【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):ピアズ、セカンドX、ランサーズ
ピアズ <日足> 「株探」多機能チャートより
薬王堂ホールディングス<7679>が3日ぶりに急反落。同社は5日取引終了後、23年2月期の連結経常利益は44億2600万円となる見通しを明らかにした。配当は前期比1円増の年25円とする予定だ。ただ、市場では今期同利益は50億円強が予想されていたことから、失望売りが膨らんだ様子だ。なお、22年2月期の連結経常利益は前の期比17.2%減の43億9400万円と減益となった。
■スギホールディングス <7649> 5,750円 -450 円 (-7.3%) 本日終値 東証プライム 下落率5位
スギホールディングス<7649>が急落。5日の取引終了後に発表した22年2月期決算で、営業利益が前の期比5.6%減の321億3700万円と5期ぶりの減益となっており、これを嫌気した売りが膨らんだようだ。売上高は同3.8%増の6254億7700万円で着地し、増収路線を継続した。巣ごもり消費増加の反動や同業・異業種との競争激化など経営環境が厳しさを増すなか、新規出店や調剤利用率向上に向けた告知強化、薬剤師の採用など各種施策を図ったことが奏功した。一方、販管費が増加したことで利益は減少した。なお、23年2月期業績予想は売上高6750億円、営業利益300億円の見通し。会計基準変更により、前期との比較はない。
■日本郵船 <9101> 9,480円 -520 円 (-5.2%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の大手海運株がいずれも軟調で業種別騰落でも33業種中、下落率で首位となっている。足もとで為替の円安が進行していることは、運賃ドル建て決済の海運各社にとってポジティブ材料だが、ロシアへの経済制裁が強化される方向となるなか、その反動による世界経済への影響も懸念され、グローバル物流の先行きに不透明感も意識されている。また、ゼロコロナ政策に伴う中国経済の減速も警戒されるところで、中国景気と連動しやすいバルチック海運指数は、4月4日時点で8日続落し、3月7日以来約1カ月ぶりの水準まで下落、これも株価の上値を重くしている。
■東京エレクトロン <8035> 58,370円 -2,200 円 (-3.6%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>、レーザーテック<6920>がいずれもウリ気配スタートとなるなど、半導体製造装置関連株に売りがかさむ状況となっている。前日の米国債券市場では米10年債利回りが急上昇し、取引終了時点で2.55%台に水準を切り上げた。これを受け米国株市場ではハイテクセクターに下げ圧力が強く意識され、半導体関連株にも幅広く売りが及ぶ形となった。半導体製造装置のトップメーカーであるアプライド・マテリアルズ<AMAT>は6%近い下落をみせており、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も4.5%安と急落した。東京市場にもこの流れが波及し、同関連の主力銘柄には目先利益確定を急ぐ動きが顕在化している。
■日経レバ <1570> 14,175円 -445 円 (-3.0%) 本日終値
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が急落。時価は中長期上昇トレンドの分水嶺である75日移動平均線近辺での攻防となっている。日経平均株価に連動するように組成されたETFで、価格変動率が日経平均の2倍に基本設定されていることで、ボラティリティの高さが特徴となっている。前日の米国株市場で長期金利上昇を嫌気してハイテク株への売りがかさんだことを受け、東京市場でも主力銘柄中心に利益確定売りが表面化した。一時、日経平均は400円を超える下げをみせており、日経レバもこれに連動する動きとなった。売買代金は全市場を通じて群を抜いている。
■トヨタ自動車 <7203> 2,190円 -27.5 円 (-1.2%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>は小安い展開ながら、全体地合い悪のなかで底堅さを発揮している。米国ではインフレ警戒感が強まるなか、FRBのブレイナード理事をはじめFRB高官のタカ派発言が相次いでおり、米長期金利が急上昇している。一方、国内では日銀が指値オペで長期金利の上昇を抑えるなど、超金融緩和政策を維持するスタンスを示しており、日米金利差を背景に外国為替市場ではドル買い円売りの動きが活発化している。足もと1ドル=123円台後半まで円安が進行、輸出比率の高い自動車セクターにとっては為替メリットが意識される状況にある。
■ピアズ <7066> 651円 +100 円 (+18.2%) ストップ高 本日終値
ピアズ<7066>がストップ高。同社はきょう、子会社のXEROが複数のフードデリバリーサービスを一括管理するシステム「ZEROデリバリー」の提供を開始したと発表しており、新たな買い手掛かりとなったようだ。このシステムは、XEROが手掛けている次世代型クラウドサービス「ZEROレジ」の新機能として提供するもの。複数のデリバリーサービスの注文受付を一括に統合できるほか、ハードウエア連携や細かなデータ分析、メニューの一元管理機能も備えている。
■セカンドX <5028> 4,590円 +700 円 (+18.0%) ストップ高 本日終値
セカンドサイトアナリティカ<5028>の上げ足が鮮烈、週明け4日にグロース市場に新規上場した直近IPO銘柄だが、セカンダリーでも個人投資家とみられる短期資金が集結し一気に株価水準を切り上げている。市場では「マシーンラーニングやディープラーニングの活用を看板とする人工知能(AI)関連の塊のような銘柄で、ビジネスモデルが時流に乗っている。需給先行で買われている部分は否めないが、戻り売り圧力がないのは強み。将来の成長を買うテーマ物色の流れで、為替や原油などの外部環境に左右されにくい点も資金が誘導されやすい」(中堅証券ストラテジスト)としている。公開価格は1390円で時価は既にそこから3倍以上の水準に値上がりした。
■ランサーズ <4484> 438円 +60 円 (+15.9%) 本日終値
ランサーズ<4484>は新値追い。5日の取引終了後、フリーランスがビジネススキルを商品化できる「パッケージ方式」のサブスクリプション版の提供を開始したと発表しており、これが好感された。同社は、個人と企業をオンラインでマッチングする受発注プラットフォームを運営。「パッケージ方式」のサブスクリプション版では、従来のスポット契約に加えて、3カ月契約、6カ月契約を選択することが可能。これにより、仕事を受注したフリーランスは長期的に仕事を確保でき、クライアントは仕事を依頼する際の契約フローの工数を抑えることができるため、より柔軟な仕事の受発注が可能になるという。
■富士石油 <5017> 297円 +27 円 (+10.0%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位
富士石油<5017>が大幅続伸。石油業界の再編に絡む思惑からの買いが流入している。中堅石油精製会社である同社の筆頭株主となっている旧村上ファンド系投資会社「シティインデックスイレブンス」は、コスモエネルギーホールディングス<5021>の大株主にも浮上したことが5日に判明した。コスモHDの場合、先月にアブダビ政府系ファンドが保有するコスモHD株式の売却を実施し関心を集めていた。今回、両社の大株主に旧村上ファンド系投資会社が登場したことから業界再編に向けた思惑が浮上している。
株探ニュース