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【市況】明日の株式相場に向けて=バリュー株ビッグウェーブは「鉄」に向かう

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 きょう(13日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比276円安の2万8489円と反落。前日は日経平均が540円あまりの大幅高を演じたが、今一つ戻り相場の流れに乗り切れない。前日の相場も同様だが、TOPIXより日経平均のボラティリティが高いのは先物に絡むインデックス売買の誘導があるためで、上がる時も下がる時も相場の実態とは相応の温度差がある。したがって、日経平均の動きをみて額面通りに一喜一憂するのはあまり意味がない。とはいえ、足もと全体相場は依然として北から吹く冷たい風に晒されているような状態だ。あすのオプションSQ算出を通過して地合いが変わるかどうかに期待したいところだが、今見えている外部環境を眺めた感じでは、過度な期待はできない。

 これまで相場を牽引していたハイテクセクターを中心としたグロース株が、バリュー株シフトの波に抗(あらが)い切れず軟調な動きを強いられていることから、投資マインドは盛り上がりにくい。基本的にグロース株が上昇しづらい地合いでは全体指数の上値も重くなる。半導体セクターではレーザーテック<6920>の動きを見れば一目瞭然だが、利益成長が約束されている戦略商品(同社の場合はEUV用半導体マスクブランクス検査装置)を持っていても、時価予想PERが130倍前後と高いことで、今の地合いでは売りのニーズが前面に押し出されてしまう。バリュー株シフトというのは、波の上下動ではなく紛れもなく大きな潮流であり、この流れに逆らってあまり良いことはない。

  脱炭素関連の高PER株もしかり、レノバ<9519>は洋上風力発電事業の公募漏れという具体的な悪材料があったが、12月下旬以降の苛烈な下げは、全体相場の流れに呑み込まれた感も否めない。脱炭素関連でレノバ同様にシンボルストック的位置付けにあったウエストホールディングス<1407>も見ての通りで“連れ安”というには、あまりに不条理な崩れ足となっている。脱炭素に関連する国策的な後押しが日々メディアで報じられているなかで、株式市場は聞く耳持たずの状況にある。これについては岸田政権が悪いわけではないが、財務省の傀儡的な増税内閣のイメージを持たれてしまっている時点で、「国策に売りなし」という相場の黄金格言すら用無しの状態となっている。

 しかし、だからと言って株式市場から撤退を考えるのは早計だ。個人投資家は機動的に個別株で勝負できるのが強みである。株式投資は人の行く半歩先を歩くことが必勝法だが、言うは易きで、そう都合よくコトは運ばない。相場をよく観察して、軌道修正を厭わず投資資金の流れ込む方向に素直に合わせていくのが、勝利につながる正しい選択肢といえる。

 市場関係者によると「ファンド筋などの機関投資家が高PERのグロース株を売って、バリュー株の比重を高める動きを進めている。歯車は逆回転を始めているという認識を持った方がよい」(国内中堅証券マーケットアナリスト)という。きょうの相場は如実にそれを指し示しており、鉄鋼株の上昇がその太い流れを暗示している。海運株は今なお究極のバリュー株だが少々買い疲れ感があるのは否めない。それに比べて鉄鋼株の相場はまだ新しい。ど真ん中ストレートであれば日本製鉄<5401>ということになるが、系列会社で電炉にも強い中山製鋼所<5408>が穴株妙味を内包している。中山鋼は今期の営業利益が前期比3.4倍化する見通しで、PER5倍、PBR0.3倍が放置され続けるとは考えにくい。

 また、非鉄セクターも合わせて注目となる。ニッケル価格の高騰で住友金属鉱山<5713>や大平洋金属<5541>が買われているが、ここは一捻りしてニッケル粉を手掛ける東邦チタニウム<5727>に注目。ニッケル粉はセラミックコンデンサー向けで高水準の需要があり、市況高騰でも同社はニッケル価格連動型で商品供給を行っているためコストを被ることはない。主力の金属チタンは米チタン加工会社タイメットの委託生産を引き受けたこともあって、業績急回復トレンドに入っている。このほか非鉄関連では、大紀アルミニウム工業所<5702>やフルヤ金属<7826>なども要マークだ。

 あすはオプションSQ算出日にあたるほか、12月の企業物価指数の発表、3カ月物国庫短期証券の入札、20年国債の入札などが行われる。海外では12月の中国貿易統計、韓国中銀による金融政策発表、11月のユーロ圏貿易収支、12月の米小売売上高、12月の米鉱工業生産・設備稼働率、12月の米輸出入物価指数、11月の米企業在庫、1月の消費者態度指数(速報値・ミシガン大学調査)など。(銀)

出所:MINKABU PRESS

最終更新日:2022年01月13日 17時20分

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