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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):レーザーテク、トヨタ、ペルセウス

トヨタ <日足> 「株探」多機能チャートより
■愛三工業 <7283>  715円  -19 円 (-2.6%)  本日終値
 愛三工業<7283>が安い。18日の取引終了後、北米子会社において悪意ある第三者による虚偽の指示に基づき資金を流出させる事案が発生したと発表しており、これが嫌気されたようだ。損失見込額は最大約8億円(18日時点)で、今期の連結会計年度に特別損失として計上する予定という。会社側では、弁護士などによるチーム体制を組織した上で現地の捜査機関に対して被害の申し入れを行ったとしており、捜査に全面的に協力するとともに流出した資金の保全・回収手続きに全力を尽くすとしている。

■レーザーテック <6920>  17,455円  -440 円 (-2.5%)  本日終値
 レーザーテック<6920>、東京エレクトロン<8035>など半導体製造装置の主力銘柄やSUMCO<3436>、信越化学工業<4063>といったシリコンウエハー大手など半導体関連全般への売り圧力がにわかに強まっている。前日の米国株市場では企業の業績先行きに対する懸念から幅広く売りがかさんだが、グロース株への売りが顕著で半導体セクターにも大きく下げる銘柄が相次いだ。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は5%を超える急落となり、前日の上昇分をすべて吐き出す格好となった。東京市場でもこの影響を受け、半導体関連は荒い値動きを余儀なくされている。特にレーザーテックと東エレクは前日まで4連騰をみせていただけに、きょうは目先筋の利食い急ぎの動きで大幅反落が回避しにくい状況にある。

■トヨタ自動車 <7203>  2,005円  -39 円 (-1.9%)  本日終値
 トヨタ自動車<7203>が反落、一時2000円台を割り込んだ。同社は外国為替市場でのドル高・円安を背景に4月中旬から下旬にかけて株価水準を切り上げたものの、決算発表に前後して売り直される展開を強いられていた。きょうは米株安に連動したリスク回避目的の売りを浴び、フシ目となっていた大台を下回ったことで、追随売りを誘発している。株価が2000円台を下回ったのは3月18日ザラ場以来約2カ月ぶりとなる。ドル・円相場がここにきて円高方向に押し戻されていることも風向きを悪くしている。もっとも為替は足もとで1ドル=128円台の推移であり、これに対し同社の今期想定為替レートは1ドル=115円と非常に厳しくみていることから、今期業績面では依然として上振れ余地も内包している。

■ソフトバンクグループ <9984>  5,055円  -82 円 (-1.6%)  本日終値
 ソフトバンクグループ<9984>は5日ぶり反落。前日の米国株市場が波乱安の展開となり、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は566ポイント安と前日の上昇幅を大きく上回る下げ幅を記録、下落率も4.7%安に達した。ナスダック市場と株価連動性の高い同社株には向かい風が強い。同社は22年3月期は過去最大の最終赤字を計上したが、今期も現状は投資環境の改善が見込みにくい状況が続いている。市場関係者も「短期的には自社株買いへの期待が同社の株価を下支えするが、万が一連続で大幅最終赤字となった場合を想定すると、機関投資家はそのリスクを被りにくい。金利上昇局面では同社株の保有ポジションを下げざるを得ないだろう」(中堅証券アナリスト)という声も出ている。

■三菱UFJ <8306>  715.5円  -11.5 円 (-1.6%)  本日終値
 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクが売り優勢となっているほか、第一生命ホールディングス<8750>、T&Dホールディングス<8795>など大手生保は相対的にきつい下げとなっている。米国株市場ではここにきて、足もと企業業績の先行きに対する不安からリスク回避の動きが目立っている。経済が減速するとの思惑を背景に米国債が買われ、米10年債利回りは前日取引終了時点で2.89%まで水準を切り下げた。また、超長期債の30年債の利回りは0.1%以上の下げで3%台は維持しているものの、再び2%台が視野に入る状況にある。前日の米株市場ではゴールドマン・サックス<GS>、JPモルガン<JPM>など大手金融株が売られており、東京市場にもこの流れが波及している。

