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【市況】今週の【早わかり株式市況】4週ぶり反落、FOMCを挟み不安定な地合い

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

■今週の相場ポイント
 1.日経平均株価は4週ぶりに下落、FOMC開催週で不安定な値動きに
 2.国内での新型コロナ感染者数の急増も株式市場全般の買い手控え要因
 3.IMFが経済成長率見通しを下方修正、市場のセンチメントを冷やす
 4.FOMC後のパウエル発言を受け、金融引き締め強化への懸念が後退
 5.週末は急速に進むドル安・円高が重荷、日経平均は朝高後に値を消す

■週間 市場概況

 今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比113円(0.40%)安の2万7801円と4週ぶりに下落した。

 今週は、週央に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え神経質な地合いとなったほか、前週末まで日経平均は7連騰をみせていたこともあり、利益確定の売り圧力も意識されやすかった。米景気後退懸念と米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め強化に対する警戒感が折り重なり、投資家心理も揺れ動く形となった。また、週後半は円高進行が重荷となった。

 週明け25日(月)は日経平均が8日ぶりに反落。前週末の米ハイテク株安が嫌気され、輸出株中心に売りが優勢となった。売買代金も2兆円強と低調だった。26日(火)も日経平均は軟調。FOMCを前に様子見ムードで、国内で新型コロナウイルス感染者数が急増していることもあって買いが手控えられた。27日(水)は3日ぶり反発。前日の欧米株が総じて安く、リスク回避ムードが漂うなか、国際通貨基金(IMF)が世界経済の成長率見通しを下方修正したことも市場のセンチメントを冷やした。ただ、米株先物が堅調な推移をみせ、これに追随する形で日経平均もプラス圏に転じた。28日(木)も買い優勢の地合いが続き、日経平均は100円弱の上昇となった。FOMC後のパウエルFRB議長の記者会見で今後の利上げピッチが緩む可能性が意識され、米株市場の大幅高を受けて投資マインドが強気に傾いた。一時2万8000円台を回復したものの、その後は上値も重く伸び悩んだ。そして週末29日(金)も前日の米株高を受けて上昇して始まったが、その後は急速に進むドル安・円高を横目に値を消す展開となり、小幅マイナス圏で引けている。

■来週のポイント
 来週は4-6月期決算発表が佳境に入るなか、トヨタ自動車 <7203> [東証P]など主要企業の決算が市場に与える影響が大きそうだ。好決算が相次げば日経平均は2万8000円大台乗せも期待できる。ただ、週末に急速に進んだ円高は不安定要因として注意が必要だろう。

 重要イベントとしては、国内では8月5日に発表される6月景気動向指数が注目される。海外では、1日発表の米国7月ISM製造業景況指数と3日発表の米国7月ISM非製造業PMI、5日に発表される米国7月雇用統計、7日発表の中国7月貿易収支に注視が必要だろう。

■日々の動き(7月25日~7月29日)

【↓】   7月25日(月)―― 8日ぶり反落、欧米景気減速を警戒し売り優勢
 日経平均 27699.25( -215.41)  売買高8億2392万株 売買代金 2兆0613億円

【↓】   7月26日(火)―― 続落、FOMCを前に買い手控えムードに終始
 日経平均 27655.21(  -44.04)  売買高8億6989万株 売買代金 2兆1460億円

【↑】   7月27日(水)―― 3日ぶり反発、朝安も米株先物上昇でプラス圏浮上
 日経平均 27715.75(  +60.54)  売買高9億2521万株 売買代金 2兆3728億円

【↑】   7月28日(木)―― 続伸、米株高を受け一時2万8000円台も上値は重い
 日経平均 27815.48(  +99.73)  売買高13億7679万株 売買代金 3兆2742億円

【↓】   7月29日(金)―― 3日ぶり小反落、米株高を好感も円高進行で値を消す
 日経平均 27801.64(  -13.84)  売買高12億9359万株 売買代金 3兆2524億円

■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、22業種が下落
 (2)アイシン <7259> など輸送用機器が値下がり率トップとなったほか、
   NEC <6701> など電機、マキタ <6586>など機械といった輸出株が全面安
 (3)内需株はJR東日本 <9020> など陸運、リクルート <6098> などサービスが買われた一方、
   KDDI <9433> など情報通信やパンパシHD <7532> など小売が売られるなど高安まちまち
 (4)金融株は三菱UFJ <8306> など銀行、オリックス <8591> などその他金融は高いが野村 <8604> など証券、第一生命HD <8750> など保険は安い
 (5)素材株は富士フイルム <4901> など化学が下落、日本製鉄 <5401> など鉄鋼、住友電 <5802> など非鉄はさえない
 (6)INPEX <1605> など鉱業が値上がり率トップ、2位は出光興産 <5019> など石油といった資源株の一角が大幅高

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
  1(1) メタバース
  2(4) 半導体 ── スマホやパソコンの需要停滞で逆風環境に
  3(63) 量子コンピューター ── 超絶の次世代技術、「量子コンピューター」関連株に大化け機運
  4(2) 円安メリット
  5(18) PCR検査
  ※カッコは前週の順位

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