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【市況】伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 3月12日版

日経平均は3月9日高値2万8734円が年間の最高値になる公算も
1. 日経平均が年明け後に上昇している年の動き方
 図1、図2は、1990年~2022年の期間で1月、2月に押し目をつけて 日経平均株価が上昇している年の値動きをおおまかにまとめたものです。
 そのような展開になっている年は、1991年、1993年、1994年、1996年、1997年、1998年、1999年、2000年、2002年、2004年、2006年、2007年、2010年、2011年、2012年、2013年、2015年、2019年、2021年です。
図1 日経平均の年間の動き方の目安、パターン1と2
【タイトル】
図2 日経平均の年間の動き方の目安、パターン3と4
【タイトル】
 この中で、年末頃に年間の最高値を更新している年は、1999年、2012年、2013年、2019年です。
 1999年、2013年は、1年を通じて上昇の流れを作り、値幅の伴った調整の動きが表れていません。ただ、6月頃までは、パターン2も似た展開になっているので、6月頃までパターン2の動きとして考えます。
 2012年と2019年は、8月までの動き方がパターン1と同様の展開となっていて、8月以降、年末へ向けて価格が上昇を開始しています。2012年と2019年は、8月までパターン1として考えます。
 図1は、1月に価格があまり下げず、すぐに上昇を開始している年の展開です。
 パターン1は、年初からの上昇が2~4月に終息して、そのときにつけている目立った戻り高値が年間の最高値になって下降を開始しているケースです。
 以前、1月に価格が上昇している年は、1月の始値よりも4月の終値の値位置が高いと紹介しました。パターン1は、1月が上昇している年なので、戻り高値をつけた後、一気に下げ幅が拡大する展開にならず、4月末の値位置は、1月の安値よりも上方へ位置します。
 5月、6月頃に上げた分のすべてを押し戻される動きとなった後、いったん値幅の伴った反発を経過して、再度下降の流れへ入り、下値を切り下げます。
 パターン2は、3月、4月に戻り高値をつけた後の下げ幅が限られて、再度上値を試す動きを経過して、5月、6月に年間の最高値をつけた後に下げるパターンです。下降を開始後は、年末に向けて1月の安値を割る程度まで下げる展開となっています。
 図2は、年明け後、すぐに価格が下げた後、1月、2月に押し目をつけて上昇を開始している年のパターンです。
 パターン3は、3月、4月頃まで上値を試す動きを経過した後、6月頃までの期間で一気に下値を切り下げる動きとなった後、年末へ向けて堅調に推移する展開です。
 パターン4は、6月頃まで上昇の流れを作り、その後、年末へ向けて年明け後の安値以下を目指す動きへ入る展開です。
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