【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):住友精化、ヤマハ発、三井化学
住友精化 <日足> 「株探」多機能チャートより
アイペットホールディングス<7339>はストップ高。7日取引終了後、同社の完全子会社化を目的に、第一生命ホールディングス<8750>が1株3550円で株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表。株価はTOB価格にサヤ寄せする動きとなった。買い付け予定数は1099万381株(下限732万6900株、上限設定なし)で、買い付け期間は8日から12月20日まで。なお、TOB成立後に同社株は上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は11月7日付で監理銘柄(確認中)に指定している。
■住友精化 <4008> 3,565円 +550 円 (+18.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
住友精化<4008>は4日続急騰。同社は高吸水性樹脂が収益の主力で、半導体用ガスなどにも注力しているが、7日取引終了後、23年3月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の70億円から110億円(前期比36%増)に大幅増額しており、これを材料視する形で投資資金が流入した。営業利益は17年3月期に達成した105億4100万円を5億円弱上回る見通しで、6期ぶりに過去最高を更新する。好業績を背景に、今期年間配当も従来計画の120円に80円上乗せした200円(前期実績は120円)に増額しており、これも買いを後押した。
■JCU <4975> 3,175円 +365 円 (+13.0%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
7日に決算を発表。「上期経常は一転7%増益で上振れ着地」が好感された。
JCU <4975> [東証P] が11月7日大引け後(15:00)に決算を発表。23年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比6.5%増の47.2億円に伸び、従来の7.4%減益予想から一転して増益で着地。
⇒⇒JCUの詳しい業績推移表を見る
同時に発表した「1.73%を上限に自社株買いを実施」も買い材料。
発行済み株式数(自社株を除く)の1.73%にあたる45万株(金額で10億円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は11月8日から23年3月31日まで。また、今回取得した全株の消却を予定。
■ヤマハ発動機 <7272> 3,565円 +405 円 (+12.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
ヤマハ発動機<7272>は急伸し年初来高値を更新した。7日の取引終了後、22年12月期の連結業績予想について、売上高を2兆2000億円から2兆2700億円(前期比25.2%増)へ、営業利益を2000億円から2200億円(同20.7%増)へ、純利益を1450億円から1630億円(同4.8%増)へ上方修正しており、これを好感した買いが入った。業績の上方修正は8月に続き、2回目となる。損益分岐点経営により経費削減やコストダウン活動が想定以上に進捗し、コストアップの影響が小さくなる見通しに加え、前提となる為替レートを見直したことも寄与する。なお、第3四半期累計(1~9月)決算は、売上高1兆6771億円(前年同期比23.1%増)、営業利益1741億8500万円(同12.6%増)、純利益1330億7300万円(同2.9%減)だった。
■三井化学 <4183> 3,065円 +286 円 (+10.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率6位
三井化学<4183>は後場急伸。午後1時ごろ、自社株買いと消却を実施すると発表しており、これを好感した買いが入った。上限を400万株(自社株を除く発行済み株数の2.07%)、または100億円としており、取得期間は11月9日から23年2月28日まで。また、400万株(発行済み株数の1.95%)の自社株を12月8日付で消却すると発表した。消却後の発行済み株数は2億76万3815株となる予定だ。同時に、23年8月期の連結業績予想について、営業利益を1380億円から1560億円(前期比5.9%増)へ、純利益を1000億円から1050億円(同4.5%減)へ上方修正したことも好感された。売上高は2兆1600億円から2兆円(同24.0%増)へ下方修正したものの、前提為替レート1ドル=120円から137円へ、国産ナフサ価格1KL=7万5000円から7万8900円へ見直したことが利益を押し上げる。また、連結子会社の売却に伴い株式譲渡益を計上することも寄与する。なお、第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高9510億7700万円(前年同期比27.9%増)、営業利益725億800万円(同24.9%減)、純利益443億5300万円(同41.6%減)だった。
