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【特集】藤代宏一氏【底堅い日経平均、3月相場は上下どちらに向かう?】(2) <相場観特集>

藤代宏一氏(第一生命経済研究所 経済調査部 主任エコノミスト)

―米国株変調、インフレ警戒ムード再燃で東京市場への影響は―

 週明け27日の東京株式市場は、前週末の欧米株市場が全面安に売り込まれたことを受け、朝方はリスク回避ムードが強かったものの、その後は押し目買いが入り日経平均株価は下げ渋る展開となった。米株市場では前週末にNYダウが大幅安で今年の安値を更新したが、為替市場で円安に振れていることが、東京市場の株価下支え材料となったようだ。きょうは受け渡しベースで実質3月相場入りとなったが、今後3月期末に向け日経平均は上下どちらに向かうのか。第一線で活躍する市場関係者2人にここからの見通しを聞いた。

●「日経平均は2万7000円挟む値動き、米国の腰折れ懸念は行き過ぎも」

藤代宏一氏(第一生命経済研究所 経済調査部 主任エコノミスト)

 今後1ヵ月程度の日経平均株価は、2万7000円を中心にプラスマイナス1000円前後でのレンジ相場を見込んでいる。2万8000円が上値のメドとなるのではないか。

 3月は為替が円高に振れることがあるかもしれない。ただ、企業業績の見通しを変えるほどのものではなく、中長期的な影響はないだろう。3月の日銀金融政策決定会合では金融政策が修正される可能性はあるとみているが、状況次第であり何も起こらないことも考えられる。

 日銀の次期総裁候補に植田和男氏が起用されたことは、意外性はあったものの妥当な人事だとみている。

 米国では、昨年12月頃の予想に比べて利上げの期間は長引き、金利水準も高止まりしそうだ。このため米株式市場には下落圧力もかかってくるだろう。しかし、米株式市場には、経済成長が続き不況が回避される「ノーランディング(無着陸)」に向けた期待も強い。市場に流れる腰折れ懸念はやや行き過ぎだと思う。3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅は0.25%だとみている。

 こうしたなか、今後1ヵ月程度の米株式市場はS&P500種株価指数では、下値は3800程度とみている。ただ、4000を上回るような水準も長続きはしないのではないか。


(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(ふじしろ・こういち)
第一生命経済研究所経済調査部・主任エコノミスト。担当は金融市場全般。2005年4月、第一生命保険入社。08年、みずほ証券出向。10年4月第一生命経済研究所出向、同年7月内閣府経済財政分析担当へ2年間出向。12年7月副主任エコノミストを経て、15年4月より現職。

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