【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:富士電機、キーエンス、ソニーG
富士電機 <日足> 「株探」多機能チャートより
富士電機<6504>が大幅高で、年初来高値を更新した。同社は28日取引終了後に、22年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比3.1倍の162億9100万円となり、従来予想の115億円から上振れて着地。また、これまで未定としていた中間配当を45円(前期の中間配当は40円)にすると発表したことも好材料視されているようだ。売上高は同11.4%増の3976億8500万円(従来予想は4100億円)となった。部品調達難による影響を受けたものの、サプライチェーン最適化の取り組みなどから旺盛な需要に対応し、「発電プラント」を除く4部門で売り上げが増加。また、利益面では原価低減の推進や製品販売価格の値上げなどが寄与した。これを踏まえた通期業績予想は、売上高を9000億円(前期比2.7%増)と従来予想を据え置く一方、営業利益は600億円から670億円(同37.9%増)に引き上げている。なお、期末配当については未定としている。
■有沢製作所 <5208> 954円 +71 円 (+8.0%) 11:30現在 東証1部 上昇率3位
有沢製作所<5208>が大幅高、上値抵抗ラインとなっていた75日移動平均線を一気に上抜いてきた。同社はプリント基板向けなどに樹脂加工製品主体の電子材料を主力展開するが、足もとの業績は会社側の当初想定を上回り好調に推移している。28日取引終了後、22年3月期業績予想の修正を発表、最終利益段階で従来予想の21億円から27億円(前期比25%増)に増額した。従来見通しでは小幅ながら最終減益見通しにあったが、一転大幅増益予想となった。また、これまで未定だった年間配当は53円とし、前期実績に14円の上乗せとなる。これを評価する買いが集中し株価を押し上げている。
■セプテニHD <4293> 474円 +34 円 (+7.7%) 11:30現在
28日に発表した「電通グループと資本業務提携」が買い材料。
電通グループ <4324> と資本業務提携。
■キーエンス <6861> 67,910円 +2,680 円 (+4.1%) 11:30現在
キーエンス<6861>は急動意、全体相場に逆行し一時3700円を超える上昇で6万9000円台近辺まで上値を伸ばし、25日移動平均線を上放れてきた。同社が28日取引終了後に発表した22年3月期上期(21年4~9月)決算は、営業利益が前年同期比69%増の1974億1300万円と急増した。コロナ禍にあっても欧米やアジアなど海外での省力化・オートメーション化投資需要は旺盛で、同社が強みとするFAセンサーや制御機器が好調で収益に反映された。なお、22年3月期通期見通しについては非開示ながら、市場コンセンサスとしては営業利益で3600~3800億円前後が予想され、前期比3割強の大幅増益が見込まれる状況にある。
■小林製薬 <4967> 9,060円 +280 円 (+3.2%) 11:30現在
小林製薬<4967>は3日続伸し、9月27日以来となる9000円台を回復。同社は28日取引終了後に、21年12月期第3四半期(1~9月)連結営業利益が194億2600万円(前年同期比0.5%減)だったと発表し、通期計画260億円(前期比0.2%増)に対する進捗率は74.7%と順調であり、これが好感されているようだ。新型コロナウイルスの感染予防対策として除菌・衛生関連用品の需要が昨年に続いて見られ、国内では液体タンククリーナー「液体ブルーレット除菌EX」などが好調に推移し、東南アジア各国ではワクチン接種の際の発熱対策として「熱さまシート」の需要が高まったとしている。あわせて、100万株(発行済み株式総数に対する割合1.28%)もしくは80億円を上限とする自己株取得枠の設定も発表しており、これも好感されているようだ。取得期間は21年11月1日から22年6月23日まで。株主への利益還元と経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行できるようにするためとしている。
■マクセル <6810> 1,389円 +34 円 (+2.5%) 11:30現在
マクセル<6810>は4日続伸、一時6.1%高の1437円まで買われた。28日の取引終了後、22年3月期業績予想の上方修正を発表。営業利益を60億円から95億円(前期比2.5倍)へ増額しており、これが好感されているようだ。売上高予想も1250億円から1365億円(同1.8%減)へ引き上げた。上期において、前期からの反動減を予想していた民生用リチウムイオン電池が前年並みの実績となったほか、自動車・半導体関連製品の販売なども想定以上となり、これを踏まえて通期見通しを見直した。なお、同時に発表した上期(4~9月)決算は、売上高692億6100万円(前年同期比8.8%増)、営業利益61億4600万円(同7.4倍)だった。
