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【特集】1%の誤差でサプライズ決算の予測に成功、コロナ禍で資産倍増させた技

目指せ億トレ、頑張り投資家さんの稼ぎ技 ごろんちゃんさんの場合-第1回

登場する銘柄
伊藤園優先株<25935>、ジョルダン <3710> 、PR TIMES <3922> 、ファーマフーズ <2929>

取材/富田祥平・真弓重孝、編集・構成/真弓重孝(株探編集部)

ごろんちゃんさん(ハンドルネーム・40代・男性・兼業投資家)
【タイトル】 日本株運用資産 約3000万円
累積投資元本 800万円
累積リターン 約2000万円
投資スタイル グロース(成長)重視
主な保有期間 1カ月~1年未満
保有銘柄数 11~20銘柄前後
投資開始年 2007年
他の投資対象 なし
自身の性格分析 めんどくさがり、頑固、
食わず嫌い。
株に関しては欲張り
好きな言葉 増収増益
ごろんちゃんさんとは:コンサルタント業のかたわら投資に取り組む兼業投資家さん。
投資を始めたのは『サラリーマンが株で一億円を稼ぐ!!』(マガジンハウス)という本
との出会いがきっかけだった。
5年ほど株式投資から離れる「冬眠期間」を経て2019年から再始動。
コロナ禍では本業の分析力を生かしたPR TIMES <3922> への投資で資産は
前年比2倍を達成し大成功を収めた。
現在はコロナ禍で始めた信用取引を活用し、積極的に投資に取り組んでいる。
趣味は将棋。

今回登場するのはコンサルタントを本業に、投資にも積極的に取り組む40代の兼業投資家、ごろんちゃんさん(ハンドルネーム、以下ごろんさん)だ。

投資を始めたのは2007年と今から14年ほど前からになるが、実質の投資歴はそれほど長くない。開始から数年は順調に資産を増加させていたが、本業が忙しくなったことで伊藤園優先株<25935>などわずかな保有銘柄を残して、5年ほどの"冬眠期間"を過ごした。

その後19年に保有銘柄がストップ高となっていることを知り、投資への意欲が再燃。投資に本腰を入れ始めた20年は、本業で磨いた企業分析力を武器にコロナ禍で資産を2倍に増やすことに成功する。

■ごろんさんの資産拡大のあゆみ
2007年 110万円を元手に株式投資をスタート
08~12年 SE(システムエンジニア)からコンサルタントへと転職。
前職の知識を生かしシンプレクス<4340>(上場廃止)
デジタルアーツ <2326>への投資で好成績
13年~18年 アベノミクス相場に乗りバンダイナムコホールディングス <7832>
の投資で大成功し、250万円近くの利益を上げる。
しかし仕事が忙しくなったことで伊藤園優先株<25935>と
株主優待目的のわずかな銘柄だけ残し、取引を控える「冬眠期間」に入る
19年~20年 優待目的で保有していたジョルダン <3710>
MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)関連で注目されストップ高と
なっていたことを知り、投資への意欲が再燃。
コロナ禍には本業のコンサルタントで磨いた分析力をPR TIMES
<3922>などへの集中投資で生かし資産2倍増
を達成するものの、
同時期に始めた信用取引では大ヤラレを経験してしまう。
現在 信用取引の仕組みなどを学び直し、投資への姿勢を再考した。
レバレッジを抑えるなど対策を取りつつも積極的に投資に取り組んでいる

5年というブランクがありながらもコロナ禍で好成績を残せた原動力は、本業であるコンサルタントで身につけた企業分析力にある。

ごろんさんはマーケティング分析が専門で、業務で積み上げた知見を銘柄選別にも応用する形で集中投資したことが、好成績を引き寄せた。

この資産増に貢献した銘柄では、次期の業績予想をする際に"売上高"と"ある数値"の相関関係を見抜き、1%の誤差でサプライズ決算を事前に予測した例もあった。

冷静に分析しながら銘柄を選択する一方で、投資に"積極的"なあまり、生煮えの知識で信用取引に手を出して追加の担保の差し入れが必要になる「追い証」の危機を昨年は経験してしまった。

合理的な判断を心がけながらも、射幸心からいつもの自分をつい忘れてしまって痛い目に遭うのは、投資家にとっては「あるある」の所業。だからこそ投資の腕を磨くには、自分らしさを常に保つことが鍵になる。

上編ではごろんさんのコンサルタント経験を生かした銘柄選びの技、下編では信用取引の初心者がハマりやすい罠と教訓について紹介していこう。

「わかりやすいビジネスモデル」「3年で売上高2倍」でふるい

まずごろんさんの銘柄の技について見ていく。

メインの投資手法は成長性が高いと判断した銘柄を選別して取得し、株価を上昇させる材料(カタリスト)に乗ってリターンをねらうのが基本スタイルだ。以下が重要視している3つのポイントとなる。

1.成長性の高さ
2.ストーリーを事前に想定
3.兼業なので時短を意識

まずは仕事で名前を覚えた企業やヒットしている商品のメーカーなど、身近な企業の決算や事業内容に一通り目を通し、気になった銘柄から業績の深掘りを行う。

兼業であるため、分析に回せる時間が少ないことが不利とならないよう、ビジネスモデルが理解しやすい銘柄を候補にしている。

業績に関しては、具体的には "3年で売上高が2倍"という基準で成長性を吟味する。年間平均成長率に直すと、25%ほどの水準になる。過去にこの基準を達成した銘柄は、競合他社にない強みを持つことが多いのが理由だ。

わかりやすいビジネスモデルと高い増収率の2つでふるいをかけると、投資対象となるのは上場企業の1~2割ほどになるという。

この母集団から、競合他社との優位性や市場全体の成長性などを加味して、成長期待が高い銘柄をウォッチリストへと追加してゆく。

候補リストに加える際には、株価上昇のストーリーを想定

リストに加える際に、株価が今度どのように上昇していくのかを想定しておくのが、ごろんさんの特徴だ。

想定する目的は2つ。1つは企業分析を行うのは土日が多いため、平日の忙しいタイミングでも冷静にトレードができるようにするため。平日は証券会社のアプリにある株価アラートを活用、取得したい価格でアラートを設定しておく。

もう1つは、取得後のグリップを保つため。取得後に株価が下落しても、事前に描いていた上昇ストーリーが崩れていなければ、保有を続けるのがごろんさん流だ。

これらのウォッチ銘柄への取り組みは、限られた時間を有効活用するために行っているというごろんさんは、情報収集でも時短を意識し、気になるキーワードのニュースをメールで通知してくれる"Googleアラート"や、ホームページの更新を通知してくれるアプリを活用している。

PR TIMESでは売上高と利用企業数が強い相関関係にあることを見抜く

ここからは、分析力を生かしてリターンを上げることに成功したPR TIMES<3922>とファーマフーズ<2929>のケースを紹介する。

PR TIMESはプレスリリースなどの配信、ファーマフーズは機能性食品などを手掛ける企業。どちらも個人投資家にとっては昨年からのスター銘柄で、お馴染みの銘柄だ。

この両社を、ごろんさん流の分析力を発揮して選択そして売買タイミングを見計らって勝ちを導いた。まずは昨年に資産増加に最も大きく貢献したるPR TIMES <3922>から見ていこう。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



 

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