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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「1月後半、ここからの調整は押し目買いも一策」

株式評論家 富田隆弥

日経平均株価は2万8000円台で乱高下しているが、チャート的には昨年8月から続く三角保ち合いの中での往来である。現在、その「三角」の上値抵抗線は2万9250円処、下値支持線は2万7850円処にあり、どちらに放れるかが当面の焦点である。ただ、三角保ち合いが2万8500円近辺で煮詰まるにはあとひと月ほどかかるので、もうしばらく「三角」の中でもみ合うことも想定される。

◆新春早々、トヨタ自動車 <7203>の快走が目立ち、1月13日現在、上場来高値を2422.5円に伸ばしてきた。2021年の自動車販売台数で世界トップの座を守り、電気自動車(EV)燃料電池車(FCV)戦略に対する評価も高い。とはいえ、時価総額で見ればトヨタ(39兆円)は1兆ドルを突破した米国テスラ<TSLA>の3分の1程度にとどまる。ならば、今年は時価総額でテスラを猛追するように、世界のトヨタの株価が右肩上がりで推移してもおかしくない。

◆ただし、右肩上がりであっても折に触れ調整は挟むだろう。1月4日に116円36銭の安値をつけた為替(ドル円)は13日夜に114円ちょうどまで円高に振れている。新型コロナウイルスのオミクロン型が世界で猛威を振るっており、生産(経済)活動に影響が出かねず、また米国では歴史的インフレで金利は上昇傾向にある。これらは日経平均株価やトヨタなど日本株にとって調整要因になることは否定できない。

◆今年の日本株は、金融相場の余韻もあり4月まで上昇基調を描くと見ている。1月に調整を挟んだあとは節分にかけて切り返す可能性があり、三角保ち合いを上放れると日経平均株価は3万円台で活躍することになろう。日経平均株価、トヨタ、その他の株もここからの調整は押し目買いが一策になると思われる。

(1月13日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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