【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):ビジョナル、日立物流、日本CMK
ビジョナル <日足> 「株探」多機能チャートより
ビジョナル<4194>がストップ高。9日の取引終了後、22年7月期の連結業績予想について、売上高を377億円から410億円(前期比42.9%増)へ、営業利益を26億7000万円から60億円(同2.5倍)へ、純利益を17億6000万円から41億円(同2.9倍)へ上方修正したことが好感された。採用需要が想定よりも旺盛であることに加えて、求職者の新規登録やアクティビティが活発であることなどを背景に、主力のビズリーチ事業の成長が予想を上回るペースで進捗していることが要因としている。なお、第1四半期(8~10月)決算は、前年同期には連結決算を開示していないため比較はないものの、売上高95億7000万円、営業利益25億3600万円、純利益17億8000万円だった。同時に、子会社ビズリーチが経費精算クラウドシステムを提供するイージーソフト(東京都町田市)の全株式を3月1日付で取得し子会社化すると発表している。
■日立物流 <9086> 5,600円 +400 円 (+7.7%) 本日終値 東証1部 上昇率4位
日立物流<9086>が後場急騰し、年初来高値を更新。ブルームバーグがきょう午後0時40分に、「日立製作所<6501>が、保有する日立物流株の売却を含めた複数の選択肢を検討していることが事情に詳しい複数の関係者の話で分かった。」と伝えており、思惑的な買いが流入したようだ。記事によると、日立は保有している日立物流株のうち40%について、財務アドバイザーとともに関心がある売却先を模索しているとし、売却先の候補としてはプライベートエクイティー(PE、未公開株)会社や同業他社などが有力としている。
■日本CMK <6958> 610円 +37 円 (+6.5%) 本日終値 東証1部 上昇率5位
日本CMK<6958>が大幅高で3連騰、年初来高値を更新した。時価は約2年ぶりの高値水準でなお上値指向が強い。プリント配線板のトップメーカーで車載向けに高水準の需要を取り込んでおり、22年3月期は営業損益段階で18億円(前期実績は16億7600万円の赤字)と大幅な黒字転換が見込まれている。株式需給面では信用取組が大幅に売り長となっていることが注目され、3日申し込み現在で売り残は130万株を超えているのに対し、買い残は48万株に過ぎず、信用倍率は0.36倍と踏み上げ相場の素地を内包している。前週末3日に三菱UFJモルガン・スタンレー証券が同社の投資判断を「Neutral(中立)」から「Overweight(強気)」に引き上げ、目標株価も460円から600円に上方修正したが、時価は既にその新規目標ラインを突破している。
■凸版印刷 <7911> 1,920円 +98 円 (+5.4%) 本日終値 東証1部 上昇率6位
凸版印刷<7911>は大幅続伸。同社はきょう寄り付き前に、保有する上場有価証券1銘柄を9日に売却し、投資有価証券売却益1039億円が発生したと発表した。これに伴い、22年3月期第3四半期決算において特別利益を計上するとし、22年3月期の純利益予想を360億円から900億円(前期比9.8%増)へ上方修正した。
■オプテックスグループ <6914> 1,640円 +57 円 (+3.6%) 本日終値
オプテックスグループ<6914>が反発。岩井コスモ証券は9日、同社株の投資判断を新規「B+」でカバレッジを開始した。目標株価は1800円で設定した。同社はセンサーの総合メーカー。自動ドア用からFA用まで幅広く展開している。第3四半期累計(1~9月)の連結営業利益は前年同期比3.0倍の38億1600万円と同期間としての最高益を更新した。主力事業の伸長や昨年12月に買収したサンリツオートメイションなどが収益に寄与した。同証券では21年12月通期の連結営業利益は会社予想45億円に対して48億円(前期比2.3倍)への増額修正を見込んでいる。
■日本ハム <2282> 4,020円 +95 円 (+2.4%) 本日終値
日本ハム<2282>が続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が9日付で投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウエート」とし、目標株価を4700円から4800円へ引き上げたことが好材料視された。同証券では、加工食品の値上げと新庄監督効果によるプロ野球収入の増加などを想定し、23年3月期の事業利益予想を495億円から510億円へ上方修正した。PBR1倍割れの現株価は、原料高やDX費用増などによる今下期の業績モメンタムの悪化を織り込んでいると判断しているが、前述のカタリストによる来期業績を織り込む局面へのシフトを想定しているという。
■FRONTEO <2158> 2,378円 +48 円 (+2.1%) 本日終値
FRONTEO<2158>が反発。人工知能(AI)を活用したリーガルテック事業を主力とするが、自然言語解析AIなど独創性の高いAI技術を横展開してライフサイエンス分野などにも参入し、事業領域を広げている。9日取引終了後、医学論文探索AIソフトウェア「Amanogawa」で国内特許を取得したことを発表、これを材料視する買いを呼び込んだ。株価は11月中旬以降上げ足を加速、同月26日には5300円の上場来高値をつけていたが、その後は急反落を余儀なくされていた。しかし、今月6日にザラ場2112円で目先の底値を確認し下げ渋る動きを見せていた。
■豊田通商 <8015> 4,960円 +45 円 (+0.9%) 本日終値
豊田通商<8015>が反発。SMBC日興証券は9日、同社株の投資評価を「2」から「1」へ引き上げた。目標株価は5470円から5780円に見直した。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の出現によりアフリカ関連銘柄として同社の株価は急落したが、目標株価に対する上値余地が拡大したことから、投資妙味は高まったとみている。トヨタ自動車<7203>やデンソー<6902>と比べると株価は大きく出遅れており、トヨタの生産台数増加も好材料と指摘。同証券では22年3月期の連結純利益予想を1650億円から2070億円(会社計画1900億円)に増額している。
■日本エスコン <8892> 811円 +3 円 (+0.4%) 本日終値
日本エスコン<8892>は小幅高。正午ごろ、千葉県習志野市で倉庫として稼働中の物流施設を取得したと発表。同施設は、東関東自動車道「湾岸習志野IC」から約4.4キロメートル、京葉道路「幕張IC」から約3.5キロメートルの立地にある施設。同社では一定期間保有・運営した後、24年までに「(仮称)LOGITRES 習志野」の名称で物流施設の開発を行うとしている。
■アルフレッサ <2784> 1,615円 +6 円 (+0.4%) 本日終値
アルフレッサ ホールディングス<2784>が高い。同社は9日取引終了後、子会社であるアルフレッサとともに、しんようフォレストホールディングス(長崎県諫早市)及びその子会社で医療用医薬品などの卸売事業を展開する宮崎温仙堂商店(長崎県諫早市)と、資本・業務提携に向けた協議を開始すると発表した。九州エリアにおける事業基盤強化や大規模災害などの対応力向上を通じた企業価値向上を図る目的で、長崎県、佐賀県及び熊本県天草地方に事業基盤を有する宮崎温仙堂と、仕入れや物流・情報システムなどの提携に向けた協議を開始する。22年中の契約締結を目指し、具体的なスキーム・内容などは今後協議して決めるとしている。
株探ニュース