市場ニュース

戻る
 

【特集】笹木和弘氏【2月相場はどう動く? 強弱観対立の東京市場】(2) <相場観特集>

笹木和弘氏(フィリップ証券 リサーチ部長)

―FOMC控え一進一退、企業の決算発表本格化で思惑錯綜―

 週明け30日の東京株式市場は日経平均株価が方向感なくもみ合った。前週は週後半に息切れしたとはいえ、週央まで4連騰でこの間に約1000円も水準を切り上げていたことで、目先はその反動も出やすい。今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、この結果にマーケットの注目が集まっている。果たして、2月の日米株式市場はどのような動きをみせるのか。先読みに定評のある市場関係者2人に今後の展望について意見を聞いた。

●「FOMC契機に調整入りか、年内利下げ期待は時期尚早の公算」

笹木和弘氏(フィリップ証券 リサーチ部長)

 米株式市場はグロース株を中心に値を上げている。これは米12月消費者物価指数(CPI)が前年同月比6.5%上昇と11月に比べ低下するなど、足もとでインフレ懸念が後退していることが大きいだろう。

 市場には、年内の利下げ観測も浮上している。ただ、1月31日~2月1日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)以降、早急な利下げ期待は行き過ぎだったと受け止められる恐れがあると思う。

 今世紀に入って以降の利上げ局面をみてみると、2004年6月から始まった利上げが利下げに転じたのは3年3ヵ月後、15年12月からの利上げも利下げは3年7ヵ月後だった。今回はまだ10ヵ月がたった程度で、今年12月でも2年にも満たない長さだ。

 今回の米国のインフレには、高齢化の進展、気候変動対策による化石燃料の供給減少、米中対立・ロシアへの制裁による新たなブロック経済圏の構築といった構造的な要因が内包されている面もありそうだ。株主の利益より国民の生活のためにインフレを抑制する方が重要度は高い、ということが認識されるのはこれからなのだろう。株式市場は、景気後退をまだ十分に織り込んでいない。

 こうしたなか、今後1ヵ月程度のNYダウのレンジは下値が3万1500ドル、上値が3万4000ドル前後を見込む。相場は弱含みの基調が予想される。

 個別銘柄では、インフレ耐性の高いバリュー株優位の展開が予想される。具体的には、中国のゼロコロナ政策の撤回に伴う需要増が期待できる鉄鋼株、特に電炉で世界トップのニューコア<NUE>に注目したい。また、脱ロシアに伴う液化天然ガス(LNG)需要でシェニエール・エナジー<LNG>、航空機向けエンジンの回復でゼネラル・エレクトリック<GE>などに上値余地がありそうだ。


(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(ささき・かずひろ)
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家の傍ら投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・香港・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均