【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 東京エレクの市場反応に注目、米国市場は下落もショートを手控えさせる可能性も
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 27540 +10 (+0.03%)
TOPIX先物 1980.0 ±0.0 (±0.00%)
シカゴ日経平均先物 27540 +10
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
9日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。前日には米金融当局からタカ派発言が相次ぐなか、早期利上げ停止や年内の利下げ転換観測が後退しており、持ち高調整の売りが優勢だった。新規失業保険申請件数が前週比1万3000件増の19万6000件と6週間ぶりに増加したため、長期金利の低下につながったものの、リッチモンド連銀のバーキン総裁が金融引き締めの路線を維持する必要があると指摘したことを受けて長期金利は一時3.69%に上昇したことも重荷となった。S&P500業種別指数は自動車・同部品、食品・飲料・タバコのみが上昇した一方で、メディア、運輸、銀行、公益事業が下落。
シカゴ日経平均先物 (3月限)清算値は、大阪比10円高の2万7540円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中大阪比50円高の2万7580円で始まり、一時2万7690円まで買われた。買い一巡後は2万7610円~2万7680円辺りで推移。ただし、米国市場の取引開始後に軟化し、終盤にかけて一時2万7500円まで売られ、下落に転じる場面も見られた。引け間際に買い戻され2万7540円と、小幅ながらプラスに転じてナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、2万7500円水準でこう着感の強い相場展開が見込まれる。米国では来週に1月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることもあり、模様眺めムードが強まりやすいだろう。また、週末要因もあって持ち高調整の売りも意識されそうだ。その中、昨夕決算を発表した東京エレクトロン <8035> [東証P]が、指数を下支えする展開に期待したいところだ。
東京エレクトロンは2023年3月期業績予想を上方修正しており、営業利益を従来予想の5460億円から5800億円に引き上げた。コンセンサス(5580億円程度)を上回る修正となる。また、3月31日を基準日として1株を3株とする株式分割を発表しており、市場の関心が集まりやすいだろう。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の底堅い値動きにより、日経225先物へのショートを手控えさせることにつながりそうだ。そのため、オプション権利行使価格の2万7500円を中心に、上下の権利行使価格2万7375円~2万7625円のレンジを想定する。
VIX指数は20.71に上昇した。これにより上値抵抗線として機能していた25日移動平均線を上放れており、投資家心理はやや神経質に傾きそうだ。なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.90倍に低下したが、支持線として意識される25日線水準まで低下してきた。東京エレクトロンが堅調な推移を見せてくるようだと、NTショートの巻き戻しが入りやすいだろう。
株探ニュース