■三信電気 <8150> 2,159円 +180 円 (+9.1%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位
三信電気<8150>が急反発し年初来高値を更新。7日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を1315億円から1556億円(前期比25.9%増)へ、営業利益を30億3000万円から62億円(同47.3%増)へ、純利益を21億円から33億円(同30.7%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を55円から105円へ引き上げたことが好感された。半導体などの需給逼迫や円安基調に推移した為替相場も追い風となり、デバイス事業の業績が想定を上回って推移していることが要因としている。なお、年間配当予想は135円(前期100円)となる予定だ。同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高829億9400万円(前年同期比45.5%増)、営業利益42億4700万円(同3.2倍)、純利益21億6000万円(同2.7倍)だった。半導体の需給逼迫に起因した製品の納入遅延により、ソリューション事業の販売は低調だったものの、デバイス事業の好調が牽引した。
■日立造船 <7004> 950円 +79 円 (+9.1%) 本日終値 東証プライム 上昇率9位
日立造船<7004>は大幅高で年初来高値更新。7日の取引終了後に4~9月期決算を発表し、営業損益は1億4800万円の黒字で着地した。前年同期の赤字から黒字に転換しており、これを評価した買いが入った。売上高も前年同期比14.9%増の2072億3400万円と好調だった。環境部門が国内の大口工事の進捗により増加し、全体業績に貢献した。一方、為替差損の計上や法人税の増加などにより、最終損益は32億600万円の赤字となった。あわせて、通期の売上高見通しを前期比8.6%増の4800億円(従来予想4600億円)へ引き上げた。利益見通しは据え置いた。
■チャームケア <6062> 1,126円 +87 円 (+8.4%) 本日終値
チャーム・ケア・コーポレーション<6062>が急伸し、一時17%を超す上げとなった。7日取引終了後に発表した23年6月期第1四半期(7~9月)の連結決算は、売上高が前年同期比22.8%増の73億5200万円、最終利益が同37.9%増の3億6200万円だった。上期(7~12月)の業績予想に対する最終利益の進捗率は54%台に上るなど、堅調な業績を評価した買いが集まった。新型コロナウイルス感染拡大を受けた行動制限が緩和されたことなどを背景に、主力の介護事業で既存施設の入居率が改善した。新規施設の入居も順調に推移したという。なお、通期の業績予想は据え置いた。
■レオパレス21 <8848> 307円 +21 円 (+7.3%) 本日終値
レオパレス21<8848>が急伸。上昇率は一時16%を超えた。午前8時30分、23年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結業績について、最終損益が従来の計画だった10億円の赤字から、一転して37億円の黒字となって着地したようだと発表。これを材料視した買いが集まった。前年同期比では5.7倍の大幅増益となる。システム投資費用や将来に備えた物件メンテナンス費用が想定通りに消化されなかったことに加え、空室損失引当金の戻入れが発生。従業員の採用が計画に至らなかったことも販売管理費の抑制につながり、利益を押し上げた。通期の業績予想については、新型コロナウイルス感染症の影響や金融経済情勢の先行きが不透明であることを考慮し据え置いたが、今後修正が必要となった場合は速やかに開示するとしている。
■ニチアス <5393> 2,368円 +156 円 (+7.1%) 本日終値
ニチアス<5393>が大幅続伸。7日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を2250億円から2350億円(前期比8.7%増)へ、営業利益を265億円から270億円(同2.8%増)へ、純利益を180億円から222億円(同0.7%増)へ上方修正し、あわせて中間・期末各44円の年88円を予定していた配当予想を各46円の年92円に引き上げたことが好感された。上期において、高機能製品の受注がロジックやファウンドリー向け投資堅調を受けて好調に推移し、同セグメントの売上高・利益が伸長したことが要因としている。なお、同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高1135億700万円(前年同期比9.6%増)、営業利益129億5300万円(同2.2%増)、純利益113億900万円(同10.3%増)だった。
株探ニュース