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【特集】日本株&アメ株で伸びる人~含み益だらけにこだわって1400万円増
第25回 日本株&アメ株で勝つ人~個人投資家4800人の調査で判明!(太閤さんの場合)
前回記事「日本株&アメ株で伸びる人~郵船注目の裏にアメ株あり」を読む
目指せ! 含み益だらけのポートフォリオ――。
60歳代のサラリーマン投資家、太閤さん(ハンドルネーム)は、50歳代から投資に本腰を入れてから1400万円を超えるリターンを稼いできた。
含み益の源泉は、業界トップ企業の業績成長と値動きを追いかける戦略。5倍株も掴んだそのスタイルは、今年2月末から急速に進んだ円安も追い風となり、太閤さんのポートフォリオを膨らませ続けている。
太閤さんは前回紹介した川羊さん(ハンドルネーム)と同じく、日本株以外にアメ株も運用資産に組み込み、日本株とアメ株の成績を伸ばしている投資家の1人だ。その投資戦略は、投資の王道である長期投資を主軸に置きつつ、トレンドが明確に見えたときは押し目狙いの中短期投資も手掛けている。
2つの取り組みについて見ていこう。
IPO時から保有するリクルート株が資産拡大のベースに
柱となっている長期投資で含み益が最も大きいのが、求人情報サービスの国内最大手、リクルートホールディングス<6098>だ。同社株は2014年のIPO(新規株式公開)時から保有を続け、足元では含み益が500万円を超え、全体の含み益の中で最も大きい額になっている。
リクルートHD株をずっと保有し続けているのは、太閤さんが重視する業界トップの地位に揺るぎが見られないことだ。狙うのは、業績が安定成長する収益基盤を持っているトップ企業。こうした企業の株は、含み益が大きく目減りする懸念が生じない限り、持ち続けていくのが基本戦略だ。
リクルートHDを評価しているのは、12年に取得した米国の求人マッチングサイト「indeed」が米国市場で伸び、同社の収益を大きく伸ばしていること。太閤さんはindeedの取得によって、長期的に人口減が進む国内のみならず、人口の増加基調を維持し、世界のビジネスの中心地である米国でも強い収益基盤を確保したことを評価して保有した。
同社株は18年秋、そして20年春のコロナ暴落、直近では昨年秋から大きく調整する局面となっているが、同社の収益環境が大きく崩れる状況ではないと判断している。
足元では米国の利上げ姿勢に変化の兆候が見られたこともあって一服しているが、今春から急速に進んだ円安で、同社の説明によれば1ドルの円安で30億円程度の為替差益が発生する。こうした収支構造もあり、しばらくは同社株の保有を続ける姿勢だ。
■リクルートの月足チャート(14年10月~)
リクルートに次ぐ、含み益をもたらしているのが、2019年から保有している任天堂<7974>。保有したのは、ゲーム機の最大手で、17年春に新機種の「ニンテンドースイッチ」が投入されたことや、海外売上高比率が7割を超え、国内外で稼ぐ基盤を確立していることを評価した。
営業で幅広い企業を担当していた経験が生きる
太閤さんが投資候補を業界トップ企業に絞るのは、東証プライム市場に上場する大手メーカーで、営業職を続けてきた経験が基になっている。
長年営業担当として幅広い企業と接点を持っていたことで、国内ではどの業界かにかかわらず、共通している特徴があることを感じ取っていた。それは業界トップが、様々な点で主導権を握っていること。業界トップの動きを注視していれば、その業界の動向を把握しやすい。
トップ企業への注目戦略は、時短にもなる。太閤さんは仕事で、50歳代以降に担当エリアが四国から西日本に広がり、出張も増加した。投資に割ける時間がより限られるようになった。
この問題を解消するのが、業界トップの大型優良株狙い。彼らならば、日々の値動きにきめ細かくチェックする必要はないと考えている。保有銘柄の点検は決算ごとに増収増益が継続しているかなど、決算書や『会社四季報』(東洋経済新報社)でチェックする程度にとどめている。
大手損保や海運では中短期の押し目狙いでリターンを稼ぐ
冒頭で紹介したように、太閤さんは押し目狙いの中短期投資も取っている。これは、大型優良銘柄に上昇トレンドが見えたときに手掛け、テクニカル指標に注目しながら売買のタイミングを図っている。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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登場する銘柄
取材/真弓重孝・富田祥平、編集・構成/真弓重孝(株探編集部)
太閤さん(ハンドルネーム・60代・男性・兼業投資家):
大手メーカーのグループ会社で取締役を務める兼業投資家。IPO(新規株式公開)から保有したリクルート株が資産形成のベースとなる。「業界をリードする銘柄を狙う」「含み損となれば売却、強ければ保有」を柱に資産を拡大させてきた。2016年から始めたアメ株でも日本株のルールを応用し見事リターンを積み重ねている。普段は出張が多く、国内を飛び回っている。写真は機内から撮影した富士山。
