【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):ミネベア、カネカ、トヨタ
トヨタ <日足> 「株探」多機能チャートより
ミネベアミツミ<6479>が反発。きょう付の日刊工業新聞で「ミネベアミツミ傘下のアナログ半導体メーカー、エイブリック(東京都港区、石合信正社長)は、2025年度までに秋田事業所(秋田県大仙市)の半導体パッケージの生産能力を20~30%増やす」と報じられており、これが好材料視された。秋田事業所では半導体製造の「後工程」で封止作業などを担うが、ロボットや人工知能(AI)などを導入することで工程間搬送や検査を自動化し、生産性を高めるという。アナログ半導体の需要は拡大が見込まれるなか、人手不足がボトルネックとされていたが、自動化などでこれを解消し増産につなげるようだ。
■カネカ <4118> 3,790円 +50 円 (+1.3%) 本日終値
カネカ<4118>は3日ぶりに反発。同社は27日取引終了後、新型コロナウイルスのオミクロン株とデルタ株を同時に識別可能なリアルタイムPCR検査キットとして、「KANEKA RT-PCR Kit“SARS-CoV-2(Omicron/Delta)”」を22年1月7日に発売すると発表した。希望小売価格は税込み12万1000円(検査100回分)。カネカの遺伝子検査関連の技術を活用して開発した独自の試薬を用いており、オミクロン株に特徴的なスパイク蛋白質の2カ所の変異(E484A、N856K)と、デルタ株に特徴的な変異(L452R)を検出することで、オミクロン株、デルタ株を同時に識別する。オミクロン株の2カ所の変異を検出することによって、より高精度の検出が可能としている。
■トヨタ自動車 <7203> 2,133円 +25 円 (+1.2%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>など自動車株が買い優勢の展開。足もと外国為替市場でドルを買う動きが強まっており、1ドル=114円80~90銭ゾーンでの推移と急速にドル高・円安が進行、11月下旬以来の1ドル=115円台を試す動きにある。為替の円安が進めば輸出産業にとっては採算向上となるが、特に自動車セクターは為替感応度の高い業態で、円安に伴う為替メリットに期待した買いを引き寄せている。トヨタ、ホンダともに22年3月期の通期想定為替レートは1ドル=110円となっており、実勢はそこから5円近くも円安に振れていることから、収益上乗せに対する思惑が株価を刺激している。
■岡谷鋼機 <7485> 9,520円 +110 円 (+1.2%) 本日終値
岡谷鋼機<7485>が高い。27日の取引終了後、22年2月期の連結業績予想について、売上高を9000億円から9200億円(前期比21.0%増)へ、営業利益を190億円から200億円(同47.2%増)へ、純利益を150億円から170億円(同36.8%増)へ上方修正したことが好感された。主力の鉄鋼事業で、鋼材価格の上昇に加え、製造業向けを中心に鉄鋼需要が増加していることに加えて、情報・電機事業の非鉄金属部門で銅・アルミ価格の上昇に加え、家電製品用部材及び車載用部品が増加していることなどが寄与する。なお、第3四半期累計(3~11月)決算は、売上高7092億2200万円(前年同期比27.1%増)、営業利益171億3900万円(同82.8%増)、純利益154億9100万円(同68.7%増)だった。
■INPEX <1605> 1,020円 +10 円 (+1.0%) 本日終値
INPEX<1605>、石油資源開発<1662>など資源開発関連が堅調な動きをみせるほか、三菱商事<8058>、三井物産<8031>など大手商社株が総じて上昇している。荒い値動きの続いている原油市況だが、ここにきて再び上昇基調を強めており、前日のWTI原油先物価格は1ドル78セント高の1バレル=75ドル57セントと急伸、これを背景に米国株市場では石油メジャーでNYダウ構成銘柄でもあるシェブロン<CVX>が2%超の上昇をみせ、指数押し上げに寄与した。東京市場でもWTIの動向を横目に、原油市況高が商機につながる企業群の株価が刺激される形となっている。
■ソフトバンクグループ <9984> 5,258円 +38 円 (+0.7%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>は前日終値を小幅に上回る水準でもみ合っているが、日経平均が一時400円を超える上昇をみせ2万9000円台を回復するなかで相対的に上値の重さが目立っている。中国テック企業への政府当局による規制強化の動きなどが懸念材料として買いを手控えさせているほか、株式需給悪を嫌気する動きが根強い。「個人投資家が信用買い残を活用して同社株の下落過程で買い増す動きを続けたことで、それが上値の重石となっている」(ネット証券アナリスト)と指摘する。直近開示されている信用買い残は2155万株と減少傾向にあるとはいえ、信用倍率は14.4倍と大幅に買い長であることに変わりがない。水準的にも依然として2000万株を超えた状態に積み上がっており、今年5月ゴールデンウイーク明け後の急落前は1000万株を下回っていたが、そこから2倍以上に膨らんだことになる。11月に会社側では最大1兆円の自社株買いを発表しているが、株価へのポジティブインパクトは限定的となっている。
■Jフロント <3086> 986円 +7 円 (+0.7%) 本日終値
J.フロント リテイリング<3086>がしっかり。きょう付の日本経済新聞朝刊で、「住宅事業に参入する」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、都心に保有する遊休不動産などを賃貸マンションとして再開発するとあり、小売り頼みの収益構造の見直しを進めるとしている。
■アウトソーシング <2427> 1,366円 -269 円 (-16.5%) 一時ストップ安 本日終値 東証1部 下落率2位
アウトソーシング<2427>は大幅に3日続落。同社はきょう午前9時45分に、21年12月期第3四半期決算の公表を再延長すると発表。11月15日に第3四半期報告書の提出期限延長が承認されたが、その期限であるきょうも決算を発表できないとして、「提出期限延長(再延長)に係る承認申請書」を関東財務局へ提出したという。連結子会社における不適切な会計処理の疑いについてはきょう、第三者委員会に準じた調査委員会から調査報告書を受領できる見込み。一方、調査委員会から監査法人への影響額の共有においては遅延が生じており、監査法人による追加的なレビュー手続きに時間を要している状況から、延長承認を受けた提出期限までに第3四半期報告書の提出は困難であるとの判断に至ったとしている。
●ストップ高銘柄
エフ・コード <9211> 6,000円 +1,000 円 (+20.0%) ストップ高 本日終値
イメージ情報開発 <3803> 572円 +80 円 (+16.3%) ストップ高 本日終値
など、4銘柄
●ストップ安銘柄
レノバ <9519> 3,200円 -700 円 (-18.0%) ストップ安 本日終値
3DM <7777> 487円 -100 円 (-17.0%) ストップ安 本日終値
以上、2銘柄
株探ニュース