【特集】利益成長【青天井】銘柄リスト〔第1弾〕12社選出 <成長株特集>
信越化 <日足> 「株探」多機能チャートより
下表では、時価総額50億円以上の銘柄を対象に、本決算月にかかわらず、22年4-6月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している12社を選び出し、4-6月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのはアドバンテスト <6857> [東証P]。22年4-6月期(第1四半期)は、SoC(システム・オン・チップ)半導体用試験装置が先端プロセス品向けの販売が大幅に伸びたうえ、半導体メーカーの増産投資で成熟プロセス品向けも好調だった。為替の円安進行も追い風となり、経常利益は484億円と過去最高だった直前の1-3月期実績を38.3%上回って着地。業績好調に伴い、23年3月期通期業績予想を上方修正した。また、未定だった上期配当を前年同期比15円増の65円とする方針を示したほか、1000万株(発行済み株式数の5.3%)または500億円を上限に自社株買いを実施するなど、株主還元も強化する。
2位に入った自転車用部品大手であるシマノ <7309> [東証P]の4-6月期(第2四半期)業績は、売上高1596億円(前年同期比15.5%増)、経常利益527億円(同42.7%増)といずれも四半期ベースの過去最高を達成した。欧米で自転車の底堅い需要が続くなか、ロードバイク向け高級モデルや電動アシストスポーツバイクコンポーネントなど幅広い製品の販売が伸びた。また、円安で為替差益が膨らんだことも利益を押し上げた。
3位にリスト入りした信越化学工業 <4063> [東証P]の4-6月期(第1四半期)は、塩化ビニール樹脂をはじめ全拠点でフル操業を継続し、生活環境基盤材料事業の収益が急拡大したほか、電子材料事業や機能材料事業も好調だった。併せて、非開示だった23年3月期通期の経常利益は前期比21.0%増の8400億円と2期連続最高益を見込み、配当は前期比50円増の450円に増配する方針とした。また、900万株(発行済み株式数の2.2%)または1000億円を上限に自社株を取得し、全株を消却することも明らかにしている。
選出リストは製造業が目立つが、内需関連ではシステム大手のオービック <4684> [東証P](6位)と野村総合研究所 <4307> [東証P](11位)がリストアップされている。いずれも企業や官公庁の積極的なデジタル投資を追い風に業績を伸ばし、オービックは5四半期連続、野村総研は3四半期ぶりにそれぞれ四半期ベースの最高益更新を果たした。
※決算発表の集中期間(8月15日まで)は、その日に発表された決算で4-6月期に増収増益を達成した銘柄を速報ベースで毎日19時ごろ配信しています。こちらも併せてご覧いただき、銘柄選びにご活用ください。
●「“好発進”企業を追う! 4-6月期【増収増益】リスト」配信一覧
「7月27日版 20社選出」「7月28日版 51社選出」「7月29日版 65社選出」
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 4-6月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<6857> アドテスト 38.3 48416 35008 49.6 174000 116343 11.5 *
<7309> シマノ 32.4 52728 39824 14.4 174500 152562 15.8
<4063> 信越化 28.7 262633 204130 21.0 840000 694434 11.8
<8014> 蝶理 26.6 3658 2889 16.8 12000 10274 6.0
<7970> 信越ポリ 25.9 3973 3155 3.6 12500 12063 12.6
<4684> オービック 18.0 18485 15664 9.0 65600 60174 39.9
<6594> 日電産 14.3 56989 49855 20.4 206000 171145 32.1 *
<4362> 日精化 11.6 1633 1463 1.4 5200 5127 13.3
<7839> SHOEI 9.3 2438 2230 32.3 8060 6092 27.0
<4556> カイノス 6.0 298 281 3.0 800 777 9.2
<4307> 野村総研 3.8 27789 26780 8.0 113000 104671 30.5 *
<4462> 石原ケミ 1.5 741 730 6.2 2670 2514 9.2
※2021年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース