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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):三井松島HD、メルカリ、日製鋼

三井松島HD <日足> 「株探」多機能チャートより
■三井松島HD <1518>  4,030円  +60 円 (+1.5%)  本日終値
 三井松島ホールディングス<1518>が続急騰、620円高の4590円まで値を飛ばした。同社株は業績上方修正を受けて前日に700円高のストップ高に買われる異彩人気となったが、きょうも買いの勢いは衰えず上値指向を強めている。石炭市況の高騰を背景に業績が様変わりしており、23年3月期営業利益は期初見通しを増額修正し前期比2.8倍の232億円と大幅ピーク利益更新を見込んでいる。時価は1999年7月以来約23年ぶりの高値圏を走るが、依然としてPERが4倍前後と超割安圏にあるほか、株主還元の強化で配当利回りも5%前後と高く、水準訂正高を狙う買いが高水準だ。また、直近は一部機関投資家経由の貸株調達に伴う空売りが急増していることも判明、これが踏み上げ相場の思惑を助長している。

■メルカリ <4385>  2,090円  -214 円 (-9.3%)  本日終値  東証プライム 下落率4位
 メルカリ<4385>は下落。8日の取引終了後に22年6月期決算を発表。営業損益が前の期から赤字転落となる37億1500万円の赤字で着地しており、これが嫌気されたようだ。メルペイの収益基盤の確立など、各事業の着実な成長があったものの、外的環境の変化や不正対策の影響、中長期の成長への寄与を最優先とした投資方針へのアップデートなどによって日米のGMV(流通取引総額)成長率が鈍化した。売上高は前期比38.6%増の1470億4900万円と増収トレンドを継続。なお、23年6月期見通しについては、合理的な業績予想の算定が困難であることから記載していないとしている。

■日本製鋼所 <5631>  2,861円  -289 円 (-9.2%)  本日終値  東証プライム 下落率5位
 日本製鋼所<5631>は急反落。8日の取引終了後に23年3月期第1四半期(4~6月)の決算を発表。営業利益が前年同期比82.5%減の6億4800万円と大幅減で着地しており、これが嫌気されたようだ。売上高も同2.1%減の450億2900万円と減少した。電気自動車(EV)関連を中心に樹脂製造・加工機械の需要が引き続き堅調だったものの、子会社の品質検査問題に伴って受注の自主制限や出荷済製品の品質調査を一部実施した影響が出た。加えて、原材料などの急激な価格高騰が利益を押し下げた。

■住友ゴム工業 <5110>  1,145円  -111 円 (-8.8%)  本日終値  東証プライム 下落率6位
 住友ゴム工業<5110>が急反落。8日の取引終了後、22年12月期の連結業績予想について、営業利益を395億円から280億円(前期比43.1%減)へ、純利益を290億円から245億円(同16.9%減)へ下方修正したことが嫌気された。上期業績が、半導体不足による自動車生産台数の減少影響に加えて、海上輸送コストや原材料価格の高騰の影響により、売上高・利益が計画を下回ったことが要因。下期に売上高はやや持ち直すとみられることから売上高は1兆1400億円から1兆1450億円(同22.3%増)へ上方修正したものの、原材料価格やエネルギー価格、人件費の上昇などが利益を圧迫する。同時に発表した第2四半期累計(1~6月)決算は、売上高5121億1200万円(前年同期比16.4%増)、営業利益125億7200万円(同56.0%減)、純利益171億8700万円(同16.2%減)だった。

■日東工業 <6651>  2,374円  -230 円 (-8.8%)  本日終値  東証プライム 下落率7位
 8日に決算を発表。「4-6月期(1Q)経常は57%減益で着地」が嫌気された。
 日東工業 <6651> [東証P] が8月8日大引け後(15:30)に決算を発表。23年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益は前年同期比56.9%減の8.8億円に大きく落ち込み、4-9月期(上期)計画の35億円に対する進捗率は25.4%にとどまり、5年平均の36.9%も下回った。
  ⇒⇒日東工業の詳しい業績推移表を見る