■エアトリ <6191>  2,726円  -15 円 (-0.6%)  本日終値
 エアトリ<6191>は底堅い動き。18日の取引終了後、国内ツアーにおいてChubb損害保険(チャブ保険、東京都品川区)の国内航空機欠航・遅延時宿泊費補償付き国内旅行傷害保険の販売を開始したと発表した。チャブ独自開発の「旅行保険同時購入システム」の導入により、エアトリの国内ツアー商品購入の際の旅行保険加入がワンストップで完結し、顧客にとってより利便性の高い購入システムの提供が可能になるという。

■リンテック <7966>  2,319円  -1 円 (0.0%)  本日終値
 リンテック<7966>は底堅い動き。午前11時ごろ、シール・ラベル用粘着紙・粘着フィルムの全アイテムの販売価格を8月1日出荷分から15%以上引き上げると発表しており、これによる採算改善を期待した買いが入った。昨年10月の値上げからわずか10カ月での再値上げとなる。同社では引き続き原価低減への取り組みを強化していくが、各種原燃料価格の高騰や電力・物流経費の著しい上昇などが自助努力の限界を超えていることから、ユーザーに対する製品の安定供給と品質の維持・向上のために再度の値上げに踏み切ったという。

■ペルセウス <4882>  447円  +80 円 (+21.8%) ストップ高   本日終値
 ペルセウスプロテオミクス<4882>がストップ高。18日の取引終了後、富山大学と富山県との間で新型コロナウイルス感染症に対する「スーパー中和抗体(開発コード:UT28K)」についての共同研究に関する覚書を締結したと発表しており、これが材料視されたようだ。スーパー中和抗体とは、富山大学が昨年取得し命名したヒト型・モノクローナル中和抗体のことで、新型コロナの既存の変異株や今後出現すると考えられる新たな変異株の感染を防ぐ治療薬となり得ることが確認されているという。会社側では、この中和抗体の一刻も早い事業化に向けて富山大学の事業パートナーとして選定され、今回契約の締結に至ったとしている。

■Jテック・C <3446>  1,904円  +108 円 (+6.0%)  本日終値  東証プライム 上昇率8位
 ジェイテックコーポレーション<3446>は全体波乱相場の間隙を縫って急伸。超高精度X線集光ミラーを手掛けているが、これはナノレベルでも先端を行く超ハイスペック商品で、理化学研究所向けを中心に研究機関が主要顧客となっている。ただ、今後は市場急拡大が予想されているEUV露光装置の次世代機向けでも需要獲得が期待されている。業績面では22年6月期は営業損益が1億9400万円の黒字を会社側は見込んでいるが、23年6月期以降はX線集光ミラーが牽引する形で収益の大幅な伸びも期待されている。直近では、東邦鋼機製作所(三重県四日市市)との共同開発で、次世代パワー半導体材料として注目されるSiCやGaNなどの化合物材料の表面加工で有力視されるCARE加工技術の実用化を推進していく計画を発表しており、株価の刺激材料となっている。

■テンダ <4198>  1,695円  +66 円 (+4.1%)  本日終値
 テンダ<4198>が続伸。18日の取引終了後、三友テクノロジー(東京都新宿区)の全株式を取得し子会社化すると発表しており、これが好感されたようだ。三友テクノロジーは専門性の高いPOSレジスターソリューションや画像認識、識別ソリューションの特化技術、データ解析・AI開発のプログラミング言語の対応力に強みを持つソフトウェア受託開発企業。IT・DX(デジタルトランスフォーメーション)エンジニア確保によるエンジニアリング機能の強化や専門領域における顧客基盤の獲得などにつなげる方針だ。

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