【市況】今週の【早わかり株式市況】31年ぶり高値、急騰の反動警戒も新首相への期待勝る
日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより
■今週の相場ポイント
1.日経平均は4週連続で上昇、自民党総裁選を控え経済対策への思惑も
2.短期急騰の反動も警戒されるなか、下値では押し目買いが入り全体支える
3.週前半は買い優勢の地合いが続き、日経平均は31年ぶりの高値をつける
4.その後は米国株安や円高などを嫌気していったん調整も、週末に切り返す
5.週末は海運株や半導体関連が買われ、日経平均は170円強の上昇で着地
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比118円(0.39%)高の3万0500円と小幅ながら4週連続の上昇となった。
今週は自民党総裁選の告示を週末に控え、新首相のもとでの新たな経済対策などに対する期待感がプラスに働く一方、日経平均が短期間に急騰した反動も考慮され上値は重くなりやすい週だった。売り買いが交錯したが、週末に高く引けたことにより、前週末の終値を120円弱上回った。
週明け13日(月)は前週末の欧米株安を受け買い手控えムードが強かったが、終盤に急速に戻り足に転じ、2月16日につけた年初来高値に肉薄した。14日(火)も強調展開を継続し、3日続伸でついに年初来高値を更新。TOPIXに続いての31年ぶり高値で取引を終えた。15日(水)は前日の米株安や為替の円高進行を背景に利益確定売りが優勢となった。日経平均は8月30日から12営業日で3000円超の上昇をみせていたこともあってポジション調整の動きが表面化。中小型株中心に全体の8割の銘柄が下落しており、売り圧力の強い地合いだったといえる。16日(木)は朝方こそ買いが先行したが、その後は利益確定売りに押される展開。アジア株が軟調だったことも市場心理を悪化させ、日経平均はマイナス圏に沈み続落となった。そして週末17日(金)は前日の米国株市場で主要株指数が高安まちまちとなり、方向感がつかみにくかったが、主力株中心に押し目買い優勢に。自民党総裁選の告示日で、新総裁決定後の経済対策期待などへの思惑が全体相場に浮揚力を与えた。海運株や半導体関連株が買われ日経平均に寄与し、170円強の上昇で取引を終えた。
■来週のポイント
来週も新首相の経済対策への期待から上値が重いながら強調展開が続きそうだ。
重要イベントとしては、国内では21日-22日に開催される日銀金融政策決定会合や24日朝に発表される8月全国消費者物価指数が注目される。海外では21日-22日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)や24日発表の米国8月新築住宅販売件数、24日に行われるパウエルFRB議長の講演に注視が必要だろう。
■日々の動き(9月13日~9月17日)
【↑】 9月13日(月)―― 続伸、一時マイナス圏も終盤戻り足に転じる
日経平均 30447.37( +65.53) 売買高11億3544万株 売買代金 2兆8504億円
【↑】 9月14日(火)―― 3連騰、リスク選好継続で31年ぶりの高値圏に浮上
日経平均 30670.10( +222.73) 売買高13億3901万株 売買代金 3兆3450億円
【↓】 9月15日(水)―― 4日ぶり反落、米株安や円高で利益確定売り優勢
日経平均 30511.71( -158.39) 売買高12億0572万株 売買代金 3兆1502億円
【↓】 9月16日(木)―― 続落、朝高も買い続かず利益確定売り優勢
日経平均 30323.34( -188.37) 売買高12億6150万株 売買代金 3兆4660億円
【↑】 9月17日(金)―― 3日ぶりに反発、値頃感からの下値に買いが流入
日経平均 30500.05( +176.71) 売買高15億9933万株 売買代金 4兆3205億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、22業種が上昇
(2)郵船 <9101> 、商船三井 <9104> など海運が2週連続で値上がり率トップ
(3)原油高で出光興産 <5019> など石油が大幅続伸
(4)近鉄エクス <9375> など倉庫・運輸、大林組 <1802> など建設、キッコマン <2801> など食品といった内需株が総じて高い
(5)アドテスト <6857> など電機、コマツ <6301> など機械、トヨタ <7203> など自動車といった輸出株も堅調
(6)金融株は東京海上 <8766> など保険、新生銀 <8303> など銀行、ジャックス <8584> などその他金融が上昇も
SBI <8473> 、マネックスG <8698> など証券は下落
(7)日本製鉄 <5401> など鉄鋼、三井金 <5706> など非鉄は安い
(8)三井不 <8801> 、菱地所 <8802> など不動産は大幅反落
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(1) デジタルトランスフォーメーション
2(2) 半導体
3(88) アンモニア ────── “脱炭素”の号砲鳴り響く!「水素&アンモニア」最強の6銘柄
4(3) 再生可能エネルギー ── 風力促進区域に秋田県八峰町及び能代市沖を指定
5(4) 半導体製造装置
※カッコは前週の順位
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