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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):コマツ、東レ、鶴見製

コマツ <日足> 「株探」多機能チャートより
■コマツ <6301>  3,081円  +65 円 (+2.2%)  本日終値
 コマツ<6301>と日立建機<6305>が続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は7日、両銘柄のレーティングを「ニュートラル」から「オーバーウエート」に引き上げた。目標株価は、コマツは3500円から4100円に、日立建機は3600円から4700円にそれぞれ見直した。(1)価格転嫁が進む一方、部材費・物流費高騰に一巡感が生じてる(2)供給制約の改善が進む(3)鉱山機械・一般機械は好調な需要環境が続く可能性が高まっている――ことなどがレーティング引き上げの要因とされている。円安の寄与もあり、同証券ではコマツの23年3月期の連結営業利益は会社予想4400億円に対して4573億円(前期比44.3%増)への増額修正を予想している。

■鶴見製作所 <6351>  2,184円  +32 円 (+1.5%)  本日終値
 鶴見製作所<6351>は続伸。午後2時ごろ、23年3月期の連結業績予想について、売上高を525億円から550億円(前期比7.4%増)へ、営業利益を56億円から57億円(同3.5%増)へ、純利益を43億円から49億円(同1.7%増)へ上方修正したことが好感された。上期において、国内におけるレンタル業界向けの環境に配慮した製品の売り上げが好調だったことや、海外では北米を中心とした建設市場、鉱山市場での活発な需要が続いたことで業績が想定以上に進捗していることが要因としている。また、為替の円安影響も寄与する。

■明治ホールディングス <2269>  6,250円  +70 円 (+1.1%)  本日終値
 明治ホールディングス<2269>は後場強含み。午後2時、23年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、自社株買いと株式分割の実施を発表した。株主還元姿勢への評価に加え、流動性向上への期待も重なり、株価の支えとなったようだ。同社は取得総数200万株(自己株式を除く発行済み株式総数の1.42%)、取得総額100億円を上限に自社株買いを実施する。取得期間は9日から23年1月31日まで。また、23年3月31日を基準日とし、4月1日付で1対2の株式分割を行うとともに、株主優待制度の内容を充実させる。なお、通期の業績予想については、食品セグメントで主力のプロバイオティクスやヨーグルトの売上高が計画を下回る見通しとなったことなどを背景に、最終利益の見通しを625億円から600億円(前期比31.4%減)に下方修正した。

■パイロット <7846>  5,080円  -690 円 (-12.0%)  本日終値  東証プライム 下落率2位
 パイロットコーポレーション<7846>が急反落。7日の取引終了後に1~9月期決算を発表し、売上高は前年同期比11.1%増の841億600万円、営業利益は同7.8%増の157億3700万円だった。増収増益で通期に対する進捗も良好だったが、目先は材料出尽くしとみた売りが優勢となっている。「フリクション」など定番商品の販売が欧米など海外で堅調だった。海外子会社向けの出荷拡大の効果や為替の影響も寄与し、業績を伸ばした。なお、通期見通しは据え置いている。

■日東工業 <6651>  2,196円  -235 円 (-9.7%)  本日終値  東証プライム 下落率3位
 日東工業<6651>が大幅続落。7日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、営業利益を96億円から76億円(前期比12.0%減)へ、純利益を67億円から53億円(同19.8%減)へ下方修正し、あわせて期末配当予想を89円から52円へ引き下げたことが嫌気された。売上高は1450億円(同9.2%増)の従来見通しを据え置いたものの、原材料価格の高騰や輸送コストの増加などが利益を圧迫する。なお、年間配当予想は140円(前期50円)を予定している。同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高656億100万円(前年同期比7.5%増)、営業利益21億7100万円(同44.4%減)、純利益16億9800万円(同35.2%減)だった。5G関連の案件減少によりシステムラックなどの売り上げは減少したが、コロナ禍の影響が徐々に緩和され設備投資に持ち直しの動きがみられたことから、主力の配・分電盤の売り上げが伸長した。一方で原材料価格高騰の影響を強く受け、利益は落ち込んだ。

■アルコニックス <3036>  1,300円  -114 円 (-8.1%)  本日終値  東証プライム 下落率6位
 アルコニックス<3036>が後場に急落。下落率は一時7%を超えた。正午過ぎに23年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比23.7%増の922億1400万円だったのに対し、最終利益は同8.5%減の41億4100万円だった。チタン需給が国際的にひっ迫するとの見方から、株式市場は同社を含むチタン関連株を物色する動きがみられていた。だが、今回発表の9月中間期決算が最終減益で、通期の業績予想も据え置きとなったことを受け、同社株には失望売りが膨らんだようだ。一方、大阪チタニウムテクノロジーズ<5726>や東邦チタニウム<5727>は大幅高となっている。同社が電子機能材事業や金属加工事業で取り扱う材料にはチタンが含まれている。4~9月期の連結決算は、半導体・電子材料関連の取扱高の増加が売上高を押し上げた半面、仕入・調達コストの上昇が利益を押し下げた。レアメタル・レアアース関連は自動車関連の需要減が響いた半面、市況の上昇がカバーしたとしている。

