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【特集】大塚竜太氏【2月相場はどう動く? 強弱観対立の東京市場】(1) <相場観特集>

大塚竜太氏(東洋証券 ストラテジスト)

―FOMC控え一進一退、企業の決算発表本格化で思惑錯綜―

 週明け30日の東京株式市場は日経平均株価が方向感なくもみ合った。前週は週後半に息切れしたとはいえ、週央まで4連騰でこの間に約1000円も水準を切り上げていたことで、目先はその反動も出やすい。今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、この結果にマーケットの注目が集まっている。果たして、2月の日米株式市場はどのような動きをみせるのか。先読みに定評のある市場関係者2人に今後の展望について意見を聞いた。

●「強気姿勢ながら押し目狙いを念頭に」

大塚竜太氏(東洋証券 ストラテジスト)

 まず、今週行われるFOMCについては0.25%の政策金利引き上げで間違いなさそうだが、マーケットでは今回の会合で打ち止めとなることへの期待も一部で取り沙汰されている。しかし、ここで打ち止めとなる可能性は低いとみている。そして会合後のパウエルFRB議長の記者会見では、楽観に傾く市場のムードを戒める意味でもタカ派的な発言が予想される。しかし、マーケットは仮にパウエル議長がタカ派寄りのコメントを出した場合でもある程度織り込んでおり、米国株市場は大きく崩れるようなことはないだろう。東京株式市場でも同様に、FOMC通過後の日経平均は下値に対して抵抗力を発揮しそうだ。

 一方、米国に続いて国内でも企業の決算発表が徐々に本格化している。個別では好決算発表銘柄と、決算内容が悪かった銘柄とで株価は明暗を分けており、今後も同様の流れが続くと予想されるが、全体的に見た場合、今回の決算は総じて堅調な結果となるのではないかと思っている。したがって、日経平均の見通しについてもそれほど弱気にみる必要はないだろう。2月相場では2万7000円台を割り込む場面も想定されるが、そこは押し目買いチャンスと考えておきたい。上値に買いつかず、なるべく下値を探るタイミングを待って買い向かうというのが実践的だ。向こう1ヵ月の上値メドは昨年11月下旬の高値水準である2万8500円どころを目指す展開を想定している。

 物色対象は、日銀の金融政策修正の動きが今後も中期的に見込まれることで、分かりやすい銘柄としてメガバンクを挙げておきたい。三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]、三井住友フィナンシャルグループ <8316> [東証P]、みずほフィナンシャルグループ <8411> [東証P]はいずれもバリュエーション面からみても割安感が強い。このほか、中国経済再開の動きを追い風に中国関連に位置付けられる銘柄にも追い風が吹く。好決算を発表したファナック <6954> [東証P]のほか、ダイキン工業 <6367> [東証P]などをマークしたい。


(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(おおつか・りゅうた)
1986年岡三証券に入社(株式部)。88~98年日本投信で株式ファンドマネージャーを務める。2000年から東洋証券に入社し現在に至る。

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