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【市況】【村瀬智一が斬る!深層マーケット】いったん調整も、6月高値2万8389円をターゲットとしたトレンドに

RAKAN RICERCA 代表取締役 会長 村瀬智一

「いったん調整も、6月高値2万8389円をターゲットとしたトレンドに」

●決算発表がピークを迎え、日替わり的な物色へ

 米国では米連邦準備理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)で想定通り0.75%利上げを決定した。その後、パウエルFRB議長の会見を受けて、今秋以降の利上げペースが緩やかになるとの期待が高まった。また、4-6月期国内総生産(GDP)速報値が2四半期連続のマイナス成長となり、リセッション(景気後退)懸念が強まるなか、長期金利が低下したことによりハイテク株が買われるなど、市場のセンチメントは改善傾向にある。

 東京市場では、日経平均株価が節目の2万8000円を回復したことで、いったんは達成感が意識されるほか、決算発表がピークを迎えるため手掛けづらくなりそうだ。特に29日前場に業績予想を下方修正したデンソー <6902> [東証P]が5%超下落したことで、決算発表を見極めたいとする模様眺めムードも強まりそうだ。

 急激な米国利上げに対する警戒感は和らいでおり、日米金利差を狙った資金についても、利益確定に向けたリバランスの影響が見られよう。もっとも、米国の大型テック株の決算は概ねコンセンサスを上回っており、半導体企業の決算も予想ほど悪くなかった。しばらくは決算を手掛かりとした日替わり的な物色に向かいやすいが、押し目待ちの買い意欲は強そうである。なお、日経平均株価は目先的な達成感が意識される一方、2万8000円近辺での底固めを経て、6月高値2万8389円をターゲットとするトレンドに向かうだろう。

●今後活躍が期待される「注目5銘柄」

◆エムスリー<2413> [東証P]
4月27日に発表した2023年3月期第1四半期業績は、売上収益が前年同期比22.8%増の569億円、営業利益は同24.2%減の186億円だった。売上収益、各利益ともにコンセンサスを上回り、決算発表後に株価はリバウンド基調を強めている。短期的な過熱感はあるものの、今回のリバウンドにより13週、26週線を突破しており、昨年9月高値8945円から続いた調整トレンドに対する修正の動きが期待される。直近の信用倍率は6.58倍だが、6月半ばの10.6倍から需給整理は進展しており、足元でのリバウンドによってさらに改善が見込まれよう。

◆サカタのタネ<1377> [東証P]
7月13日に発表した22年5月期の連結営業利益は111億円と従来予想(100億円)を上振れて着地。収益認識に関する会計基準を前期より適用しているため単純比較はできないが、旧基準の参考値は112億円となり、前の期との比較では15.4%増となる。商品開発の成果が表れ、海外卸売事業は野菜種子、花種子ともほぼ全ての国・地域で売上が好調に推移。ドル高・円安基調も追い風となった。23年5月期の営業利益は前期比1.1%増の113億円の見通し。ウクライナ紛争の長期化に加え、気候変動による食糧危機などが警戒されるなか、今後も好調な業績推移が見込まれる。株価は決算を受けて急伸したものの、その後は反動による調整を継続。25日移動平均線に接近してきており、押し目狙いのスタンスで注目したい。

◆IDOM <7599> [東証P]
「ガリバー」ブランドの 中古車大手。7月14日に発表した23年2月期第1四半期の連結営業利益は前年同期比3.4%増の52億円だった。メインの国内事業では国内直営店舗数は純減したものの、大型店での1店舗当たりの小売台数が増加。車両販売単価の上昇や販管費の減少も寄与し増収増益を確保した。株価は足元でリバウンドを継続していたこともあり、決算を受けて初動は急落となったが、結局は長い下ヒゲを残す格好でリバウンドを強めている。トヨタ自動車 <7203> [東証P]が中古車のサブスクリプションサービスを始めるなど、半導体不足により新車生産が遅れるなか、引き続き中古車のニーズは高水準で推移しそうだ。株価は足元のリバウンドで13週、26週線を支持線に変え、52週線を突破してきた。昨年9月高値1090円からの調整トレンド転換により、一段のリバウンド上昇に期待したい。

◆ジーエス・ユアサ コーポレーション <6674> [東証P]
産業用・車載用の鉛蓄電池大手。23年3月期の連結売上高は前期比20.3%増の5200億円、営業利益は23.5%増の280億円とともに過去最高を更新する見通し。世界的にEV(電気自動車)シフトが加速するなか、リチウムイオン電池の需要拡大が見込まれる。株価は足元でリバウンドを強めており、上値抵抗線として機能していた52週線を突破。昨年2月高値3540円をピークとする調整トレンドは転換した。8月3日に23年3月期第1四半期決算を発表予定。

◆ISID<4812> [東証P]
電通グループ向けが柱のシステム開発会社。7月28日に、22年12月期の連結売上高を従来予想の1200億円→1230億円(前期比9.7%増)、営業利益を150億円→175億円(同27.4%増)に上方修正した。原材料価格の上昇や部品供給の停滞などを背景に先行きへの懸念はあるものの、顧客のデジタル投資に対する意欲は極めて強く、6月末の受注残高も高い水準にある。売上高、段階利益すべてにおいて5期連続で過去最高を更新する見通し。株価は1月安値3145円をボトムにリバウンドを継続。昨年7月に付けた上場来高値4800円が射程に入ってきた。

(2022年7月29日 記)

株探ニュース


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