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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「需給もスケジュールも山場越す」

株式評論家 富田隆弥

◆9月13日、米国の消費者物価指数(CPI)発表をきっかけにNYダウが-3.94%、ナスダックは-5.16%と急落した。日経平均株価は7日安値の2万7268円から切り返し、13日の高値2万8659円まで順調な戻りを見せていたが、カギを握る米国株が急落すれば連れ安は免れず、14日は一時2万7795円まで下落した。

◆米国のインフレ懸念とFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げピッチが市場の焦点となり、20-21日に開かれるFOMC(連邦公開市場委員会)に世界の投資家の耳目が集まる。ただ、株式市場は先物とオプションの清算日であるメジャーSQ(日本9日、米国16日)に絡んで先物主導で乱高下しやすいタイミングであったことも考慮したいところだ。

◆NYダウの日足チャートは、9月6日につけた安値3万1048ドルを割り込み、8月半ばからの下落第1波に次ぐ「下落第2波」入りの気配を漂わす。第2波となると、7月安値の3万0143ドルや6月安値の2万9653ドルを模索する動きとなる可能性がある。ただし、ナスダックは9月6日の安値1万1471ポイントをまだ維持している。そして、メジャーSQとFOMCを通過すれば当面の材料と需給の山場を越すことで、株価が落ち着きを取り戻す可能性もある。

◆日経平均株価の日足チャートは、25日移動平均線(15日時点2万8294円)を割り込んだが、下に控える75日線(同2万7515円)と200日線(同2万7420円)の上にあり、9月7日の安値2万7268円も維持している。9月末の配当取りが意識される時期でもあり、200日線を抵抗ラインとして下げ渋り、当面は25日線との間でもみ合うことも想定される。

◆個別物色では、買い戻しや利食いで忙しい展開が続くと思われる。月末に向かうなかで高配当銘柄が一時的に物色されてもおかしくないが、米国株のチャート(方向性)が不安定なだけに、「押し目買い、吹き値売り」での機敏な対応を続けたい。

(9月15日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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