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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「乱高下でも上昇基調を維持」

株式評論家 富田隆弥

◆11月2日のFOMC(米連邦公開市場委員会)、4日の米雇用統計、8日の米中間選挙、10日の米消費者物価指数(CPI)と重要スケジュールが続くだけに、NYダウの乱高下も想定していたが、それにしても10日までのボラティリティの高さは正直驚きだ。

◆10日までの高安(ザラバ)を書き出すと、2日高値3万3071ドル→3日安値3万1727ドル→8日高値3万3355ドル→9日安値3万2478ドル、そして10日は高値3万3727ドルと、1000ドルほどの値幅の騰落を繰り返している。

◆政府と議会のねじれを巡って思惑が交錯したこともNYダウが乱高下した要因の一つだが、マーケットの関心はやはりFRB(米連邦準備理事会)による利上げピッチが減速するか否かに集束する。ただ、チャート上の注目点としては、10月13日安値の2万8660ドルから3万3000ドル台の高値圏に大きく上昇し、売買が活発化していることが挙げられる。NYダウは節目の200日移動平均線や52週線に差し掛かり、買い方と売り方のせめぎ合いにより株価が大きく振れやすいところにきている。

◆NYダウの日足チャートは、乱高下しながらも上昇トレンドを描いている。3万1600ドル近辺にある75日線の上で株価が推移しているうちは上昇基調であり、8月高値の3万4281ドルや4月高値の3万5492ドルを目指すことも想定される。中間選挙の後や11月のブラックフライデー(25日、年末商戦初日)にかけては株式市場が上昇するアノマリー(経験則)もある。

日経平均株価はNYダウの乱高下を受けて上げ下げを繰り返すが、日足チャートはジリ高基調で2万7600円近辺にある75日線を突破した。週足は2万7400円近辺に移動平均線(52週線、26週線、13週線)が集まり、この厚い節目を抜く可能性が出てきた。この2万7400円を維持しているなら9月の高値2万8659円を目指してもおかしくない。

◆ただし、米国では景気減速に加え、大企業の相次ぐ人員削減、暗号資産(仮想通貨)急落などの懸念要因も台頭している。NYダウが75日線(3万1600ドル)を割り込むなら、チャートに従ってスタンスは「要注意」となる。高値圏にきている相場でもあり、その点は頭に入れておきたい。

(11月10日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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