■多木化学 <4025> 6,490円 +150 円 (+2.4%) 11:30現在
多木化学<4025>が反発している。28日の取引終了後、21年12月期の連結業績予想について、売上高を305億円から325億円(前期比7.7%増)へ、営業利益を16億5000万円から26億5000万円(同50.6%増)へ、純利益を15億円から19億円(同21.8%増)へ上方修正し、あわせて期末一括配当予想を45円から50円(前期45円)に引き上げると発表したことが好感されている。生産調整が続いていたスマートフォン向け高純度酸化タンタルや、新型コロナウイルス感染症により一時的に需要が低迷した自動車関連セラミック繊維向け高塩基性塩化アルミニウムの販売数量が回復したことに加えて、海外原料市況の上昇に伴う肥料の値上がりを見越した駆け込み需要が見込まれることなどが売上高・利益を押し上げる見通しという。なお、第3四半期累計(1~9月)決算は、売上高233億9200万円(前年同期比8.4%増)、営業利益19億8200万円(同83.0%増)、純利益14億2300万円(同44.9%増)だった。
■建設技術研究所 <9621> 2,713円 +62 円 (+2.3%) 11:30現在
建設技術研究所<9621>が4日ぶりに反発している。28日の取引終了後、21年12月期の連結業績予想について、売上高を670億円から740億円(前期比13.5%増)へ、営業利益を49億円から62億円(同21.9%増)へ、純利益を33億円から41億円(同12.3%増)へ上方修正したことが好感されている。国土強靱化基本計画の推進などを背景とした好調な受注に加えて、業務単価の上昇や生産の効率などが寄与し国内建設コンサルティングの業績が堅調に推移していることが要因。また、海外建設コンサルティング事業で英子会社の業績が回復傾向にあることも寄与する。
■ゼンリン <9474> 1,049円 +24 円 (+2.3%) 11:30現在
ゼンリン<9474>が高い。28日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、営業利益を17億円から23億円(前期比60.2%増)へ、純利益を13億円から21億円(同68.3%増)へ上方修正したことが好感されている。上期売上高は予想より好調に推移した一方、世界的な半導体不足によるカーメーカーの生産調整の影響などを考慮し売上高は582億円(同1.7%増)の従来見通しを据え置いたものの、営業活動の効率化や生産性向上の取り組みによる費用低減効果などが利益に寄与する見通し。
■オムロン <6645> 10,760円 +220 円 (+2.1%) 11:30現在
オムロン<6645>が反発している。28日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を7000億円から7800億円(前期比19.0%増)へ、営業利益を700億円から980億円(同56.9%増)へ、純利益を480億円から655億円(同51.2%増)へ上方修正し、あわせて年86円としていた配当予想を中間・期末各46円の92円(前期84円)に引き上げると発表したことが好感されている。電気自動車や半導体、二次電池、食品包装を中心とした好調な設備投資を背景にIAB(制御機器事業)が従来予想を上回る大幅な増収増益となる見通しであることが牽引役となる。また、グローバルでの電子部品需要の拡大を捉え、EMC(電子部品事業)の従来予想を上回る大幅な増収増益を見込むとしている。なお、第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高3693億5100万円(前年同期比22.6%増)、営業利益457億2700万円(同85.0%増)、純利益325億3100万円(同69.5%増)だった。同時に、上限を330万株(発行済み株数の1.64%)、または300億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視されている。取得期間は21年10月29日から22年4月28日までで、株主還元の充実を図ることが狙いとしている。
■ソニーグループ <6758> 13,155円 +260 円 (+2.0%) 11:30現在
ソニーグループ<6758>が大幅高で3日ぶりに反発している。28日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を9兆7000億円から9兆9000億円(前期比10.0%増)へ、営業利益を9800億円から1兆400億円(同8.9%増)へ、純利益を7000億円から7300億円(同29.1%減)へ上方修正したことが好感されている。音楽事業におけるモバイル機器向けゲームアプリの売り上げ増加やアニメ事業のライセンス収入の増加、音楽出版におけるストリーミングサービスの伸びなどが貢献するほか、米クランチロール買収効果も売上高・利益を押し上げる見通し。また、デジタルカメラ向け及び産業機器向けイメージセンサーが計画を上回ることも寄与する。なお、第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高4兆6262億円(前年同期比13.7%増)、営業利益5985億2700万円(同11.5%増)、純利益4249億3500万円(同34.8%減)だった。