■東京エレクトロン <8035>  45,600円  -4,100 円 (-8.3%)  本日終値  東証プライム 下落率9位
 東京エレクトロン<8035>が急反落。8日の取引終了後に発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高4736億5400万円(前年同期比4.8%増)、営業利益1175億1900万円(同17.1%減)、純利益880億9500万円(同12.2%減)と2ケタ営業減益となったことが嫌気された。半導体製造装置は一部装置の出荷時期に期ずれが発生した影響があったものの堅調に推移したが、FPD(フラットパネルディスプレー)製造装置は、テレビ用大型液晶パネル向け設備投資が一巡した影響などで低調に推移し、利益を悪化させた。なお、23年3月期通期業績予想は、売上高2兆3500億円(前期比17.3%増)、営業利益7160億円(同19.5%増)、純利益5230億円(同19.7%増)の従来見通しを据え置いている。

■ダイフク <6383>  8,130円  -620 円 (-7.1%)  本日終値
 ダイフク<6383>は急反落。8日の取引終了後、第2四半期累計(4~9月)連結業績予想について、営業利益を275億円から240億円(前年同期比18.1%増)へ、純利益を185億円から170億円(同22.1%増)へ下方修正したことが嫌気された。売上高は従来予想の2750億円(同13.0%増)を据え置いたものの、従来予想に比べて原材料費・人件費が高騰していることに加えて、第1四半期に過年度付加価値税などを特別損失として計上した影響が響く。なお、23年3月期通期業績予想は、下期に採算の良い案件の売り上げが見込まれるため、売上高5650億円(前期比10.3%増)、営業利益565億円(同12.4%増)、純利益396億円(同10.4%増)だった。同時に発表した第1四半期(4~6月)決算は、売上高1302億1100万円(前年同期比8.3%増)、営業利益102億7500万円(同2.3%減)、純利益58億3500万円(同24.5%減)だった。半導体生産ライン向けが牽引役となったほか、国内一般製造業・流通業向けが伸長した。

■ソフトバンクグループ <9984>  5,295円  -400 円 (-7.0%)  本日終値
 ソフトバンクグループ<9984>は5日ぶりに反落。同社が8日取引終了後に発表した23年3月期第1四半期(22年4~6月)決算は、最終損益が3兆1627億円の赤字となった。米ハイテク株を中心とする世界的な株安や円安進行が損益を悪化させる格好となり、四半期ベースとしては過去最大の赤字となった。また、これで2四半期連続の赤字となり、同社傘下のビジョン・ファンドが有していた約7兆円の利益はほぼ吹き飛ぶ状態となった。これを嫌気する売りが優勢となっている。「ただ、米国株市場をはじめとする世界株市場の動向から、今回の同社の決算悪は予想されていたことでネガティブサプライズというほどのインパクトはない」(ネット証券アナリスト)という声も出ている。また同日、発行済み株式数の6.3%に相当する1億株、金額で4000億円を上限とする自社株買いを実施することも発表しており、これが株式需給面で株価下支え材料となる可能性もある。

■ヤマトホールディングス <9064>  2,149円  -153 円 (-6.7%)  本日終値
 ヤマトホールディングス<9064>が大幅続落。8日の取引終了後、第2四半期累計(4~9月)連結業績予想について、営業利益を310億円から230億円(前年同期比27.4%減)へ、純利益を190億円から140億円(同4.3%減)へ下方修正したことが嫌気された。売上高は8740億円(同1.0%増)の従来見通しを据え置いたものの、拡大するEC需要に対応するEC物流ネットワークの構築と既存ネットワークのオペレーション適正化を進める途上にあることに加えて、燃料費の上昇など費用が増加していることが要因としている。なお、23年3月期通期業績予想は、売上高1兆8200億円(前期比1.5%増)、営業利益910億円(同17.9%増)、純利益570億円(同1.9%増)の従来見通しを据え置いている。同時に発表した第1四半期(4~6月)連結決算は、売上高4241億5900万円(前年同期比1.0%増)、営業利益24億1600万円(同81.0%減)、純利益3億2000万円(同97.3%減)と大幅減益となった。成長が加速するEC領域への対応により荷物の取扱数量が増加したことが牽引したが、燃料費の上昇などが利益を圧迫した。

