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【特集】佐藤正和氏【強弱観対立の市場、8月のマーケット展望を読む】(2) <相場観特集>

佐藤正和氏(外為オンライン シニアアナリスト)

―7月相場も大詰め、コロナ禍での業績と株価の行方は―

 4連休明けとなった26日の東京市場は連休期間中に米国株市場で主要株指数が上昇歩調を強めたこともあって、リスク選好の流れとなり、日経平均株価は寄り付き直後に2万8000円ラインを突破するなど上値指向の強い地合いとなった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に対する警戒感は根強く、今後も一貫して戻りを試す展開となるかどうかは見極めにくい。米長期金利の低下傾向に歯止めがかかるなか外国為替市場では1ドル=110円台前半でもみ合いが続いている。今回は、株式市場の見通しについてauカブコム証券の山田勉氏に、為替の見通しは外為オンラインの佐藤正和氏に、それぞれ意見を聞いた。

●「FOMCの結果次第でドル安進行も」

佐藤正和氏(外為オンライン シニアアナリスト)

 足もとでドル円相場は110円台での値動きが続くが、111円乗せに向けては上値が重い展開となっている。この要因には、米10年債利回りが1.3%割れに低下していることがある。日本を含む世界規模で広がる新型コロナウイルスのデルタ変異株の感染拡大を警戒する動きも影響しているのだろう。

 市場には一時、8月の米ジャクソンホール会議でテーパリング(量的緩和縮小)が示唆され、11月にもテーパリング開始との観測が出ていた。しかし、この見方は修正されつつある。特に、米労働市場では雇用者数の伸びは期待した水準に達してはおらず、しばらくは米雇用統計の結果を確かめる必要があるだろう。とはいえ、来年年初のテーパリング開始の可能性は残されている。このため、今後の展開を見定める必要がある。その意味でも、27~28日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)の内容が注目されている。

 こうしたなか、今後1ヵ月程度のドル円相場のレンジは1ドル=109円00~111円00銭前後を見込む。基本的なレンジは110円を挟んだ一進一退を予想する。ただ、FOMCでパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長のハト派姿勢が想定以上に強ければ、109円ラインを意識するドル安・円高基調となることも想定される。

 ユーロドルは1ユーロ=1.16~1.19ドル前後のレンジを見込む。欧州中央銀行(ECB)の低金利政策は継続するとみられるほか、欧州での新型コロナ感染拡大も警戒され、ユーロは弱含みの展開が予想される。ユーロ円は1ユーロ=128円00~132円00銭前後で基本的なトレンドは一進一退だろう。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(さとう・まさかず)
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。通算20年以上、為替の世界に携わっている。

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