市場ニュース

戻る
 

【市況】株価指数先物 【週間展望】 ―再び弱気なポジションに修正も、下値ではFOMC通過後のアク抜けを想定したロングの動き

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

「再び弱気なポジションに修正も、下値ではFOMC通過後のアク抜けを想定したロングの動き」

 今週の日経225先物は2営業日のみとなるため、日本主導でのトレンド形成は考えづらく、様子見姿勢が強まるなかで外部環境の影響を大きく受けやすいだろう。

 米国で主要企業の決算発表が本格化するなか、4月28日の米国市場ではメタ・プラットフォームズ<FB>の決算が好感され、NYダウは614ドル高、ナスダックは382ポイント高だった。この日のシカゴ日経平均先物清算値は27日の日中大阪比405円高の2万7275円となった。

 翌29日の米国市場は一変、NYダウは939ドル安、ナスダックは536ポイント安と大きく売られた。28日夕に2022年1-3月期決算を発表したアマゾン・ドット・コム<AMZN>の最終損益が7年ぶりの赤字となったほか、増収率が2四半期連続で10%を下回る小幅な伸びだったことが嫌気された。アマゾンが14%を超える下落となったほか、アップル<AAPL>やマイクロソフト<MSFT>などハイテク株が軒並み下落。シカゴ日経225先物は27日の日中大阪比140円安の2万6730円だった。

 5月2日の東京市場はこれにサヤ寄せする格好からギャップスタートが見込まれ、チャート上では75日線を下回り、5日線が位置する2万6730円辺りでの攻防となろう。ただし、連休の谷間とあって市場参加者が限られるなか、ヘッジ対応の商いが集中することによって、イレギュラー的な価格形成を見せる可能性もある。祝日前の4月28日は、急ピッチな円安進行によって弱気で見ていたポジションのヘッジを緩める動きから、引けにかけてリバウンドを強めた面もあったと考えられ、再び弱気なポジションに修正してくる可能性があるだろう。

 ただし、5月3-4日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.5%の利上げを決めると予想されている。市場では0.75%の利上げを織り込む動きも見られていたことから、FOMC通過後のアク抜けの動きも想定される。そのため、ショートに大きく傾ける動きも考えづらく、売り一巡後はFOMC通過後の反転を睨んだ、ややロング寄りのポジションを取りに行く動きも意識されやすい。

 VIX指数は33.40に上昇した。一時34.84まで上昇しており、26日につけた直近の高値33.81を超える場面も見られた。リスクオフに向かいやすい状況であり、スキャルピング中心の売買のほか、日中はグローベックスの米株先物などの動向を睨みながらの値動きとなろう。

 また、週末6日には4月の米雇用統計が発表されるが、それに先だって4日に発表される4月ADP雇用統計の動向によって、方向性を探ることになるだろう。また、3日にはアドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>の決算発表が予定されており、先行きの見通しに対して市場の関心が集まることになりそうだ。

 27日のNT倍率は先物中心限月で14.11倍に低下した。4月13日につけた直近安値水準まで下げてきたことで、いったんはリバウンドが意識されやすいが、米ハイテク株の下落影響による一段の低下が見込まれるところだ。この水準を明確に下回ってくるようだと、3月16日の安値13.85倍がターゲットとなる可能性があり、NTショート(日経225先物売り・TOPIX先物買い)によるスプレッド狙いの動きが強まる展開は意識しておきたい。

 4月第3週(4月18日-22日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週連続で買い越しており、買い越し額は1139億円(前週は866億円の買い越し)だった。なお、現物は2380億円の買い越し(同863億円の買い越し)と4週連続の買い越しであり、先物は1241億円の売り越し(同3億円の買い越し)と2週ぶりに売り越している。個人は現物と先物の合算で329億円の買い越しで、2週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で162億円の売り越しとなり、3週連続の売り越しだった。海外投資家は3週連続での買い越しだったが、1100億円程度の買い越しと動きは限定的。レンジが定まらず、グローバル景気の後退懸念もあり、なかなかドルベースで安いと思えども手が出せなかったようだ。

 経済スケジュールでは、2日に4月消費動向調査、米国4月ISM製造業景況指数、3日に米国3月製造業新規受注、4日に米国3月貿易収支、5日にイングランド(BOE)政策金利発表、中国4月財新サービス部門購買担当者景気指数(PMI)、米国1-3月期四半期非農業部門労働生産性速報値などが予定されている。


――プレイバック・マーケット――

●SQ値
01月限 日経225 28266.57  TOPIX  1988.69
02月限 日経225 27835.60  TOPIX  1965.67
03月限 日経225 25457.94  TOPIX  1808.03
04月限 日経225 27122.37  TOPIX  1904.02

◆日経225先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
22/06 04月28日  26230  26880  26180  26870  +480
22/06 04月27日  26540  26620  25970  26390  -260
22/06 04月26日  26600  26850  26400  26650  +110
22/06 04月25日  27070  27230  26470  26540  -560

◇TOPIX先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
22/06 04月28日  1852.5  1903.0  1848.0  1903.0  +42.0
22/06 04月27日  1870.0  1875.5  1835.0  1861.0  -15.0
22/06 04月26日  1876.5  1888.0  1860.0  1876.0  +3.5
22/06 04月25日  1902.0  1912.5  1865.0  1872.5  -30.5

●シカゴ日経平均 円建て
          清算値  前日比
04月29日(06月限)  26730  -140
04月28日(06月限)  27275  +405
04月27日(06月限)  26375  -15
04月26日(06月限)  26065  -585
04月25日(06月限)  26795  +255
※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
        売り   前週末比   買い    前週末比
04月22日    2603億円  +53億円  7636億円  -332億円
04月15日    2549億円  -298億円  7969億円  -873億円
04月08日    2848億円  -226億円  8842億円  -2056億円
04月01日    3074億円  +560億円 1兆0899億円  -2338億円
03月25日    2514億円  +136億円 1兆3237億円  +1692億円
03月18日    2378億円  +317億円 1兆1545億円  +2178億円
03月11日    2060億円 +2018億円  9366億円  +4736億円
03月04日     42億円  -292億円  4630億円  +346億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
        売り      前日比  買い       前日比
04月26日    7811万株    -38万株  2億7271万株   -539万株
04月25日    7850万株   +151万株  2億7810万株   -309万株
04月22日    7699万株    +26万株  2億8120万株   -1093万株
04月21日    7672万株    -68万株  2億9214万株   +457万株
04月20日    7741万株    +82万株  2億8756万株   +782万株
04月19日    7658万株    -57万株  2億7974万株   -310万株
04月18日    7716万株   +440万株  2億8285万株   -1008万株
04月15日    7275万株    -68万株  2億9294万株   +898万株
04月14日    7344万株   -425万株  2億8395万株   -1084万株
04月13日    7770万株   -373万株  2億9479万株   +449万株
04月12日    8143万株   -697万株  2億9030万株   -2311万株
04月11日    8840万株   +676万株  3億1341万株   -1383万株

■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)
【2022年】
1月14日  701億円
1月25日  701億円
2月14日  701億円
3月07日  701億円
4月07日  701億円

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均