1(4) インバウンド ── GW控え思惑人気再び
  2(-) カジノ ── 大阪IR計画認定へ最終調整との報道で
  3(2) 人工知能
  4(1) 水素
  5(3) パワー半導体
  ※カッコは前週の順位

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