■あらた <2733>  3,785円  -205 円 (-5.1%)  本日終値
 7日に決算を発表。「上期経常が9%減益で着地・7-9月期も16%減益」が嫌気された。
 あらた <2733> [東証P] が11月7日大引け後(15:00)に決算を発表。23年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比8.6%減の69.1億円に減り、通期計画の140億円に対する進捗率は49.4%にとどまり、5年平均の52.9%も下回った。
  ⇒⇒あらたの詳しい業績推移表を見る

■カルビー <2229>  2,776円  -116 円 (-4.0%)  本日終値
 カルビー<2229>は大幅安で3日続落。同社は前日7日の場中に4~9月期決算を発表し、営業利益は前年同期比23.0%減の102億4600万円と大幅減益だった。これを受けて同日の株価は下落したが、きょうも引き続き決算内容を嫌気した売りが出たようだ。価格改定や需要増により国内・海外事業ともに伸長し、売上高は同10.6%増の1332億1200万円と増加した。一方、原材料価格などの高騰によるマイナス影響を吸収できず利益は減少した。あわせて、足もとの業績動向を踏まえて23年3月期業績予想の修正を発表した。売上高を前期比11.6%増の2740億円(従来予想2680億円)に引き上げ、営業利益は同12.5%減の220億円(同255億円)に引き下げた。想定以上の為替差益が発生する見込みにあることから、純利益については同14.1%減の155億円とする従来予想を据え置いた。

■ニチコン <6996>  1,399円  -58 円 (-4.0%)  本日終値
 ニチコン<6996>は朝高後、下げに転じた。7日取引終了後、23年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を上方修正した。売上高は1530億円から1700億円(前期比19.6%増)、営業利益は78億円から110億円(同71.1%増)にそれぞれ見通しを引き上げた。これを受け買いが先行したものの、9月につけた年初来高値を前に戻り売りが優勢となった。4~9月期は家庭用蓄電システムなどの販売が伸びた。コンデンサー事業は車載関連機器、空調機器、産業機器を中心に想定を上回って堅調に推移したほか、今期は円安も寄与する見込みという。通期の最終利益予想は74億円から75億円(同5.1%減)と小幅に上方修正した。営業・経常利益予想を引き上げた一方、独占禁止法関連損失の計上が重荷となる。年間配当予想は前期比2円増配の29円(従来の見通しは28円)に見直した。

■神田通信機 <1992>  1,516円  +300 円 (+24.7%) ストップ高   本日終値
 神田通信機<1992>がストップ高の1516円に買われた。7日の取引終了後に発表した第2四半期累計(4~9月)連結決算で、営業利益が1億600万円(前年同期比2.5倍)となり、従来予想の3500万円を大きく上回って着地したことが好感された。期初の受注残高が前年より少ない状況であったことや、NW・クラウドPBX・マルチゲートウェイなどの新規事業の立ち上がりに時間がかかっていることから、売上高は28億円の従来予想に対して24億7200万円(同1.9%増)と計画を下回って着地したが、保守料・利用料が概ね順調に推移したことに加え、収益性向上策を推進したことが奏功した。なお、23年3月期通期業績予想は、売上高62億円(前期比4.3%増)、営業利益3億円(同19.0%減)の従来見通しを据え置いている。

■多摩川ホールディングス <6838>  720円  +100 円 (+16.1%) ストップ高   本日終値
 多摩川ホールディングス<6838>がストップ高。その後、同水準でカイ気配となっている。7日取引終了後、宇宙の暗黒物質「ダークマター」の探索などが可能となる量子センサーに向け、同社が製作したアルカリ原子マイクロセルの実証試験に成功したと発表。これを材料視した買いが集まった。東京大学での試験で得られた成果は今後、国内の学会で発表される予定。マイクロセルは従来のセルよりも計測時間を大きく削減できるなどの特徴を持つという。

●ストップ高銘柄
 ワンダープラネット <4199>  1,581円  +300 円 (+23.4%) ストップ高   本日終値
 林兼産業 <2286>  526円  +80 円 (+17.9%) ストップ高   本日終値
 など、5銘柄

●ストップ安銘柄
 なし

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