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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「急騰後の調整、様子見も」

株式評論家 富田隆弥

◆さて、4月新年度に入った。株式市場は年金やファンドなどニューマネーが流入しやすく、また4日から東京証券取引所の新市場(プライム、スタンダード、グロース)スタートに伴う指数連動型ファンドの買いも想定されるので堅調な展開を期待したい。ただ、その前にスピード調整をどこで終えるのかがポイントになる。

日経平均株価は3月25日まで9日続伸、2カ月ぶりとなる高値2万8338円をつけて、日足は一気に節目の200日移動平均線や52週移動平均線に差し掛かった。短期テクニカル指標の過熱もあってその後はスピード調整に転じ、3月30日は前日比225円安、31日は205円安と続落(3月31日時点)。75日移動平均線水準(同2万7474円)を下値にほどよいスピード調整とも言えそうだが、3月9日につけた安値2万4681円から短期間に3600円も上げたことを踏まえると、スピード調整をもう少し続けてもおかしくない。

◆ちなみに、3月の急騰は昨年9月の急騰と酷似する。9月といえば3月決算企業の中間期末にあたる。21年2月高値3万0714円から6カ月目の8月に2万6954円で底打ちして、9月14日の高値3万0795円まで短期間に約3800円も上げ、サイコロジカルラインは11勝1敗(91%)をつけた。そして、その後は10月6日の安値2万7293円までわずか3週間で約3500円も下げ、チャートは"釣鐘"型を描いて「往って来い」となった。

◆3月は年度末。昨年9月高値から6カ月目の3月9日に2万4681円で底打ち、そこから2万8338円まで短期間に約3600円も上げ、サイコロジカルラインは10勝2敗をつけた。4月は新年度入りでもあり、ここから「往って来い」となる急調整は想定しづらいものの、注意は怠れない。

◆泥沼化するウクライナ情勢、高騰する資源・食料品価格、強まるインフレ、感染拡大の第7波が警戒される新型コロナウイルス、伸び率の鈍化が想定される企業業績など、いま株式市場を取り巻く懸念要因は少なくない。日経平均株価が200日移動平均線(3月31日時点2万8255円)を突破するなら上値追いの展開に入るが、それを確認するまではスピード調整がどこまで続くのか見極めも必要だろう。

(3月31日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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