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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─株式市場は上がりたがっている!

株式アドバイザー 北浜流一郎

「株式市場は上がりたがっている!」

●総悲観の中でも買い意欲は生きている

 世界はいま有史以来、初めての戦争に直面している。核兵器が実際に使用される可能性が極めて高い戦いだ。

 改めて書くまでもなく、核兵器はすでに第二次世界大戦で日本に投下されている。だが、当時は秘密裏に開発され、予告もなしに都市に投下された。

 しかし今回、ロシアは戦術核の使用をチラつかせながらウクライナへの侵攻を進めており、それによりウクライナを支援する西側諸国の軍事介入も防いでいる。

 怖いのは、西側諸国が実際に部隊を派遣し攻撃を加えた場合、プーチン大統領は迷うことなく「核のボタン」を押す可能性が極めて高いことだ。残念ながら、こんな為政者の蛮行を止められる速効力のある方法はないに等しい。結局は、現在実行している各種の対ロ制裁をさらに強化していくしかない。

 そのため、市場には諦観が広がっているものの、一方で「上がりたがっている」「反発したがっている」現象も見られる。

 それは、3月10日の株価反発だ。日経平均株価は一時1000円を超えて上昇、引けも972円高となった。前日の米国市場で原油先物価格が急落する一方、NYダウが653ドル高(+2%高)するなど主要株価指数が反発したことを受けた動きだったが、日経平均株価の上昇率は3.94%とNYダウの約2倍に及んだ。

 これは明らかに、買い手掛かりとなるような材料の出現を待っていた――こんな買いだったと見てよい。

 ただ、残念なことに上げ幅が大きすぎて、週末は早速待ってましたとばかりの戻り売りで反落してしまったが、大事なのは買い意欲が生きていること、これになる。

 それはそうだ。自由主義陣営が、独裁者が支配する専制主義陣営に屈するとは誰も信じていないからだ。

●ロシア侵攻が日本に突きつけたもの

 それに、投資対象銘柄にも興味ある変化がみられるようになっている。ウクライナの現状を見ると、他国の侵略を受けた場合、友好国であっても様々な事情から武力で援護できないことも分かった。

 では、日本はどうすべきか。答えは明らかだ。防衛力の強化。これが不可欠になる。

 市場はすでにそれに気づき始めているため、注目銘柄はまずは防衛産業で総合首位の三菱重工業 <7011> になる。水陸両用飛行艇を製造している新明和工業 <7224> も今後、需要増が見込めるとみてよい。

 防衛省向け各種表示装置に強い日本アビオニクス <6946> [東証2]も株価は低迷中ながら、少し時間をかける投資なら特に問題はない。

 防衛用火薬類の弾頭炸薬、ミサイル填薬、砲弾填薬などを製造する日油 <4403> も株価は低迷しており、時間をかけられる投資に向く。

 防衛関連から他に目を転じると、MonotaRO <3064> がある。工場・工事用間接資材のネット通販に強い会社だが、経済の回復基調とともに収益が堅調に伸びているだけに、さらなる高値が見込める。

 収益に問題はないのに、大きく売り込まれてしまったKeePer技研 <6036> はカーコーティング材料の販売だけでなく、コーティングサービスも好調なことを考えると、株はいまが拾い場と見てよい。

2022年3月11日 記

株探ニュース

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