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【特集】ECサイト活況が追い風、成長軌道に乗る「物流・倉庫DX」関連銘柄6選 <株探トップ特集>

コロナ禍のなかECサイト経由の購買は一段と活発化した。この流れは物流や倉庫業界の経営改善を促す格好となり、DX化を推進させる大きな潮流を生み出している。

―コロナ禍でのオンライン購買活発化が改革促す、労働力減少のなか効率化も必須に―

 株式市場で、 倉庫など物流関連銘柄に対する関心が高まっている。コロナ禍も相まって ECサイト経由での購買は一段と加速するなか、着実な需要増を背景に倉庫業界などの業績は高水準を維持している。そんななか関心が強まっているのが一段のデジタル化を促進させる「物流・倉庫デジタルトランスフォーメーション(DX)」だ。熱い視線を集める同関連銘柄にスポットライトを当てた。

●ECサイトの購買活発化で「物流・倉庫」の重要性増す

 7月12日から13日にかけて開催されたアマゾン・ドット・コム<AMZN>のプライム会員向けのビッグセール「プライムデー」では、日本において参加会員数、販売事業者の売り上げなどで過去最高記録を更新。これに参加して、長らく欲しかった商品をようやく手に入れた向きも多いだろう。足もとでは10月にもアマゾンが大規模なセールを再び開催するとの一部報道も見られる。プライムデーの盛り上がりは象徴的な事例だが、コロナ禍も相まってECサイト経由での購買は一段と加速している。

 また、よく知られている事例を挙げれば、ZOZO <3092> [東証P]が以前に展開した身体採寸を手軽に行うことができる「ZOZOSUIT」のように、従来はネットショッピングとやや相性が悪いと考えられてきたような商品も、テクノロジーの進歩とともにネット経由での購入が増加する可能性も高い。そうしたなか、いやが応でも重要性が増し、当然今以上に改革が求められる領域の一つが「物流・倉庫」だ。実際、「物流・倉庫DX」の流れが一気に動き出している。

●三菱商など7社が倉庫産業DXを推進

 最近の動向では、7月には三菱商事 <8058> [東証P]、三菱商事ロジスティクス、東京大学協創プラットフォーム開発(東大IPC)、プロロジス(東京都千代田区)、三井不動産 <8801> [東証P](出資母体は、同社のコーポレートベンチャーキャピタル31VENTURES Global Innovation Fund 2号)、三菱HCキャピタル <8593> [東証P]、三菱地所 <8802> [東証P]の7社が倉庫産業DXの実現に向けた共同事業に参画したことを発表。具体的には三菱商が進めてきた倉庫産業DX事業を新設子会社のGaussyに譲渡し、残りの6社のパートナーが同新設子会社に出資参画した形だ。新設子会社であるGaussyは、倉庫ロボットのサブスクリプションサービス「Roboware」、シェアリング倉庫サービス「WareX」の提供などを通じて、倉庫産業DXを加速させていく。また、アマゾンも7月27日、日本全国18ヵ所での配送拠点「デリバリーステーション」の開設を発表。同拠点開設により、翌日受け取り可能な商品数が700万点以上に増加すると同時に、新たに青森、岩手、秋田、長野、徳島、香川、愛媛、高知、熊本、沖縄の各県ユーザーも「置き配指定サービス」を利用できるようになる。話題を日本の大手企業に戻せば、三井倉庫ホールディングス <9302> [東証P]も27年3月期までの新中期経営計画をもとに、DXを軸とした1000億円の戦略投資を行う計画だ。

●AIやロボット活用などで効率化や省人化を図る

 物流・倉庫の関連各社において、在庫などをはじめとした各種管理システムの改善から、物流ネットワークの再構築、人工知能(AI) ロボット活用などによる効率化及び省人化は当然射程の範囲内だ。更に物流・倉庫DXの未来は、データ分析による新サービス開発にもつながっており、物流・倉庫会社にとっても将来的な明暗を分ける分水嶺となり得る。労働人口の減少なども考慮すれば、物流・倉庫業界のDX化に向けた歩みは、今後進むことはあっても、止まることはないだろう。国土交通省も「総合物流施策大綱(2021~25年度)」という形で課題と目指すべき姿を示しているように、国家としても注視している同領域に中長期的に関心を持っておきたい。そこで以下、関連銘柄を取り上げた。

●フューチャーやトヨカネツ、ダイフク、ロジザードなど注目

 フューチャー <4722> [東証P]~同社の主要事業会社であるフューチャーアーキテクトは、物流の最適化に必要なプロセスとソリューションを体系化し、あらゆる業種・業界の課題解決に向けた「物流DXコンサルティングサービス」を今月から本格的に提供開始。戦略策定から実装までを行う「デジタル領域」に加えて、拠点の統廃合や倉庫設備の設計、サプライチェーンネットワークの再編といった「フィジカル領域」においてもサポートする。更に、23年をめどに倉庫内の人や設備の稼働状況を可視化し最適化を担う、クラウド型の次世代物流システムの提供を目指している。

 トーヨーカネツ <6369> [東証P]~物流システムの企画から設計、製作、施工、販売及びメンテナンスをトータルで提供。配送センターシステム、トラックターミナルシステム、生産ラインシステム、空港手荷物搬送システムなどにおいて実績を持つ。超高密度で高い収納効率を実現する保管ピッキングシステム「AutoStore」は、作業者が歩くことなく商品が作業者の手元に搬送される“歩行レスピッキング”を実現する。

 ダイフク <6383> [東証P]~マテハン機器や倉庫の自動化などで物流ソリューションを手掛けており、業界トップクラス。パレット立体自動倉庫「コンパクトシステム」はパレット単位の荷物を自動搬送し高層ラックに保管する自動倉庫で、高さ方向を有効利用することで格納効率を高めることが可能となる。荷物の出し入れの指示はコンピューターで行うため、人力では難しい複雑な運用管理にも対応可能。他にも小物ピッキングに特化した省スペース自動倉庫「ピック&ストッカー」など自動倉庫分野で多様なシステムを提供している。

 CYBERDYNE <7779> [東証G]~工場やオフィスなどでの搬送作業をマーカーレスで実現する搬送ロボットを受託開発している。磁気テープやマーカーなどの誘導線が不要であり、大掛かりな工事は不要。搬送経路の設定は、タッチパネル方式の専用のリモートコントローラーを用いて行う。

 YE DIGITAL <2354> [東証S]~物流倉庫の自動化促進に特化した倉庫自動化システム「MMLogiStation」を手掛けている。メーカーを問わずに「MMLogiStation」と自動化設備とのシームレスな連携を実現することで、倉庫全体の自動化を支援しており、AGV(無人搬送車)との連携なども進めている。

 ロジザード <4391> [東証G]~自社開発の倉庫管理システム「ロジザードZERO」は、BtoB物流対応でEC特化型の倉庫管理システムであり、マテハンや物流ロボットとの標準連携も積極的に進めている。そのほか、店舗在庫管理システム「ロジザードZERO-STORE」、オムニチャネル支援ツール「ロジザードOCE」を提供する。


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