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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 FRB議長講演を受けて、9月FOMCまでは神経質な展開が継続する公算も


大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 28120 -490 (-1.71%)
TOPIX先物 1945.5 -31.5 (-1.59%)
シカゴ日経平均先物 28220 -390
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 26日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演を行い、インフレ抑制に対して「やり遂げるまでやり続ける」と述べ、利上げを継続する姿勢を示した。この発言を受けて金融引き締めが長期化するとの観測から、幅広い銘柄が売られた。また、欧州中央銀行(ECB)が利上げペースを加速するとの観測も高まり、世界的な景気悪化は避けられないとの懸念も重荷となった。NYダウの下落幅は1000ドルを超え、約1カ月ぶりの安値で取引を終えた。S&P500業種別指数はすべてのセクターが下落しており、半導体・同製造装置、耐久消費財・アパレル、小売、メディア、ソフトウエア・サービスの弱さが目立った。

 シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、日中大阪比390円安の2万8220円で終えた。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比40円高の2万8650円で始まり、米国市場の取引開始後に強含み一時2万8740円まで上げ幅を広げる場面があった。ただし、その直後に急落し一気に2万8400円を割り込んだ。売り一巡後は2万8300円~2万8390円辺りでのもみ合いとなったが、終盤にかけて下へのバイアスが強まり、2万8120円とナイトセッションの安値で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、ギャップダウンで始まることになろう。FRB議長講演を受けて金融引き締めの長期化観測が強まったことで、少なくとも9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)までは神経質な相場展開が警戒される。6月の戻り高値2万8350円を明確に下回ったほか、その下の支持線である25日移動平均線(2万8245円)を割り込んでいるためトレンドは悪化し、8月17日の高値2万9230円で目先的なピークを打った可能性がある。

 早期に25日線を回復できれば、調整一巡感が意識されやすくなる。ただし、25日線水準での戻りの鈍さが目立つようだと、テクニカル面ではボリンジャーバンドの-1σが位置する2万7775円辺りを目先的なターゲットとしてショートが強まる可能性がありそうだ。7月下旬から8月中旬にかけてもみ合っていた2万8000円水準を明確に下回ってくると、持ち高を調整していたロングオンリーのファンドによるポジションを圧縮する動きが再び警戒されてくる。

 一方で、円相場は1ドル=137円60銭台と円安に振れて推移している。日米金利差を狙ったトレードが入る可能性もあり、相対的な日本株の底堅さが意識されることも考えられよう。朝方はインデックスに絡んだ売りが集中するため、指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均型の重荷になりやすいだろうが、まずは売り一巡後の底堅さを見極めたい。

 VIX指数は25.56に上昇し、25日線を支持線として一気に75日線水準まで急伸した。強弱の分かれ目となる25.00を超えてきたことで、リスクオフムードが高まりやすい。ただし、75日線が抵抗線として機能する可能性もあるため、まずは同線を明確に上放れてくるかを確認したいところである。

 なお、先週のNT倍率は先物中心限月で14.47倍に上昇した。足もとで低下傾向を継続していたが、25日線を支持線として週後半に切り返しを見せていた。本日はギャップスタートの影響でNT倍率は低下が見込まれるものの、日米金利差を狙ったトレードにより、下げ渋りを見せてくるかが注目されそうだ。

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