【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):東芝、関電化、Jオイル
東芝 <日足> 「株探」多機能チャートより
東芝<6502>がプラス圏に浮上した。午後2時30分頃、日本経済新聞電子版が「東芝の非公開化を巡り、日本産業パートナーズ(JIP)の買収提案にローム<6963>やスズキ<7269>が参画していることが16日、わかった」と報じた。このほか大成建設<1801>も出資する見通しという。JIPによる東芝の買収を巡っては、JIPが出資を要請した企業からの資金集めが順調に進んでいない状況にあると一部で報じられていた。今回の報道を受け、買収案の実現に向けた懸念材料のひとつが解消に向かうと受け止めた投資家の買いが集まったようだ。
■関東電化工業 <4047> 1,002円 +5 円 (+0.5%) 本日終値
関東電化工業<4047>がしっかり。岩井コスモ証券は15日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を1280円から1520円に引き上げた。リチウム2次電池材料や半導体エッチングガスなどの販売が好調。23年3月期の連結営業利益は従来予想の109億円から123億円(前期比10.2%増)に増額修正された。今期配当も従来予想より10円増の年32円に見直された。今期業績予想から弾いた連結PERは6倍程度の水準にあり、同証券では株価は明らかに評価不足とみている。
■J-オイルミルズ <2613> 1,525円 +7 円 (+0.5%) 本日終値
J-オイルミルズ<2613>は4日ぶりに反発。正午ごろ、グループの中期経営計画について、営業利益110億円(23年3月期予想10億円)の定量目標の達成年度を25年3月期から27年3月期に引き延ばすと発表したが、株価は下落基調となっており、目先の材料出尽くし感から買われているようだ。原料相場の急激かつ継続的な高騰に、為替相場の円安進行も重なることに加え、原料相場に即した価格改定の遅れやマーガリン事業の収益悪化が要因としている。
■パーク24 <4666> 1,917円 +3 円 (+0.2%) 本日終値
パーク24<4666>は4日ぶりに反発。15日の取引終了後に発表した10月度の月次速報数値で、タイムズパーキング売上高が前年同期比4.0%増と7カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。新型コロナウイルスの新規感染者数が減少し、交通量は回復した。また、カーシェアとレンタカー双方のメリットを取り入れた「タイムズカー」の1台当たりの利用料は改善しており、会員数も204万人(前月比3万1000人増)と順調に積みあがっている。
■ハーモニック <6324> 4,650円 -510 円 (-9.9%) 本日終値
ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が急落した。ナブテスコ<6268>が15日取引終了後、保有するハーモニック株をすべて売却すると発表した。市場に流通する株式の増加につながる可能性があることから、需給悪化を懸念した売りが膨らんだようだ。売却先は野村証券とJPモルガン証券。両社は今後、ハーモニック株の需給への影響を極力回避すべく、時間をかけて市場で売却することを基本とし、長期保有を目的とする投資家などへの転売も視野に入れ、株価への影響を抑えていくという。売却完了は23年12月中旬を想定している。ナブテスコによる売却株式数は916万200株で、22年9月30日時点の自己株式を除く発行済み株式総数の9.64%に相当。売却総額は約473億円。ナブテスコ株は上昇している。同社は22年12月期の個別決算で投資有価証券売却益として約457億円を特別利益に計上する見込み。一方、連結決算への影響については、ハーモニック株のリスクと経済価値について、ナブテスコから売却先への移転完了に時間を要することから、引き続き資産として認識する。22年12月期以降も四半期末にハーモニック株を再評価し、評価損益の計上により連結業績に影響を及ぼす可能性があるという。
■ベースフード <2936> 633円 -69 円 (-9.8%) 本日終値
ベースフード<2936>が安い。同社は15日に東証グロース市場に上場した直近IPO銘柄で、完全栄養食の開発・製造を行っている。CMなどで知名度も高いことから市場の関心が高い銘柄だが、初値は公開価格800円を11.3%下回る710円だった。IPO銘柄で初値が公開価格を下回るのは、7月8日上場のINTLOOP<9556>以来のこと。上場2日目のこの日は、一時618円まで売られる場面があった。一部からは見切り売りも出た様子だ。業績は今23年2月期も赤字基調であることなどが警戒されている。公募などによる資金吸収額は60億円弱、足もとの時価総額も300億円台と大きく、上値の重さが嫌気されている様子だ。
■京浜急行電鉄 <9006> 1,365円 -9 円 (-0.7%) 本日終値
京浜急行電鉄<9006>が10日続落。新型コロナウイルスの国内の感染者数が再び増加基調にあるなか、15日は全国で10万人を超えたと伝わっている。9月の訪日外国人客に対する入国制限の緩和や、その後の政府による観光振興策「全国旅行支援」の開始などを背景に、同社株は9月7日の安値(1328円)から10月20日につけた年初来高値(1575円)まで約19%上昇した経緯がある。直近では感染拡大の「第8波」に入り外出自粛ムードが強まることで、羽田空港への旅客需要などに悪影響が出ると懸念した売りが続いており、株価は9月7日の安値に接近しつつある。インバウンド関連では、ホテル事業を展開する共立メンテナンス<9616>は8日続落。日本航空<9201>やANAホールディングス<9202>など空運株もこのところは下落基調が続いている。
■Jフロント <3086> 1,095円 -5 円 (-0.5%) 本日終値
J.フロント リテイリング<3086>が4日続落。15日取引終了後、10月度の連結売上収益報告を発表した。売上収益(国際会計基準)は主力の百貨店事業が前年同月比8.2%増、連結合計では同12.6%増となった。だが、百貨店事業は9月度(同14.8%増)と比べて伸びが鈍化しており、ネガティブ視されたようだ。10月度の百貨店事業は入国制限の緩和などを背景に、大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高が大きく伸びた。SC事業は全国旅行支援などによる来店客数の増加もあって、パルコの店舗テナント取扱高が伸びたほか、デベロッパー事業、決済・金融事業も増収となった。
■ティアンドエス <4055> 1,590円 +286 円 (+21.9%) 一時ストップ高 本日終値
ティアンドエス<4055>が急騰。前日時点で5日・25日移動平均線のゴールデンクロスを示現していたが、きょうは1300円台後半に位置する75日移動平均線も一気に上回ってきた。生産管理システム受託開発のほか、半導体工場の保守・運営も行っている。半導体関連の中小型株に投資資金が向かうなか、同社はフラッシュメモリーのリーディングカンパニーであるキオクシア向けで大型案件を確保していることで、同関連有力株として急速に見直される方向となった。22年11月期はトップラインが2ケタ増収を見込み、営業利益は前期比34%増の5億5000万円予想と急拡大、連続過去最高利益更新となる見通し。
■アミタホールディングス <2195> 871円 +150 円 (+20.8%) ストップ高 本日終値
アミタホールディングス<2195>がストップ高。同社は15日、グループ会社であるCodo Advisoryが、三菱UFJ銀行(東京都千代田区)、東京海上日動火災保険(東京都千代田区)と業務提携契約を締結したと発表しており、これが好材料視された。Codo Advisoryは、アミタHDとアジア最大級の独立系資産運用会社「MCPグループ」の日本本社であるMCPジャパン・ホールディングスが22年3月に設立した合弁会社。今回の提携により、2022年度内をメドに、顧客企業の脱炭素移行に向けた「戦略立案」や「戦略評価」を支援する、包括的かつ実効性のあるサービス提供を開始するとしている。
株探ニュース