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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─"ウクライナ危機後"を先取り始めた株式市場

株式アドバイザー 北浜流一郎

「“ウクライナ危機後”を先取り始めた株式市場」

●転機となった3月の流れを引き継げるか?

 4月相場がスタートした。昔は新年度相場入りするとかなり気合いが入り、大抵は上昇して始まったものだが、近年は初日だからといって特に盛り上がることもない。淡々とスタート――こんな感じになる。

 しかし、4月の1カ月間ということになれば、話は違ってくる。4月相場は上昇するケースが多い。ただ、昨年はそうならなかった。昨年4月の日経平均株価は月初2万9441円であったものが月末には2万8812円となり、小幅マイナスで終わった。

 では、2020年はどうだったか。月初の1万8686円が月末には2万0193円となり、かなり上昇したといえる。2019年は月初2万1500円が月末2万2258円とこれまた上昇している。

 そして2018年。月初2万1441円が月末2万2467円と小幅ながら上昇。この調子で過去を遡っていくと切りがないが、2017年、2016年はほぼ保ち合い、2015年は上昇、2014年は小幅下落、2013年は上昇、2012年は小幅下落……。

 以上のようになっているが、注目したいのは、その後上がるにしろ下がるにしろ、4月が転機の月になっていることが多い点だ。

 今年は上昇、下落、どちらに切り替わるのか。実は今年は3月が切り替わりの月になったといえる。そのため、4月はそれを引き継げるか否かが問われることになる。

 どちらになりそうか。

・ウクライナ危機は去っていない
・インフレもまだ進行中である
・米金融政策はインフレ阻止のために引き締めに転じている

 いまは以上の3つの懸念材料が行く手に立ちふさがったままだ。これでは3月に上向きに切り替わった市場の流れを4月はキープできない――こんな見方もあろう。確かにウクライナの危機的な状況自体は去っていないが、内外市場はそれを懸念しつつも、ウクライナ危機後の相場を先取りし始めているように見える。

●中小型成長株の見直しが本格化へ

 というのも、東京市場で、売り込まれていた中小型成長株を見直す動きが見られるからだ。

 それらは収益が好調ながら、多くが問答無用ともいえるような売られ方となっていた。しかし、足元では下げに歯止めがかかるばかりか、浮上に転じ始めた銘柄が続出している。

 注目銘柄はそんな銘柄の中から、まずは日本M&Aセンターホールディングス <2127> だ。過去の不適切会計処理が発覚し株価は急落したが、関与した80人以上、経営陣への処分も終わったことで、株価は復調が見込める。 M&A事業自体は順調この上ないからだ。

  オンライン診療システムの提供で知られるメドレー <4480> [東証M]も下げ続けた。しかし、この会社のメイン事業はヘルスケア領域向け人材紹介だ。いまは同事業が好調なうえ、オンライン診療システムの導入先が増加しており、株価はもっと見直されてよい。

 ロボアドバイザーを活用した資産運用サービスを提供しているウェルスナビ <7342> [東証M]も徹底的に売られた。利用者は増加を続けているものの、まだ業績が赤字であるからだろう。だが、一部調査機関では22年12月期は黒字転換を見込んでいる。足元で株価は急反発しているので、少し下げる場面もあろうが続伸力は強いと考えられる。

 これまた目先少し高いものの、中小企業向け助成金診断システムや労務コンサルに強いライトアップ <6580> [東証M]も株価が目を覚まし始めたところ。ちょい下げを待って投資を考えたい。

青果物のネット販売に強いオイシックス・ラ・大地 <3182> も、配送センターのトラブル解消で平常運転に戻っているため、収益好転が見込め、株価は緩やかな浮上が見込める。

 最後にドローン専業企業のACSL <6232> [東証M] を。政府は今後、 ドローン事業を支援する方針を明確にした。この会社にとっても当然、事業拡大要因となる。

2022年4月1日 記


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