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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「急騰で過熱信号、反転を注視」

株式評論家 富田隆弥

◆日本株には8月のお盆にかけて調整するという夏枯れのアノマリー(経験則)があり、この夏も「無理せずに様子見」と述べてきた。ところが、日経平均株価は7月21日時点で6日続伸し2万7803円へと駆け上がったのだから、株式評論家としてはまさに形無しである。

◆日足チャートは2万6000円台のもみ合いを上放れて一気に200日移動平均線(21日時点2万7599円)を突破し、週足チャートのポイントとなる52週線(同2万7794円)に差し掛かった。こうなると、過去2回は跳ね返された6月9日高値(2万8389円)と3月25日高値(2万8338円)を奪取する可能性がみえてきた。

◆堅調相場の要因としては、NYダウなど米国株の上昇があり、これを受けて東京市場で指数寄与度の大きい値がさ・ハイテク株が物色されたことが挙げられる。そして、日経平均株価が2万6000円台でもみ合う中で溜まっていた「売り」の買い戻しが上昇に弾みをつけたと言える。

◆そうであるならば、買い戻しの一巡後は勢いが鈍るだろう。日経平均株価のサイコロジカルラインは21日時点で10勝2敗(83%)だが、10勝になるのは3月30日以来。また、20日の上げ幅718円は3月23日(816円高)以来の大きさである。日足のRCI(順位相関指数)も高値圏に入ってきた。日経平均株価はいま上値模索を続けているが、日足チャートが3月と6月の急伸後に見せたような陰転信号を灯すなら、改めて「お盆の調整アノマリー」が意識されることになる。

(7月21日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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