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【特集】横山利香「令和時代の稼ぎたい人の超実践! 株式投資術」― (12)トレンド継続の確認にも使えるRCIをマスターしよう

横山利香(ファイナンシャルプランナー、テクニカルアナリスト)

◆異色のオシレーター系指標であるRCI

 足元の株価、そして今後の動きを分析していくために、他のチャートを使って考えてみましょう。まず下段に表示されている「出来高」を「RCI」のチャートに変更しましょう。変更の仕方ですが、チャートの上にある設定項目の「指標 エリア2」欄にある「RCI」のラジオボタンを選択することで、表示を「出来高」から「RCI」に切り替えることができます。


●図2 TOPIX 多機能チャート RCI
【タイトル】

 「RCI(アールシーアイ)」は、「Rank Correlation Index」の頭文字を取った略称です。前回取りあげた「RSI」とともに、株価の過熱感を分析する際に利用するオシレーター系の代表的なテクニカル指標になります。「RCI」は順位相関係数とも呼ばれています。名称に「順位」が入っている理由は、算出に順位づけの概念を取り込んでいるからです。

 計算式を見るとわかりますが、日にちと価格の変動の関係を比較する時にランキング、つまり順位という視点を取り入れています。過去n日間において終値が高いものからランキングし、日にちは当日を1として過去にさかのぼってランキングします。RCIでは株価に順位をつけることで相場の動きや勢い、つまりモメンタムを取り入れているのです。

 RCIはRSIと同様に、株価が「買われすぎか」「売られすぎか」を分析するために利用することができます。ただ、名称はRSIと似ていますが、計算式を見ておわかりの通りまったく異なるテクニカル指標です。

 オシレーター系のテクニカル指標では、株価が上昇から下落に変化するタイミングや、下落から上昇に変化するタイミングを比較的早い段階でとらえることができます。そのため、株価が一定の幅(レンジ)で変動している「もみ合い(保ち合い)相場」や、株価が下落している時に一時的に上昇するリバウンド局面などで利用すると、売買サインが有効に機能しやすいといわれています。一方で、株価が一方向に動く上昇トレンドもしくは下降トレンドにある場合には、売買サインの信頼性は低くなるといわれています。

 RCIではランキングを利用することでこの弱点を改良し、オシレーター系のテクニカル指標でありながらトレンドが継続しているのかを分析できるようにしているのです。

▼RCIの計算式
RCI=<1-{6d÷n(n2-1)}>×100
d:日付の順位と価格の差を2乗し、合計した数値 n:期間

▼RSIについては、「令和時代の稼ぎたい人の超実践! 株式投資術」― (11)株価の急騰急落を分析する際に活用したいチャート分析」を参照ください。




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