大手メーカーのグループ会社で取締役を務める兼業投資家。IPO(新規株式公開)から保有したリクルート株が資産形成のベースとなる。「業界をリードする銘柄を狙う」「含み損となれば売却、強ければ保有」を柱に資産を拡大させてきた。2016年から始めたアメ株でも日本株のルールを応用し見事リターンを積み重ねている。普段は出張が多く、国内を飛び回っている。写真は機内から撮影した富士山。
前回記事「日本株&アメ株で伸びる人~郵船注目の裏にアメ株あり」を読む
目指せ! 含み益だらけのポートフォリオ――。
60歳代のサラリーマン投資家、太閤さん(ハンドルネーム)は、50歳代から投資に本腰を入れてから1400万円を超えるリターンを稼いできた。
含み益の源泉は、業界トップ企業の業績成長と値動きを追いかける戦略。5倍株も掴んだそのスタイルは、今年2月末から急速に進んだ円安も追い風となり、太閤さんのポートフォリオを膨らませ続けている。
太閤さんは前回紹介した川羊さん(ハンドルネーム)と同じく、日本株以外にアメ株も運用資産に組み込み、日本株とアメ株の成績を伸ばしている投資家の1人だ。その投資戦略は、投資の王道である長期投資を主軸に置きつつ、トレンドが明確に見えたときは押し目狙いの中短期投資も手掛けている。
2つの取り組みについて見ていこう。
IPO時から保有するリクルート株が資産拡大のベースに
柱となっている長期投資で含み益が最も大きいのが、求人情報サービスの国内最大手、リクルートホールディングス<6098>だ。同社株は2014年のIPO(新規株式公開)時から保有を続け、足元では含み益が500万円を超え、全体の含み益の中で最も大きい額になっている。
リクルートHD株をずっと保有し続けているのは、太閤さんが重視する業界トップの地位に揺るぎが見られないことだ。狙うのは、業績が安定成長する収益基盤を持っているトップ企業。こうした企業の株は、含み益が大きく目減りする懸念が生じない限り、持ち続けていくのが基本戦略だ。
リクルートHDを評価しているのは、12年に取得した米国の求人マッチングサイト「indeed」が米国市場で伸び、同社の収益を大きく伸ばしていること。太閤さんはindeedの取得によって、長期的に人口減が進む国内のみならず、人口の増加基調を維持し、世界のビジネスの中心地である米国でも強い収益基盤を確保したことを評価して保有した。
同社株は18年秋、そして20年春のコロナ暴落、直近では昨年秋から大きく調整する局面となっているが、同社の収益環境が大きく崩れる状況ではないと判断している。
足元では米国の利上げ姿勢に変化の兆候が見られたこともあって一服しているが、今春から急速に進んだ円安で、同社の説明によれば1ドルの円安で30億円程度の為替差益が発生する。こうした収支構造もあり、しばらくは同社株の保有を続ける姿勢だ。
■リクルートの月足チャート(14年10月~)
注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同
リクルートに次ぐ、含み益をもたらしているのが、2019年から保有している任天堂<7974>。保有したのは、ゲーム機の最大手で、17年春に新機種の「ニンテンドースイッチ」が投入されたことや、海外売上高比率が7割を超え、国内外で稼ぐ基盤を確立していることを評価した。
営業で幅広い企業を担当していた経験が生きる
太閤さんが投資候補を業界トップ企業に絞るのは、東証プライム市場に上場する大手メーカーで、営業職を続けてきた経験が基になっている。
長年営業担当として幅広い企業と接点を持っていたことで、国内ではどの業界かにかかわらず、共通している特徴があることを感じ取っていた。それは業界トップが、様々な点で主導権を握っていること。業界トップの動きを注視していれば、その業界の動向を把握しやすい。
トップ企業への注目戦略は、時短にもなる。太閤さんは仕事で、50歳代以降に担当エリアが四国から西日本に広がり、出張も増加した。投資に割ける時間がより限られるようになった。
この問題を解消するのが、業界トップの大型優良株狙い。彼らならば、日々の値動きにきめ細かくチェックする必要はないと考えている。保有銘柄の点検は決算ごとに増収増益が継続しているかなど、決算書や『会社四季報』(東洋経済新報社)でチェックする程度にとどめている。
大手損保や海運では中短期の押し目狙いでリターンを稼ぐ
冒頭で紹介したように、太閤さんは押し目狙いの中短期投資も取っている。これは、大型優良銘柄に上昇トレンドが見えたときに手掛け、テクニカル指標に注目しながら売買のタイミングを図っている。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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