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【市況】国内株式市場見通し:注意継続も、ハイテク・グロース売りの目先一巡に期待

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

■金融引き締め懸念再燃で軟調継続

今週の日経平均は週間で354.28円安(-1.24%)と大幅続落。2週連続で陰線を形成し、26週移動平均線も大幅に下回った。

祝日明け11日は、米12月雇用統計が労働需給の引き締まりを意識させる内容となり、連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めへの警戒感が一段と広がるなか、米10年物国債利回りが一時1.8%とおよそ2年ぶりの高値を記録したこともあり、日経平均は256.08円安と大きく下落。一方、12日の日経平均は543.18円高と大幅反発。FRB議長の再任指名に関する公聴会でパウエル議長の証言は段階的な金融緩和縮小を示唆し、一段と懸念を強めるものではなかったことから警戒感が後退。金利が低下に転じたことでハイテク・グロース(成長)株を中心に買い戻された。しかし、週後半の日経平均は13日に276.53円安、14日に364.85円安と再び大きく下落した。

米12月の消費者物価指数(CPI)は39年ぶりの高い伸びとなったが、市場予想並みだった。また、米12月の卸売物価指数(PPI)は前月比では伸びが鈍化。これを受けて米長期金利は低下したが、この間、複数のFRB高官から年3~4回の利上げやバランスシートの縮小(QT)に前向きな発言が出たほか、ハト派とされてきたブレイナード理事も、FRB副議長への指名に関する公聴会で利上げに意欲を示したことから、金融引き締めへの警戒感がくすぶった。また、日銀がインフレ目標2%を達成する前に利上げ開始できるか議論しているなどと報じられたことも投資家心理の悪化につながったようで、14日の日経平均は一時28000円を割り込んだ。ただ、日銀による上場投資信託(ETF)買いへの思惑もあり、下げ渋ると28000円は回復して週を終えた。

■FOMC前に神経質な展開

来週の日経平均はもみ合いか。翌週25日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に動きづらいなか、引き続き金利動向に注意は必要も、年明け以降の金融引き締めを巡る過度な動きは一服してくると予想。日経平均は今週末に一時28000円割れを見たこともあり、目先は下値を固める展開を想定する。

昨年12月開催分のFOMC議事録が公表されてからグロース売りが続いている。しかし、公聴会でのパウエル議長の証言は一段と金融引き締め懸念を強めるものではなかった。市場が警戒するバランスシートの縮小(QT)は年後半からとしたほか、QTの決定には2~4回のFOMCでの議論が必要と慎重な言及もあった。米国の12月CPIおよびPPIも概して市場予想に一致し、米10年国債利回りは10日に1.8%台を付けた後は目先のピークアウト感もある。その後、FRB高官らの相次ぐタカ派発言を受けて、10日に1.70%へ低下した後に今週末には再び1.8%を窺う動きとなっているが、この日のハイテク・グロースには押し目買いが入り、ナスダック総合指数が反発、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は大幅反発となった。こうした動きから、金融引き締めに対する織り込みは相当程度進んできたことが窺える。3月FOMCが近づく頃には再び金利が上値を試す展開も想定されるが、日米ともに決算シーズンに入ることもあり、金利を巡る過度な動きはいったん一服してくると予想する。

一方、FOMCに隠れてほとんど話題にならない日銀金融政策決定会合が17日から開催されるが、今回は注目したい。週末、東京市場では株式全般が大きく売り込まれたが、その背景には、FRBのタカ派を嫌気した前の日の米ハイテク株安だけでなく、日銀がインフレ目標2%を達成する前に利上げ開始できるか議論しているなどと報じられたことも影響したとみられる。海外に比べてインフレには程遠い日本でも利上げ議論となると、ネガティブサプライズであり、これが売りに拍車をかけた面もあろう。このため今回の金融政策決定会合には注目だ。

■ハイテク・グロース売り一巡のなか半導体に注目

個別では引き続き半導体に注目。台湾積体電路製造(TSMC)が13日に発表した決算は市場予想を上回ったほか、2022年の設備投資計画は昨年を大幅に上回る規模となった。半導体の需給逼迫は今年いっぱい続くとの声も多く、こうした半導体の強気の見通しをサポートする内容といえよう。年明け以降、多くのハイテク・グロースが急落した中でも、東京エレクトロン<8035>やSCREENHD<7735>などの関連株は上昇トレンドを継続しており、かなりの底堅さを見せている。目先のグロース売り一巡の流れのなかで、半導体関連は引き続き押し目を狙いたい。

また、強い実需を背景にトヨタ自動車<7203>やデンソー<6902>などの電気自動車(EV)関連の強さも際立つ。金利上昇一服による円高・ドル安への揺り戻しも起きているが、こちらも押し目は強気で臨みたいところ。逆に景気敏感・バリュー株への資金流入は目先は一服するとみられ、上値追いには慎重になりたい。

■日銀金融政策決定会合、米連銀景気指数など

来週は17日に日銀金融政策決定会合(~18日)、11月機械受注、中国10-12月期GDP、中国12月鉱工業生産、中国12月小売売上高、18日に黒田日銀総裁会見、米1月ニューヨーク連銀景気指数、19日に米12月住宅着工件数、20日に12月貿易収支、米1月フィラデルフィア連銀景気指数、米12月中古住宅販売、21日に日銀金融政策決定会合議事要旨(21年12月開催分)、12月全国消費者物価指数などが発表予定。

《FA》

 提供:フィスコ

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