【特集】GW明け後の相場彩る、投資妙味膨らむ3大テーマ株を狙え!(3)【農業関連】 <GW特集>
ウクライナ危機を背景に食料安全保障を巡る農業のあり方は見直されている。世界的な食料価格の上昇が懸念されるなか増産に向け農業関連企業には追い風も見込める。
―不透明感吹き飛ばす「NFT」「脱炭素」「農業」を徹底マークせよ―
米国のインフレ懸念とウクライナ危機に揺れた2022年相場も、ゴールデンウイーク(GW)の連休を経て中盤から後半相場へと向かう。日経平均株価は3月に一時、2万4000円台まで下落した後も軟調状態は続くが、割安銘柄は目立ってきた。ここから狙えるのは、メタバース にも絡み活躍が必至の「NFT(非代替性トークン)」と環境問題に絡む「脱炭素 」、それにウクライナ危機に関連した食料問題を解決する「農業 」の3大テーマだ。各テーマの妙味株をそれぞれ3銘柄ずつ紹介する。第3回は「農業関連」を取り上げる。
(3)【農業関連】
ウクライナ危機で小麦価格急騰、食料増産が急務に
ロシアによるウクライナ軍事侵攻で、世界の食料を巡る環境は激変した。ウクライナは「欧州のパンかご」とも呼ばれる穀倉地帯であり、ロシアと合わせた年間の小麦輸出量は世界全体の約3割を占める。ウクライナ危機による小麦の供給不安を背景に先物価格は急騰した。大豆やトウモロコシなどの価格も上昇しており、一部の発展途上国で食料が手に入りにくい状況も生まれている様子だ。更に温暖化の進展もあり、世界的な食料の増産が迫られている。こうしたなか、農業関連株を見直す動きが強まっている。
●オイシックス・ラ・大地 <3182> [東証P]~食料自給率向上に貢献
有機・特別栽培の農産物やミールキットなどの食品宅配を手掛ける。過去には農林水産省より「食料自給率向上に寄与する事業者」として評価されるなど数々の賞を受賞。会社側はコロナ禍を背景とした需要が一巡したとして、22年3月期の連結営業利益は35億円(前の期比53.1%減)になるとみている。株価は下落基調だったが、足もとでは悪材料出尽くしにより再浮上のタイミングをうかがっている。昨年、水産品卸の豊洲漁商産直市場(東京都大田区)を子会社化し水産品カテゴリーの品揃えを図ったほか、今年はマタニティ・ベビー・キッズ用品の専門店「アカチャンホンポ」を展開する赤ちゃん本舗(大阪市中央区)との協業を始めており、今後の取り組みが注目される。
●サカタのタネ <1377> [東証P]~海外種子販売好調で最高益更新へ
種苗で国内最大手。ブロッコリーの世界シェアはトップで海外売上比率は約6割。野菜や花種子で高い収益力を誇り、SAKATAブランドを世界に浸透させている。同社は4月8日、為替の円安進行も追い風となり、22年5月期の連結経常利益予想を93億円から103億円へ上方修正した。国内においては高齢化の進展など農園芸の課題を解決する新品種の開発やサービスの提供にも力を入れており、種のリーディングカンパニーとして注目されている。
●やまびこ <6250> [東証P]~低PBR、高配当利回りで割安感
国内外で高いシェアを誇る小型屋外作業機械などの製造販売が主力で北米向けに強みを持つ。22年12月期は新型コロナウイルス感染拡大による在宅時間の増加などを背景に海外を中心に旺盛な需要が継続することに加えて、原材料価格や物流費の上昇分の販売価格への転嫁が進み、連結営業利益117億円(前期は93億3000万円)と2期ぶりに最高益更新を見込む。配当は前期比7円増の52円を計画。配当利回りは3.7%台、PBRは0.8倍台と割安感も強い。
★4月29日~5月5日に「ゴールデンウイーク特集」などを一挙、“42本”配信します。ご期待ください。
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