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【市況】来週の相場で注目すべき3つのポイント:FOMC議事録、安川電機決算、ウクライナ情勢など

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

■株式相場見通し

予想レンジ:上限28000-下限27000円


来週の日経平均は神経質な展開か。週明け4日から新市場区分がスタートする。一方、相場のリバウンド基調が一服してきたなか、週半ばには連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の公表を控え、内容を見極めたいとの思惑が強まりそうだ。今月下旬からの3月期企業の本決算シーズンを前に模様眺めムードも漂いやすく、積極的な買いは入りづらい。他方、新年度入りに伴うニューマネー流入期待や、4月は海外投資家の買い越し傾向が多いというアノマリーが下支え要因として働きそうだ。


今週の日経平均は終値で一度も200日移動平均線を上回ることなく、同線に頭を抑えられ続けた結果、週末にかけて下放れ、急速リバウンドの一服感が鮮明となった。3月中に一気に3000円超も回復した結果、ここからの一段の上昇には新規の材料が必要だ。今月下旬からは企業の本決算シーズンが始まる。ウクライナ情勢を巡る不透明感、半導体不足、インフレ懸念などがくすぶるなか、市場予想比で弱い見通しが公表されるガイダンスリスクが懸念される。週末には製造業決算の先駆けとなる安川電機<6506>の本決算が一足先に発表予定。内容を見極めたいとの思惑から模様眺めムードが広がりそうだ。


そのほか、6日にはFOMC議事録(3月開催分)が公表予定で注目だ。3月FOMCでは早ければ次回5月会合での量的引き締め(QT)の開始や、来年末までに景気を冷やしも過熱させもしない中立金利を超える水準にまで政策金利を引き上げることなど、総じてタカ派な見通しが示された。その後、連邦準備制度理事会(FRB)高官らからは、複数会合での0.5ptの大幅利上げも辞さない姿勢が相次いで示された。また、週末に発表された3月米雇用統計では労働市場の逼迫や賃金の高い伸びが示され、FRBの引き締めを正当化する内容となった。市場では5、6月会合での0.5ptの利上げの織り込みも進んでいるため、議事録が大きな波乱に繋がるとは考えにくいが、QTに関するヒントを得ようと、様子見ムードが広がりやすいだろう。


個別では、配当落ち日を過ぎたことで足元軟化している商社株に注目。エネルギー・非鉄金属市況の需給逼迫の長期化が見込まれるなか、商社株はガイダンスリスクが小さい業種でもあり、本決算時には追加の株主還元策なども期待される。グロース(成長)株は米長期金利の上昇が一服していることは下支え要因も、FOMC議事録公表を控え、上値の重い展開が続きそうだ。一方、今週末にかけて相対的に強い動きが見られたマザーズ指数は底打ち感が強まってきている。決算シーズン前に大型主力株が手掛けにくいなか、新興市場を中心とした中小型株に物色が向かいやすい地合いとなりそうだ。


■為替市場見通し


来週のドル・円は底堅い値動きか。日本銀行による緩和政策維持などを背景に、ドル高円安の基調は維持されそうだ。ドル・円は3月最終週に2015年8月以来となる125円台に一時上昇した後、高値警戒感から行き過ぎた円安を巻き戻す動きが強まった。


ただ、米国の主要経済指標は引き続き堅調。高インフレが懸念されているものの、雇用は改善しており、持続的な景気回復への期待は残されている。米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締め観測が期待され、ドル買い・円売りは継続するとみられる。また、日銀の黒田総裁は円安のメリットを強調し、金融緩和の継続や指値オペなど円安誘導を継続している。日本政府は為替相場の急激な変動について懸念を表明したが、日米金利差の拡大を想定して、ドルは対円で下げづらい状態が続くとみられる。


なお、一部の市場参加者は原油相場の行方に注目している。ウクライナ和平への期待感が広がるものの、ロシアへの制裁は継続するとみられ、商品価格の高止まりが予想される。原油価格の高止まりによって米国経済の減速が再び警戒された場合、リスク回避的な円買いが一時的に強まる可能性は残されている。


■来週の注目スケジュール

4月4日(月):日・新市場区分スタート、日・セカンドサイトアナリティカが東証グロースに新規上場、米・製造業受注(2月)など
4月5日(火):日・家計支出(2月)、日・欧・米・サービス業PMI(3月)、米・ISM非製造業景況指数(3月)など
4月6日(水):中・財新サービス業PMI(3月)、欧・ユーロ圏生産者物価指数(2月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(3月15-16日会合分)、米・「ビットコイン2022」(9日まで)など
4月7日(木):日・東京オフィス空室率(3月)、米・セントルイス連銀総裁が講演、米・テスラ「サイバーロデオ」のイベントなど
4月8日(金):日・景気ウォッチャー調査(3月)、決算発表→安川電機、日・消費者態度指数(3月)、米・卸売在庫(2月)など
4月10日(日):仏・大統領選第1回投票(決選投票の場合は24日)

《YN》

 提供:フィスコ

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