■ダスキン <4665> 2,717円 +33 円 (+1.2%) 11:30現在
ダスキン<4665>が3日続伸。同社は28日取引終了後、22年3月期連結売上高が1592億円から1605億円(前期比4.4%増)へ、営業利益が70億円から84億円(同80.6%増)へ、純利益が57億円から72億円(同2.6倍)へ、年間配当は58円から73円(前期は40円)へ、当初の見通しを上回りそうだと発表しており、好感されている。ミスタードーナツ事業が第1四半期(4~6月)に続いて第2四半期(7~9月)も好調を維持し、下半期も概ね現在の状況が続くと予想されるため。配当は連結配当性向50%をめどに算出し、増額の見通しになったとしている。
■リクルート <6098> 7,511円 +86 円 (+1.2%) 11:30現在
リクルートホールディングス<6098>が頑強な値動きで最高値街道をまい進している。コロナショック急落後の昨年春以降は全体相場に関係なく一貫して下値を切り上げ続け、今年8月以降は上昇ピッチが加速、既に時価総額は12兆円を大きく上回り全上場企業を通じて第4位に食い込んでいる。総合人材サービス企業として日本を代表する存在だが、同社の収益成長エンジンとなっているのが求人情報検索エンジンの「インディード」だ。特に米国での成長が顕著で、市場では「米国ではアフターコロナ環境で求職・転職需要が高まりをみせるなか、それを追い風に(インディードの)売上収益の伸びが際立っている。“隠れナスダック銘柄”の位置付けで海外投資家の実需買い、ファンド組み入れの動きが続いている」(ネット証券アナリスト)という。
■武田薬品工業 <4502> 3,200円 +35 円 (+1.1%) 11:30現在
武田薬品工業<4502>は売り買い錯綜するなか、足もとは買いがやや優勢の展開となっている。同社は28日取引終了後に22年3月期最終利益予想の修正を発表、従来見通しの2500億円から1843億円に650億円あまりの減額となり、前期比5割減益となる見込み。しかし同日に、発行済み株式数の2.2%相当である3500万株、金額ベースで1000億円を上限とする自社株買いの実施も併せて発表しており、これが好感される形で株価は全般悪地合いのなかにあっても頑強な値動きをみせている。現在の同社の配当利回りは5.6%前後と高く、株主還元に積極的な姿勢で知られているが、今回の自社株買い発表もその流れにそって素直に評価されているもようだ。
■ノジマ <7419> 2,528円 -281 円 (-10.0%) 11:30現在 東証1部 下落率3位
ノジマ<7419>は前日比11.5%安の2487円まで下落し、年初来安値を更新。同社は28日取引終了後、22年3月期第2四半期(4~9月)連結純利益は97億6200万円(前年同期比74.5%減)となり、通期計画270億円(前期比48.9%減)に対する進捗率は36.2%にとどまったと発表しており、嫌気されているようだ。巣ごもり消費の落ち着きに加え、関東圏を中心に例年に比べて降雨量が多かったことから、エアコン販売が伸び悩み、冷蔵庫の販売も概ね横ばいにとどまった。また、キャリアショップ運営事業では将来を見据えた人材への投資や、営業力を高めるための店舗移転と改装を積極的に進めたとしている。
■エフアンドエム <4771> 1,985円 +400 円 (+25.2%) ストップ高買い気配 11:30現在
エフアンドエム<4771>がカイ気配を切り上げている。同社は28日取引終了後に、22年3月期通期の連結業績予想を修正。営業利益見通しを前期比61.7%増の19億7100万円(従来予想は11億2300万円)に引き上げたことが好感されているようだ。売上高の見通しも同31.8%増の107億5900万円(従来予想は99億6900万円)に上方修正。足もとで生命保険営業職員チャネルでの新規顧客獲得と、中堅中小企業向け管理部門支援サービス「エフアンドエムクラブ」の新規会員獲得が計画を上回って推移しているほか、人事労務クラウドソフト「オフィスステーション」シリーズの拡販が進んでいることに加え、緊急事態宣言の解除に伴って営業活動がより一層活発に行えることが主な要因だとしている。
●ストップ高銘柄
シーズメン <3083> 640円 +100 円 (+18.5%) ストップ高 11:30現在
など、2銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース