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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 25日線を支持線として2万7500円処での底堅さを見せてくるかに注目


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 27530 -330 (-1.18%)
TOPIX先物 1981.0 -24.0 (-1.19%)
シカゴ日経平均先物 27525 -335
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 10日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。金融システム不安の広がりが警戒されるなか、売り先行で始まった。その後、2月の米雇用統計で賃金の伸びが予想を下回ったことで大幅な利上げ観測が和らぎ、米長期金利は3.7%台と前日の3.9%台から低下するなか、NYダウは一時プラスに転じる場面も見られた。ただし、SVBファイナンシャル・グループ<SIVB>傘下でスタートアップ企業向けを主な取引先とするシリコンバレーバンクの破綻が報じられると、金融株を中心に幅広く売りが広がった。S&P500業種別指数は電気通信サービスのみが上昇し、不動産、各種金融、素材、ソフトウエア・サービス、資本財の下げが目立った。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比335円安の2万7525円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比20円高の2万7880円で始まり、その後はショートカバー優勢のなかで、2万8020円と節目の2万8000円を回復する場面もあった。しかし、米国市場の取引開始後に下げに転じると、終盤にかけて下落幅を広げて一時2万7500円まで売られ、2万7530円とナイトセッションの安値圏で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り優勢の展開になりそうだ。10日の日中取引で510円安と金融システム不安をある程度織り込んだ格好だが、ナイトセッションでの一段安で需給状況が悪化したため、朝方はインデックスに絡んだ売りの影響により下へのバイアスが強まりやすいだろう。テクニカル面では25日移動平均線が2万7440円辺りに位置しており、まずは同線が支持線として機能するかを見極めたい。同線を支持線として2万7500円辺りで底堅さを見せてくるようだと、短期的にはショートカバーに向かわせやすい。

 ただし、リコンバレーバンクの破綻により、他行でも経営破綻が起きかねないとの不安が広がっているほか、テック企業への影響を懸念する声もある。米当局が救済策の検討を急ピッチで進めていると報じられるなか、金融システム不安が和らぐかを見極めたいところだろう。今週は14日に2月の米消費者物価指数(CPI)、15日に2月の米卸売物価指数(PPI)などの発表が予定されているが、市場の関心は金融システム不安の影響に集まっており、指標の結果を受けた市場反応は限られよう。一方で、金融市場の混乱を受けて、米連邦準備理事会(FRB)は次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ幅を前回同様、0.25%とするといった見方も出てきそうである。

 また、日中はグローベックスの米株先物の値動きを意識した展開が見込まれるため、米株先物が下げ渋りを見せてくる局面では、短期的ながらもロングを誘う格好になりそうだ。さらに、日銀の金融政策決定会合では現状の緩和政策の継続を決定しており、相対的に割安感のある日本株へ海外勢による資金シフトがみられる可能性も想定しておきたい。

 VIX指数は24.80に上昇した。一時28.97と昨年10月下旬以来の水準まで切り上がったものの、終値では200日線水準まで上げ幅を縮めていた。不安定な推移になる可能性は高いが、いったんはピーク感につながることも考えられる。200日線を下回ってくるようだと、米国でも見直し買いに向かわせる可能性があり、リバウンドのタイミングを見極めたいところだ。

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