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【市況】10日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は続落、金融危機来の銀行破綻を警戒

NASDAQ <日足> 「株探」多機能チャートより

■NY株式:米国株式市場は続落、金融危機来の銀行破綻を警戒

ダウ平均は345.22ドル安の31,909.64ドル、ナスダックは199.47ポイント安の11,138.89で取引を終了した。

金融システムに対する不安から売りが先行。2月雇用統計で賃金の伸びが予想を下回ったことで連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利上げ観測が後退し、長期金利が大幅に低下したため、一時上昇する場面もあった。しかし、SVBファイナンシャル・グループの破綻が報じられると、金融セクター中心に売られ大幅続落。その後、イエレン財務長官が金融監督当局幹部を招集、政府も声明で国内の金融システムの強さを強調したため下げ止まった。セクター別では不動産や各種金融の下落が目立った。

地銀のファースト・リパブリック・バンク(FRC)、パックウエスト・バンコープ(PACW)、ウエストアライアンス(WAL)はSVBファイナンシャル・グループの破綻の影響を警戒した売りが加速し、それぞれ下落。暗号資産関連の取引を多く扱うシグネチャー銀(SBNY)も連れて売られた。電子署名のドキュサイン(DOCU)は競争激化を理由にアナリストが投資判断を引き下げたことが嫌気されて下落。衣料小売りのギャップ(GPS)は四半期決算で予想を上回る損失を計上したほか、1-3月期、通期見通しも予想を下回ったため売られた。一方、航空機メーカーのボーイング(BA)は787ドリームライナー型機の出荷再開を連邦航空局(FAA)が承認したとの報道が好感され、上昇。

イエレン財務長官は複数の銀行を注意深く監視していると言及。銀行システムの強靭さは変わらず波及は懸念しないと、市場の鎮静化に努めた。

(Horiko Capital Management LLC)


■NY為替:年内の米利下げ観測再燃でドル売り強まる

10日のニューヨーク外為市場でドル・円は、136円79銭から134円12銭まで下落し、135円00銭で引けた。米2月雇用統計で失業率が予想外に上昇、賃金の伸びが予想を下回ったため3月連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利上げ観測が後退。さらに、新興企業を中心に取引していたシリコンバレー銀行の経営破たんを受け金融システムへの不安から安全資産としての米国債に資金が流入し金利が大幅低下したためドル売りに拍車がかかった。リスク回避の円買いも加速。

ユーロ・ドルは、1.0580ドルから1.0701ドルまで上昇し、1.0638ドルで引けた。ユーロ・円は144円89銭から143円35銭まで下落。ポンド・ドルは、1.1980ドルから1.2114ドルまで上昇した。ドル・スイスは、0.9284フランから0.9175フランまで下落した。


■NY原油:反発、金利低下やドル安を意識した買いが入る

NYMEX原油4月限終値:76.68 ↑0.96

10日のNY原油先物4月限は反発。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は、前営業日比+0.96ドル(+1.27%)の76.68ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは74.77ドル-77.11ドル。ロンドン市場で74.77ドルまで下げたが、米長期金利の低下やドル安を意識した買いが入った。米国市場の中盤にかけて77.11ドルまで買われた。株安を意識した売りも観測されたが、通常取引終了後の時間外取引では76ドル台で推移。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 30.27ドル -0.27ドル(-0.88%)
モルガン・スタンレー(MS) 90.05ドル -2.15ドル(-2.33%)
ゴールドマン・サックス(GS)327.67ドル -14.42ドル(-4.22%)
インテル(INTC) 27.22ドル +0.78ドル(+2.95%)
アップル(AAPL) 148.50ドル -2.09ドル(-1.39%)
アルファベット(GOOG) 91.01ドル -1.65ドル(-1.78%)
メタ(META) 179.51ドル -2.18ドル(-1.20%)
キャタピラー(CAT) 227.01ドル -13.95ドル(-5.79%)
アルコア(AA) 44.91ドル -2.99ドル(-6.24%)
ウォルマート(WMT) 136.97ドル -0.20ドル(-0.15%)
《ST》

 提供:フィスコ

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