【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─下げ相場に抗う、"再起力"の強さに勝機!
株式アドバイザー 北浜流一郎
「下げ相場に抗う、“再起力”の強さに勝機!」
●「銘柄バトル」の結果が示唆するもの
残念ながら最近明るい話を聞かなくなった。これは東京市場が年初2日間上げた後は失速、しかも大幅安を交えての下落となって、今週末もそれが止まらなかったため、と見てよい。
そこで気分転換のために、私の身近の明るい材料を紹介しよう。
私は毎年年末に知り合いの証券関係者たちと忘年会を開催しているのだが、一昨年はもちろん、昨年も開催を見送らざるを得なかった。
しかし、参加者が自信のある注目株を披露し合う「銘柄バトル」は続けている。
昨年は日経平均株価が前年比で4.9%しか上昇しなかったため、「参加者も苦戦したか?」と思われたが、そうはならなかった。
上昇率のベスト5を紹介すると、中堅証券アナリストのS氏の挙げたブシロード <7803> [東証M]が上昇率94.3%、準大手証券M氏のJIG-SAW <3914> [東証M]が67.4%、準大手証券チャーチストM氏のビザスク <4490> [東証M]が59.6%、株式評論家・岡本昌巳氏のサンバイオ <4592> [東証M]が53.1%、準大手証券チャーチストS氏のガンホー・オンライン・エンターテイメント <3765> が35.1%上昇し、それぞれ好成績を叩きだした(上昇率は20年大納会終値から21年の年間高値までで算出)。
つまり、投資環境は芳しくなくても、個別銘柄勝負ならかなりの成果が上がったことになる。
そこで、今年のバトル銘柄も紹介しておこう。
岡本昌巳氏 アンジェス <4563> [東証M]
雨宮京子氏 日産自動車 <7201>
エンゾー氏 戸田工業 <4100>
コロ氏 プロジェクトカンパニー <9246> [東証M]
そのほか、次のような銘柄がエントリーしている。Kudan <4425> [東証M]、コムチュア <3844> 、ハーモニック・ドライブ・システムズ <6324> [JQ]、純銀上場信託(現物国内保管型) <1542> [東証E]、シンプレクス・ホールディングス <4373> 、旭化成 <3407> 、メルカリ <4385> [東証M]、JDSC <4418> [東証M]、エムアップホールディングス <3661> など。
これらの中からこれまで同様、大化け株が出現する可能性があるので、私も1年後がいまから楽しみだ。
●25日線で踏みとどまった銘柄に注目
確かにいまのところ市場環境は、米国の金融政策の大転換を警戒して最悪だ。しかし、22年相場は始まったばかりなのだ。
それに米国市場だけでなく東京市場も、概ね年初は軟調でも年末には高く引けている(そうならないこともこの10年に1回だけあった)。この点を考えると、市場は年末にかけて今年も回復に向かう可能性が高いと見てよく、ここで改めて目を向けたいのは、米金融政策の大転換に対する警戒感が強い中で、下げはしたものの、25日移動平均線で踏みとどまった銘柄だ。
それらは結果的に適度な押しを入れた形になっており、再起力も強いと見てよい。
具体的には、まずは自動車用 プリント配線板に強いメイコー <6787> になる。
プリント配線板に塗り絶縁膜を形成する特殊インキで世界首位の太陽ホールディングス <4626> も、現在水準から下げたとしても小幅で済むと見てよい。金型・航空機向けマシニングセンタに強い牧野フライス製作所 <6135> も地味な値動きながら、緩やかながらさらなる高値が込める。
マシニングセンタ関連では、OKK <6205> も魅力的な状況になる。この銘柄は25日移動平均線に近づくほど下げているわけではなく、逆に新高値を付けているのだが、業績不振が続き、日本電産 <6594> の傘下に入ることになった。これが株価支援材料になる。
半導体製造装置向け継ぎ手や免震装置で高い技術を持つ日本ピラー工業 <6490> もそろそろ反発してもおかしくない状況にある。
設備投資関連株が多くなってしまったので、他分野へも目を向けておくと、ペースメーカーなど医療用機器輸入商社の日本ライフライン <7575> になる。
2022年1月14日 記
株探ニュース