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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「盆明け、年初来高値に挑戦へ」

株式評論家 富田隆弥

◆米国の7月消費者物価指数(CPI)は前年同月比+8.5%と6月の+9.1%から低下、市場予想(+8.7%前後)も下回った。マーケットはインフレ圧力が緩和したと受け止め、9月のFOMC(連邦公開市場委員会)での利上げ幅は「0.75%」でなく「0.5%」にとどまるとの観測が広がり、株式市場は大きく上昇した。

◆10日のNYダウは535ドル高の3万3309ドル、ナスダックは360ポイント高の1万2854ポイントで終え、ともに5月上旬以来となる3カ月ぶりの水準を回復、チャートは26週移動平均線を突破した。

◆「いいとこ取り」の上昇であることは否めず、折に触れて景気減速懸念などが浮上してスピード調整を挟むことは想定しておく。ただし、年初から調整を長く続けただけに6月安値からの戻りは順調で、次のポイントとなる日足の200日移動平均線(10日時点、NYダウ3万3920ドル、ナスダック1万3530ポイント)を目指すことが想定される。

◆日経平均株価は8月8日に2万8279円の高値をつけて3月と6月の2万8300円台の節目に迫ったが、旧盆前とあって9日、10日は一旦手仕舞い売りに押された。ただ、日足は上抜いた200日移動平均線(10日時点2万7550円)を維持し、下からはサポートラインとなる25日線(同2万7389円)も迫っている。ここはスピード調整にすぎず、悲観することはない。

◆米国株が上昇基調を維持していれば日本株も堅調に推移しよう。需給面からも盆明けで動きやすくなる。日経平均株価は52週線(10日時点2万7810円)を抜いており、節目の2万8300円台を抜くと1月5日の年初来高値の2万9388円を目指すことが想定される。

(8月11日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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