■キリンホールディングス <2503>  2,156円  -85 円 (-3.8%)  本日終値
 キリンホールディングス<2503>は3日ぶりに反落。8日の取引終了後、22年12月期の連結業績予想について、売上高を1兆9500億円から1兆9900億円(前期比9.2%増)へ、最終利益を1145億円から1340億円(同2.2倍)へ上方修正したが、材料出尽くしとの見方から売られたようだ。期初計画で0億円として見込んでいたミャンマー・ブルワリー社が上期において実績を計上したことに加えて、為替相場の円安傾向を受けて想定為替レートを1ドル=113円から126円へ、1豪ドル=82円から90円へ見直したことが要因としている。また、第3四半期において、持ち分法適用関連会社の華潤麒麟飲料(大中華)有限公司の株式譲渡に係る株式売却益約500億円を計上予定であることも寄与する。なお、同時に発表した第2四半期累計(1~6月)決算は、売上高9170億4800万円(前年同期比6.1%増)、純利益553億5000万円(同2.3倍)だった。

■倉庫精練 <3578>  450円  +80 円 (+21.6%) ストップ高   本日終値
 倉庫精練<3578>が80円高はストップ高に買われた。8日の取引終了後、親会社の丸井織物(石川県中能登町)が倉庫精練に対し、完全子会社化を目的に1株430円でTOBを実施することを明らかにした。これを受けたきょうの同社株はTOB価格を上回る水準で推移、TOB価格を割安と捉えた向きによる価格引き上げを期待した思惑的な買いが入ったようだ。織り工程から染め工程までの一貫生産委託を可能にする狙いがあり、将来的には繊維製品の製造販売事業への進出なども視野に入れている。買い付け予定数は113万147株(下限27万8282株、上限設定なし)で、買い付け期間は9日から9月21日まで。なお、TOB成立後に同社株は上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は8日付で監理銘柄(確認中)に指定している。

■光ビジネスフォーム <3948>  645円  +100 円 (+18.4%) ストップ高   本日終値
 光ビジネスフォーム<3948>はストップ高。8日の取引終了後、22年12月期の単独業績予想について、売上高を85億円から110億円(前期比15.0%増)へ、営業利益を5億円から15億円(同25.0%増)へ、純利益を3億5000万円から10億5000万円(同28.2%増)へ上方修正し、あわせて18円としていた期末一括配当予想を45円(前期35円)に引き上げると発表したことが好感された。指名停止処分の影響が限定的であったことに加えて、新型コロナウイルスワクチン3回目、4回目の接種や住民税非課税世帯に対する臨時特別給付金などに関する特別の需要を受注できたことが要因としている。同時に発表した第2四半期累計(1~6月)決算は、売上高64億9200万円(前年同期比42.2%増)、営業利益11億7400万円(同2.8倍)、純利益7億2600万円(同2.3倍)だった。

●ストップ高銘柄
 ウェッジHD <2388>  154円  +50 円 (+48.1%) ストップ高   本日終値
 新東 <5380>  2,660円  +500 円 (+23.2%) ストップ高   本日終値
 名村造船所 <7014>  622円  +100 円 (+19.2%) ストップ高   本日終値
 など、9銘柄

●ストップ安銘柄
 ディー・ディー・エス <3782>  64円  -30 円 (-31.9%) ストップ安   本日終値
 など、1銘柄

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