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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「2023年も7週を経過、買い戻しに一巡感」

株式評論家 富田隆弥

日経平均株価は1月終盤から2万7000円台でのもみ合いが続く。騰落レシオなど短期テクニカル指標の過熱を踏まえれば、この足踏みは「ほどよいスピード調整」であり、2万8000円指向の流れは継続しているといえる。ただし、1月4日安値の2万5661円から7週を経過し、上値が重くなってきたことも考慮したい。

◆2月第2週(2月6日-10日)の投資部門別売買状況を見ると、「海外投資家」(現物株+先物)は5週連続で買い越し、1月中旬からのリバウンド相場を牽引してきたが、2月になるとその効果は薄れてきている。一方、年金マネーを扱う「信託銀行」は昨年11月中旬から現物株を13週連続で売り越し、日本株の上値を重くする一因になっている。

◆もう一つ、裁定取引に伴う現物残高(裁定残)をみると、「売り残」が1月13日時点の5930億円から2月10日時点で572億円と4週間で5358億円減少し、昨年3月4日以来の水準に低下した。つまり、裁定取引の買い戻しが日本株の上昇を後押ししてきた一因であるとともに、その買い戻しに一巡感が出ていることを示唆する。

◆もうじき年度末となるが、3月はそのほかにメジャーSQ(10日)や所得税の納税期日(15日)なども重なり、株式市場の需給はタイト(売り優勢)になりやすく、「彼岸底」という格言も生まれた。

◆日経平均株価は、2万7200円台に25日、75日、200日の各移動平均線が集束し、週足も13週、26週、52週の各線が2万7132円~2万7286円に集まる。相場は流れに従うのが基本であるから、「2万7200円」を維持するなら上昇相場にあるが、この水準を割り込むようだと調整入りを覚悟することになる。年初から8週目、9週目を迎えるここからは下値ポイントを注視していきたい。

(2月16日 記、次回更新は2月25日を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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